秀1 童謡を連れて小さな傘が来る
『あめふり』のような童謡とともに、傘をさした子どもが楽しげにやって来る姿が想像できて、なんともかわいらしい句だと思いました。
秀2 青春のビニール傘は折れやすい
思春期の若者が持つ心のもろさや弱さが、ビニール傘の一見頑丈そうだけれど、気をつけて扱わないと簡単に壊れてしまう、そんなところに重なりました。
秀3 傘さした人が人間なのですか
確かに、雨が降って来たときに傘をさすのは人間だけです。これまで気に留めていなかったことを指摘されてハッとしました。
エイヤッと亡夫の傘を捨てました
「エイヤッ」に、簡単なことではないけれど前を向いて生きていかなければ、という気持ちが表れているように思いました。
右肩が濡れなくなった傘ひとり
相合傘をして肩が濡れる、とした句が多い中、唯一、別れの句とされたことが印象的でした。
人柄を偲ぶ焼香傘の列
雨であることもいとわず訪れる人々。いかに素晴らしい人柄であったかが、下五の「傘の列」からしっかりと伝わってきました。
傘がない 行かねばならぬとこもない
「~ない~ない」の繰り返しのリズムが心地良く、また、傘がないことを不便に感じているのかと思いきや、特に困った様子もないという点に意外性があり、面白く拝見しました。
網棚の傘は何処まで行ったやら
網棚にあったのは高価な宝石などではなく比較的手に入りやすい傘。さほど深刻さを感じさせない「何処まで行ったやら」の表現がよく合っていると思いました。
ゆみこさん おはようございます。
お忙しい中、選評をありがとうございます。
秀3の句
そうですよね、当たり前のことですが改めて、人間以外は傘をささない…
傘の形は江戸時代から変わらないという句を作りたかったけど
あほらしいかなと思ってやめました。
ふと、疑問に思ったことを句に詠む…時間がないとか言っていないで
頑張りたいなと思います。