招き猫を退屈させる自粛令  　　　　　　　　 　　　 繁
宿題を出して退屈などさせぬ　　　　　　　　  久美子
案外と退屈しない退職後　　　　　　　　　　　 久美子
退屈な会議明日もあるらしい　　　　　　　　　　諭二
退屈な時計の針が進まない　　　　　　　   　 ブンゴ
退屈と言ってたこともあるマスク　      　　　  たかこ
退屈でおやつタイムが何度でも　　　　　　　  のりこ
天国でやっと退屈してる母　　　　　　　　　　　  裕子
マイペースなので退屈などしない　　　　　　 　 正道　
絵に描いた餅に色塗る待ち時間　　　　　　 　まこと
退屈と肥満はいつも正比例　　　　　 　　　 　　紅雀
子どもの日じいじばあばに予定なし      　 　たかこ
やることが無さすぎるのも辛いもの　　　　　   春爺
待ちぼうけしている過疎の丸ポスト　         久美子
退屈でも手抜きの家事は治らない　        　  のりこ
回診も面会もなく一人部屋　　　　 　ビジイグランマ
退屈と退屈がする長電話　　　　　　ビジイグランマ
血圧が高い退屈していても　　　          　　　たかこ
体育以外どれも退屈する授業　                　吉一
一人でも退屈しない露天風呂　　　                  繁
　
お互いの暇を覗いてつぶす暇　　　　　         まこと
退屈なものと決まっている式辞　　　           　竹里
退屈を顔に出さない聞き上手　　　　           　竹里
退屈で禁酒禁煙反故にする　　　　          　 のりこ
お隣りも退屈そうな古ピアノ　　　　             たかこ
退屈をさせない内にプロポーズ　　　　　　　  　春爺
ゴミ出しのない日退屈するカラス                　　繁
モナリザも無観客なら欠伸する　　　　　　　　   Ｋ子
退屈で迷惑メールでも欲しい　　　　　　　　　　 正道
退屈はさせぬとエンドウが実る　         　 　久美子
退屈な午後は畑を見て回る　　　　　          久美子
駐車場退屈そうに待つ車　　　                      　繁
退屈なのでおかずもう一品作る　　　　　　　　のりこ
退屈が鈴鹿の森に勢揃い　　　　　　　　　　　　祥司
退屈をする暇なんかない主審　　　　　　　　　  竹里
退屈な位置に置かれている桂馬　　　　　　　　竹里
パチンコ屋だけは退屈していない　　　　　　　　  繁
宿題を出され退屈しない夜　　　　　　　　　　　 竹里
スマートフォン退屈そうにいじる指　　　　　　　竹里
始まるとすぐ眠くなる孫自慢　　　　　　　　　  まこと

テレワーク進み退屈するハンコ　　　　　　　   まこと
退屈と闘いながら読む源氏　　　　　　　　　　　竹里
ひまわりの種を数えて小半日　　　　　　　　　　春爺
意味がわかればあまり退屈せぬお経　　  　　竹里
妄想をして退屈を紛らわす　                 　 　竹里
蛇口から退屈そうにひとしずく　　　　　　　　   竹里
家族葬ばかりで退屈な喪服　　　　　　         のりこ
退屈で草間彌生の南瓜買う　　　　　             Ｋ子
退屈とふたり身の上話する　　　　　　　　　　　祥司
退屈も自己責任と言う勿れ　　　　　　　 　　　 彰宏                
冷やかしで通販覗く三時間　　　　　ビジイグランマ
『展望』が届き退屈免れる　　　　　　          久美子
お湯が沸くまで退屈なカップ麺　　　　        久美子
退屈な句集必ず眠くなる　　　　　　　　　　　  　　進
たっぷりの時間に胡椒振りかける　　　　　　 たかこ
退屈に慣れ退屈と思わない　　　　　　　　　　　正道
退屈はさせないジェットコースター　　　　　　久美子
退屈でも取ってはならぬ臍のゴマ　　　　　 　久美子
退屈が贅沢だとは気づかない　　　　　　　  　　　繁
固定電話を退屈させているスマホ　　　　　　　吉一

