「今日かしら」アベノマスクが届く日は　　　　  　牡丹餅
そろそろと押さねばならぬ車いす　　　           　ブンゴ
孫の顔そろそろ見たいとは禁句　　　　　　      　のりこ
水鳥もそろそろ歩く薄氷　　　　　　　　　　　        まこと
のど自慢もうすぐ一つ鐘が鳴る　　　　　　         　竹里
そろそろと起きて腰痛庇う床　　　　　　　　　 　 　　祥司
気にかかる健診結果判る頃　　　　　　　　  　ちゃっちゃ　　　　
いいかげん芽が出てきてもいいゴーヤ　　　　　久美子
位置についてヨーイのままで待っている　　  　　　竹里
格さんが印籠を出す用意する　　　　　　　　　  　　竹里
十万円もらう準備はできている　　　　　　　　　　久美子
郵便のバイクの音を待っている　　　　　　　　 　久美子
そろそろと十二単の雅子様　　　　　　　　　 　　　　竹里
泥棒もそろそろ歩くトタン屋根　　　　　　　　　　　まこと
そろそろと急かすと娘怒りだす　　　　　　　 　　　　定昭
パトカーの後ろそろそろ付いていく　　　　　　　　    　繁
起きようかそろそろテレビ体操だ　　　　　　　   　　裕子
そろそろどうと言われて決めた縁でした　    　　たかこ
初スケートそろそろ手すり離せそう　　　　　　　 　のりこ
ストレート続きそろそろ来るフォーク　　　　　  　　　竹里

パリの灯がそろそろ見えてきた翼　　　　　　　  　　竹里
匂いからすればそろそろ海だろう　　　　　　　　　　定昭
夏が来てことしも迷うお中元　　　　　　　　　　　　　彰宏
窓際も五年そろそろ顔になる　　　　　　　　　　　　ようこ　
そろそろよ毎夜優しい風呂の声　　　　　　　　　　ようこ
慣れていてもそろそろ入る電気風呂　　　　　 　　まこと
潮の香に旅の終わりを悟る川　　　　　　　　　     まこと                 
戎橋そろそろグリコ走り出す　　　　　　　　　　　　　定昭
術後五日そろそろ普通食になる　　　　　　　　　　　　繁
二代目にそろそろ譲りたい暖簾　　　　　　　　　　  竹里
そろそろの声長老に聞こえない　　　　　　　　　　　竹里
胃の中をそろそろ探る内視鏡　　　　　　  　　　　 　　繁
赤福氷の出番そろそろ来る季節　　　　　　　 　   のりこ
そろそろ効いてくるころかしら惚れ薬　　　　　 　　のりこ
そろそろと待っているのに来ぬ便り　　　　　　　久美子
起きようかいやもう少し寝てようか　　　　　 　　久美子
花魁のようにバージンロード行く　　　　　　   　　たかこ
感染を意識しながら暮らす日日　　　　　　　　　　　祥司
そろそろと出番見据えている代打　　　　　　  　　まこと
そろそろの期待裏切る先送り　　　　　　　　　　　　正道

カレーの香そろそろ子らの帰る頃　　　　　　  　　　明子
そろそろがたちまちジェットコースター　　　　　 　  正道
そろそろと歩く病後の影ゆれる　　　　　　　　ちゃっちゃ
飼い主に合わせそろそろ歩く犬　　　　　　　　　　のりこ
大あくびそろそろ寝ると出すサイン　　　　　　  　　祥司
コロナ禍に外の青葉が目に染みる　　　　　　　　　彰宏
国宝の仏そろそろお身拭い　　　　　　　　　　      のりこ
そろそろと摺り足で寄るスイカ割り　　　　　　　 　まこと
そろそろと語る地震にない兆し　　　　　　　　　 　まこと
菜園もそろそろ夏に衣替え　　　　　　　　　　　　久美子
猫舌が鍋焼きうどん食べている　　　　　　　　　久美子
飲み過ぎの前にと幹事お会計　　　　　　　　　　 　祥司
ピンチ過ぎそろそろチャンス来る予感　　　　　   　　繁
当選五回そろそろを期待する　　　　　　　　　　　　竹里
スローモーションそろそろ見える勇み足　　　　　　定昭
ジャスミンの香りそろそろ眠くなる　　　　　　　   　定昭
テイクアウトでいいかそろそろ家事疲れ　　　　　　明子
そろそろと食べても味は変わらない　　　　　　 　たかこ                      
株分けをそろそろせよと花が言う　　　　　　　　     　繁
鈍行で土地の訛りを聞く温み　　　　　　　　　　　　 祥司

そろそろと云いつつ腰は未だ上げぬ　　　　　　　ようこ
優勝をそろそろ意識する仕切り　　　　　　　　　　 まこと                   
フレイルが老いにそろそろ忍び寄る　　　　　　　　 明子
墓仕舞いそろそろしなきゃ間に合わぬ　　　　　　  明子
そろそろと噛んでも痛い歯は痛い　　　　　　　　 たかこ
不気味だなずーっと続く無失点　　　　　　　　 　牡丹餅
マイナンバーカードそろそろ義務となる　　　 　　　正道
そろそろと並べ続けているドミノ　　　　　　  　　　　竹里
注ぎ過ぎたコーヒーそろそろと運ぶ　　　　 　　　久美子
階段をそろそろ降りる足になる　　　　　　　　　　　  　繁
そろそろと食べる人ない椀子蕎麦　　　　　　　　　まこと
ロスタイム何度も時計見る主審　　　　　　　　　　　竹里
断捨離でそろそろ捨てるお気に入り　　　  　ちゃっちゃ
返納へ家族会議で迫られる　　　　　　　　　　　　　明子
いつまでも迷っていてもしょうがない　　　　　    久美子
そろそろと進む焼香待ちの列　　　　　　　　       　竹里
そろそろと目と目交わして上げる腰　　　　　 　　　祥司
閉会へ時計チラチラ見る幹事　　　　　　　　  　　　祥司
降りる駅近い切符を確かめる　　　　　　　  　     たかこ
切り札をそろそろ出していい場面　　　　　　　　　　竹里

