入選句へのコメントです。
注ぐ手元じっと見つめる盛りこぼし
誰でも必ずそうする。注ぎ手がどこまで盛りこぼしてくれるか、息を止めて注視している。
酒好きは酒一滴も溢さない
そんなことはない。酔っぱらえば注ぎこぼしもするし、お銚子を倒したりもする。でも、「酒一滴も」という誇張した表現が、酒好きの気持ちをよく表していて面白い。
列車旅ぽろぽろ溢す柿の種
列車旅には定番の缶ビールに柿の種。確かに「ぽろぽろ」溢してしまう。溢したくて溢しているのではないが、列車が揺れるので仕方ないのだ。
一杯の水を溢さぬ様に飲む
地震と豪雨災害に見舞われた能登や、空爆の続くガザを思い浮かべた。大切な水。安心安全な水を好きなだけ飲めることを、当たり前と思ってはならない。
しあわせがこぼれぬように目を閉じる
俗世間を見過ぎると、今ある平凡な幸せを幸せと感じられなくなる。だから、目を閉じて、この幸せを静かに噛みしめる。
秀3 うっかりと溢した愚痴が風にのる
今はSNSの時代。昔の井戸端会議どころではなく、うっかり溢した愚痴がすぐに世界に拡散される。くれぐれもご用心を。
秀2 愚痴こぼす相手はポチと決めている
これは賢明な選択。忠実なポチは飼い主に寄り添って最後まで愚痴を聞いてくれるし、決して他言はしない。これがタマだと、すぐにあっちへ行ってしまう。
秀1 監督が聞こえるように零す愚痴
昔なら野村克也監督、最近では岡田彰布監督。選手やチームを奮い立たせるための愚痴に味があった。若くて都会的な巨人の阿部監督には、まだ真似はできないだろう。
ポチの句、作者と選者の意見がぴったり合ったようですね。
タマが聞いたらちょっとむっとするかも?
この間も、戴 けいこさんと柳歩さんと、犬と猫の話をしていて
思ったのですが、犬派と猫派はやはりあるようですね。
私は、どちらも好きで、欲張りなのでしょうか。
犬は「ポチ」猫は「タマ」が市民権を得ているようです。
今、撮り溜めては観ている韓国ドラマの主人公の飼い猫の名前が
「ネコ」で、面白いなと思っています。
とりとめのない話でした。