秀1 どうしましょ美人になった美人の湯
ご本人が美人になったのなら、美人の湯で間違いない。自分のことを美人というのは一流のジョーク。おおらかで楽しい川柳だ。
秀2 生き埋めで癒されている砂の風呂
温泉水で温めた砂に入るのが砂風呂。「生き埋め」が効いている。
秀3 温泉に縮んだ僕が伸ばされる
「縮んだ僕」が面白い。たしかに、温泉の中で伸びをすればくつろぐ。
星空を独り占めして露天風呂
夜の露天風呂、満天の星が輝く。
駅伝の応援兼ねて箱根の湯
箱根の湯に入って、箱根駅伝を応援する。なんという贅沢だ。
湯の宿で上座の妻にビール注ぐ
妻を上座にしたのがいい。感謝の気持ちがあふれている。
温泉にしばし浮かべる自由の身
温泉に身体を委ねている時間は何物にも替えがたい。まさに「自由の身」なのだ。
温泉は熊の冬眠待って行く
露天風呂の掃除をして、熊の被害にあった人がおられた。温泉は、なによりも安全でなければならない。
温泉街カランコロンと下駄の音
その昔、浅虫温泉の見番の前を、きれいなお姉さんたちがカランコロンと行き交っていた。
スマッシュで温泉卓球終わらせる
昔は、温泉場には必ず温泉卓球があった。懐かしい。
以上、10句の選評でした。
たかこさん、これでよろしいですか。
恒坊様
真夜中に選評書いてくださったのですね。
ありがとうございました。
温泉は熊の冬眠待って行く
この句、まさに旬すぎる句で心に残りました。
熊も食べ物が無くてなかなか冬眠に入れない。昨日も女の子の両足が食べられていたと言うニュースに背筋が凍りました。高い柿の木にも平気で登るし走ったらめちゃくちゃ早い。
コロナ以上の恐ろしさです。
出尽くした感のある「温泉」の題へ、いい句が集まりましたよねえ。
ゆみこさんとのコンビもラストワンとなりました。
最後のお題が「続く」
現在の鈴鹿川柳会へ励ましにもとれる題。
竹里さんの抜けた穴の大きさ、喪失感を感じながらそれでも続けて行かなくてはならない。
起こった事へ真摯に対応していても分かってもらいにくいことも多々あるようで、私もこうやって書くことにもなにかしら気にしながら書いています。