席題8「初 」秀句45句/200中(出句順)  柳歩選         


ファーストキスのやわらかさにはかなわない            久美子
最初はグーめんどうなので次もグー
なん億回出ても初日は拝まれる                     伴久
初恋の人から届く年賀状                                                久美子
何となく一段超えた初舞台                        吉一
初顔が馴れ馴れしくてひねる首
初釜へ着物の帯に泣かされる                    たかこ  
初デート何度ものぞくコンパクト
初産の辛さが女強くする
初雪はぬくい気持にしてくれる
宿題の書き初め済ます十二月                    久美子                       
抜けたので深みにはまる初投句
朝青龍が負けると盛り上がる初日                  
終盤でやっと初日が出た土俵                     のりこ    
初日の出テレビから見る寝正月
初体験まず空振りのティアップ                     吉一
初っ端に指名をされるかくし芸                     骨太
初日には意外と多い当たりくじ
テレビより鼓ケ浦の初日の出
初売りに年末在庫摩り替わり                                      良夫
初任給今も袋はとってある
初雪に帰省の出鼻くじかれる                     金庫番
初鰹近頃旬が分らない
景気良い初荷の旗も減っている
かあちゃんを見初めてからが運の尽き

さーて誰が初めてだっけとは豪気                    伴久 
毒食わば 皿の最初が美味すぎた
思っていたとおりではない初対面
初心者の頃は点数甘かった                      のりこ
初飛行離陸着陸手を合わせ
近頃は初荷の旗は流行らない                     たかこ
年明けのその瞬間に初花火                                              骨太
最初からはいと言ったら済んだこと
元旦もまずコーヒーを口にする                    久美子
福袋敗者復活品ばかり                         たかこ      
初対面やや控えめに名を告げる                    骨太 
初詣で寺と神社を拝み分け                        良夫 
初日の出まるで日の丸揚げた様
まず箸が栗きんとんへいくお節                                         のりこ
見る者を寡黙にさせる初日の出                      修 
かみさんとデートを兼ねた初詣で                   金庫番
初売りの上手い呼び込みつい出費                                        骨太
最初から見ないと筋がわからない                  久美子
一目惚れしたことはない慎重派
まず一句抜けて安堵の初句会

初ヒットしてから波に乗ってくる                   (軸)柳歩