秀1 潔く参りましたと言っておく
潔く負けを認めることで、「気持ちのリセット」や「次へ向けての再出発」等が可能になります。本句には、再び前を向くために必要な数々の「ゼロ」を見せていただきました。
秀2 魂をすっかり抜いてする昼寝
「魂」を使った表現が想像力を膨らませてくれました。熟睡されている様子が目に浮かびます。
秀3 振り出しに戻れる賽の目はいくつ
もし戻ることができるのなら、その目の数が出るまで振り続けるのに…。「振り出し」は、「やり直したくても決して戻ることのできない過去」のようにも思えました。
無一文になると世間がよく見える
「無一文」と分かるや否や人の態度は豹変します。そうだと分かってもなおそばにいてくれる人が本当に信頼できる人。「無一文」と世間の関係を再認識しました。
ゼロコンマで競い合わない徒競走
同じ陸上競技ですが、運動会で行われる徒競走と世界陸上など世界一を競う大会とでは目的がまるで異なります。 両者の対比が面白いと思いました。
懺悔してゼロにはできぬ過去の罪
悔い改めることの大切さを説くものは多くありますが、一度犯した罪は消えないことに焦点を当てたものは案外少ないことに気が付きました。鋭いと思いました。
ゼロ掛けるゼロは無限としておこう
答えを「ゼロ」とするか、「無限」と捉えるかで心持は変わります。考え方ひとつでマイナスもプラスに転じさせることができるのだと教えてくれます。
宵越しの金は持たぬと言いたいが
江戸っ子のように景気よくいきたいところですが、現代社会はそれを許してくれません。無駄な出費は抑えたい、と多くの人が考えている現状を表しているようでした。