徳用のあられそろそろ飽きてくる　　　　             竹里
着地点探しそろそろ飛ぶ綿毛　　　　　　　　　　　のりこ
そろそろとコロナマスクに出る個性　　　　　 　　　ようこ
そろそろと刺しても痛い注射針　　　　　　　　 　　まこと
補聴器がそろそろ欲しい耳になる　　　　　　　  　　　繁
撮り溜めがそろそろ底をつくテレビ　　　　　　 　久美子
そろそろと三々九度の酒を注ぐ　　　　　　　　　　のりこ
富士山の噴火そろそろ噂され　　　　　　　　　  　　明子
もったいないともう一度だけ洗うシャツ　　　  　　たかこ
そろそろと思い土鍋に火を入れる　　　　　　　　久美子
そろそろがいつまで続く酒の席　　　　　　　　　　　祥司
気を満たし太極拳にゆだねる身　　　　　　　　　 　正道
もう時効そろそろ書くか回顧録　　　　　　　  　　　ようこ
妻の座に胡坐そのうち生えるひげ　　　　　 　　　ようこ
そろそろが一挙になだれ込むラッシュ　  　　ちゃっちゃ
そろそろと開ける茶室のにじり口　　　  　　　ちゃっちゃ
半袖着ると素麺のコマーシャル　　　　　　　　 　　　Ｋ子
余命なら100から今の歳を引く　　　　　　　　　　  　春爺
そろそろと好きな戒名考える　　　　　　　　　　　　　　進
七人の敵もそろそろ鬼籍入り　　　　　　　　　 　   まこと

そろそろと日がな一日待つ魚信　　　　　　　　　　まこと
感染者減っては来たがゼロじゃない　　　　　　　たかこ
そろそろと腰上げかけてまた喋る　　　　　　　 　　明子
そろそろと回し楽しむ万華鏡　　　　　　　　　　　 　　繁
物音を立てず天井這う忍者　　　　　　　　　　　  　正道
三日目の肌着に滲みた加齢臭　　　　　　　　　　　春爺
そろそろと十万円の使い道　　　　　　　　 　　　　  定昭                     
プレゼンが効いてきたのか応接間　　　　　　    　春爺
自粛解除アイドリングのままでいい　　　　　   　  春爺
雨が止んだらと出掛ける支度する　　　　　　  　久美子
つれあいが掃除するのを待っている　　　　　 　久美子
店じまい間際に滑り込むお客　　　　　　　　　     　明子
梅雨明けをまだかまだかと待つビーチ　　　　    　明子
そろそろと勲章を待つ古狸　　　　　　　　　　　　　まこと
髭剃りをそろそろ使う十五歳　　　　　　　　　　　　まこと
マゼンタとシアン点滅し始めた　　　　　　　 　  　　春爺
引き際がそろそろ来たと気づかない　　　　　    久美子
孵化をする時を計っている卵　　　　　　　　　　　久美子      
虫よけがそろそろ欲しい庭いじり　　　　　　　　　　正道
スピードを出さずに回る地域バス　　　　　　　　  　正道
            

柳歩の句、各７句推薦（投句数50句中）

たかこ選
そろそろと飛んではいられない弓矢　　　　　　　　 柳歩
スタミナがそろそろ切れる八合目　　　　　　 　　
リリーフの出番と観客も思う　　　　　　　　　　　　
頃合いを弁えている良いお客　　　　　　　　　　　
「紫陽花の径」にそろそろなる小道　　　　　　　　　
そろそろと回ると堕ちる竹トンボ　　　　　　　　　 　
焦ったら切れるそろそろ釣り上げる　　　　　　　　

久美子選
リリーフの出番と観客も思う　　　　　　　　　　　　 　柳歩
頃合いを弁えている良いお客　　　　　　　　　　　
そろそろを気にしなくてもいいコメダ　　　　　　　
強行採決その潮時を待つ議長　　　　　　　　　
焦ったら切れるそろそろ釣り上げる　　　　　　　　
別れ話を切り出すのにもタイミング　　　　　　　 　
これ以上飲ませてならぬ泣き上戸　

竹里選
スタミナがそろそろ切れる八合目　　　　　　　　　　柳歩
二人三脚そろそろ息が合ってくる
のぼせそうだからそろそろ出るお風呂
リリーフの出番と観客も思う
大器晩成まだそろそろがやって来ぬ
別れ話を切り出すのにもタイミング
そろそろと渡るしかない丸木橋

祥司選
そろそろを日本中が待っている　　　 　　　　　　    柳歩
そろそろと飛んではいられない弓矢
わたくしと入道雲のいいは・な・し
言い訳の多い政府でスローモー
そろそろと回ると堕ちる竹トンボ
ハンカチを出してそろそろ踊り出す
これ以上飲ませてならぬ泣き上戸