暇人がルンバのあとをついてゆく　　　　　　 　春爺
退屈で齧ってみるかトルストイ　　　　　　　　　　Ｋ子
退屈な姿で伸びている輪ゴム　　　　　　　  　　竹里
退屈な人にカラオケ誘われる　　　　　　　  　　竹里
タバコ屋のおばさん居眠りが仕事　　        　たかこ
ばれぬようマスクの下で大あくび　        　　久美子
来賓の祝辞退屈そうに聞く　　　　　         　久美子
自動操縦で退屈する機長　　　　　　　　　　　　竹里
出会う人も退屈そうな散歩道　　　　　　　　 　のりこ
暇だけど退屈なんてしていない　　　　　　 　久美子
先生は居眠りしてるテスト中　　　　　　　　   久美子
動物園のカバの退屈そうな顔　　　　　        　竹里
私にはたいくつ抽象画の個展　　　　　　      　竹里
潜水艦退屈すると浮上する　　　　　　　　　 　　　繁
一人カラオケ他人の歌はつまらない　       　のりこ
退屈なうちにしっかり皺伸ばし　　　          　たかこ
寝正月ならぬもうすぐ寝連休　　　　　         　彰宏
後期高齢退屈すぎるのも辛い　　              　祥司
退屈につける薬ができました　　　　　　　　　　春爺
退屈な曲が流れる葬儀場　　　　　　　　　　　　竹里

退屈はさせない週刊誌の見出し　　　　　　　　竹里
退屈でちりめんじゃこを仕分けする　　　　　  のりこ
おやすみと退屈男早寝する　　　　　　　　　　　祥司
暇だけど退屈でないナマケモノ　　　　　　　　まこと
退屈のあくびの色は無彩色　　　　　　　　　　　春爺
退屈をさせぬ鈴鹿の春まつり　　　　　　　　　　祥司
入院で退屈すると勘違い　　　　　　　　　　　　　　繁
退屈だからとスーパーに行くなかれ　　　　　久美子
退屈をさせてくれない孫二人　　　　ビジイグランマ
退屈な人にアドレス教えない　　　　ビジイグランマ
退屈でもステイホームと言う都知事　　　　　　　 繁
百均でまぎらす退屈な時間　　　　　　　　　　 　れい
「退屈」の課題句会でもう出せぬ　　　　　　　　　 進
ひきこもりに退屈という文字はない　　　　 　   虎雄
お客さん退屈させぬ早変わり　　　　　　　 　  のりこ
大丈夫退屈で死ぬことはない　　　　　　　　　  正道
毎日が老いも若きも日曜日　　　　　　　　　　　 明子
障子でも貼ろうか腕がむずがゆい　　　　 　　たかこ                  
締切が来て退屈な日に戻る　　　　　　　　　　　竹里
退屈な人にお勧めする拙著　　　　　        　久美子

柳歩の句、各７句推薦（投句数７１句）

たかこ選
巣ごもりにもう飽きてきた足の裏　　　　　　　　柳歩
寅さんにステイホームは無理だろう
退屈を嘆いてならぬ路線バス
お互いに退屈しないヘボ将棋
退屈な人とソーシャルディスタンス　  　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　 
他人様の入選句だけ聞く披講
モナリザの微笑は退屈の極み　

久美子選
マネキンも僕も退屈しています　　             　柳歩
新家完司は退屈なんかしていない　　　　　　　
欠伸には欠伸で返すのが礼儀　　　　　 　　　　
鼻ピアスきっと退屈なんだろう　　　　　　　　　　
退屈な話が好きな哲学者　　　　　　　　　　　　 
寅さんにステイホームは無理だろう　　　　　　
耳掃除のしすぎと自分でも思う　　　　　 　

竹里選
退屈なときだけタマが寄ってくる　      　　　　柳歩
欠伸には欠伸で返すのが礼儀　　　　　 
退屈な話が好きな哲学者　　　　　　　 　
銅像にされタイクツを強いられる　　　　　
お互いに退屈しないヘボ将棋　　       　
寅さんにステイホームは無理だろう　　　
籠の鳥の気持ちが痛いほど分かる