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目次6月号 ・巻頭言 「 おまけ」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・お便り拝受 ・編集後記
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たかこ 整理 柳歩 堤 伴久・柳歩 三村 舞 たかこ 柳歩 清水信 橋倉久美子 柳歩 |
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巻頭言 |
・がんばっているとまけがついてくる たかこ アルバイト先の誰もが通る出入り口に何も書かれていないホワイトボードがある。半年ほど前までは、いろいろな催し物などの張り紙がしてあったが、掲示板が充実したようでやめたようだ。ある日赤と黒のマーカーが目に入った。ふと思いついて川柳を一句書いてみた。
「誰が書いてるんやろなあ、癒されるわ」と年配の男性が言っている。
一月以上経った六句目のこの句の横に、詠み人知らずで、 ・時計でもたまには止まる事もある ・立ち止まり今日の自分を振り返る この二句が書き添えられていた。思わぬ収穫に飛び上がりそうになった。本当の「おまけ」をもらった気だ。
大会まであと二週間となってきました、スタッフ一同心からお待ちしています。会場お間違いの無いようお越しください。 たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
・雑木さえ北海道の顔で立つ 橋倉久美子 北海道の雑木林が見えてくる。「北海道の顔で立つ」という表現に北海道の厳しさが現れている。凛とした一句。
・わたくしは善人ですと五七五 吉崎 柳歩 川柳は自分の嫌なところも醜いところも吐露する文芸だと思う。だが、人に認めてもらいたいと思っているうちに、いい子ちゃんになっているような気がする。句会の秀句など狙うとき、特にそう思う。
・老人を初めて意識した段差 山本 宏 老いは突然やってくる。他人事だと思っていた老い。他人事ではなくなる日。どこの段差だったか、いつのことだったか、はっきり記憶している作者。
・バラ園の中でもきつい加齢臭 寺前みつる 華やかなバラに囲まれているから、よけいに加齢臭を感じてしまったのだろう。
・幸せはこんな所にいぬふぐり 山本 喜禄 暖かくなったなあと感じた春先の、ある日突然、いぬふぐりを見つけた。春の風にそよそよとなびく青色の可憐な花。それを見て幸せを感じたという。私も毎年同じ感覚におそわれる。いぬふぐりとは不思議な花だ。
・さくら咲き俄に活気づく散歩 山本 鈴花 さくらでないといけない。活気あふれるさくらの道が見えてくる。
・春の空桜色してやわらかい 青砥たかこ 空までが桜色だという表現がぴったりの桜。桜の魅力に浸りきっている。
・次々と電話のかかる午後八時 鶴田美恵子 午後八時は動かない。にぎやかなお宅だ。きっと大人数の家族なんだろう。明るい家庭が見えてくる。
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5月24日(土)例会より | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
再評価・中井正義の世界
いつもお送り戴く『川柳亀山』の4月号(241号)の巻頭に、坂倉広美主宰が「道標の先」という文章を発表していて、『三重歌の旅』の著者、中井正義に触れている。
奇特と言えば、現在の藤田明に先立って、朝日新聞三重版の三重の展望欄を担当していた中井正義も、文芸に対しては、奇特な関心を持っていた人であった。 小説・評論だけでなく、短詩型文学のすべてにわたって、理解を示すというのは、本当は珍らしいことなのである。 本誌はじめ、『川柳緑』や『川柳亀山』や『川柳よっかいち』を毎月戴いて、川柳人種の仲の良さには驚くばかりだが、つき合いの良さや、理解の温かさと、オリジナリティへの固執との関係は、どうなっているのだろうという疑問も残る。
『大岡昇平ノート』(一九八九年八月、沖積舎刊)は、中井正義執心の大著である。「ながい旅」の映画化で、原作の大岡にも、一種の光が当っているし、中井も忘れ去られては悪い人なので、この秋には再考したいと思っているのだ。中井には、また前衛文学を絶対許さないという頑固なところがあって、それが面白かった。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||||||||
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