(切る)納得の句が沢山ありました。
(大根が大見得を切るおでん鍋)
「どうだ、おれは大根だぞ」そんな声が聞こえます。
(ふる里の母が電話を切らぬ夜)
切ないですね~。(切る)という題で(切らぬ)だったので少し順位をおとしましたが抱きしめたくなるような句ですね。
(切り札を抱えて妻はよく笑う)
切り札を持ってる妻と、持たれている夫の駆け引きが面白いな~
(ついでにと縁切寺を見て帰る)
ついでに・・と言い訳をしているところが人間らしくていいな~。
(イカ刺しを料理バサミでつくる嫁)
思わず嫁入り前の孫を連想してしまいました。うちの孫もきっと料理バサミだろうな~。
(短髪にしてきた妻に身構える)
「髪を切ったのは僕に愛想をつかしたのか、それとも・・」脛に傷もつ夫は戦々恐々
(花形に切ってみたけど同じ味)
そう、大根は大根、人参は人参。でも見た目の印象も大切ですから・・
(リハーサルなしで切腹させられる)
おもろうてやがて哀しき人生を色々想像させていただきました。
(美しく切ってしこりは残さない)
未練やしがらみがべっとりついたものを、美しく切ることは難しい。凛とした作者の生きざまが見える。
(入鋏のリズムで人の海を切る)
乗車券に鋏を入れる時のリズムは憧れのリズムでもありました。
長くなりました。楽しい時間でした。美智子