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目次 6月号 ・巻頭言 「マチエール」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論・ 自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・今月のこの句 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・特別室 ・ほっとタイム ・ポストイン ・お便り拝受 ・各地の大会案内 ・編集後記 |
たかこ 整理 柳歩 柳歩 石田一郎 たかこ たかこ 柳歩 清水信 |
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巻頭言 |
マチエール
「マチエールってなんのことですか」とよく聞かれる。意味は句集の中にも記してあるが、なぜこのタイトルにしたかをここに書いておきたい。フランス語であるこのことばを、「マティエール」と発音したくなるが、「まちえーる」である。 油絵を習い始めた頃、先生が、「マチエールのあるいい絵になるように」とよくおっしゃったが、理解することができなかった。でもおぼろげに分かるようになったとき、川柳もそして人生も一緒だわ、と思ったのだ。人間同士の付き合いがいい例である。いい加減にすればそれだけのもの、大切にすれば大切にしてくれる。川柳も自分の気持ちを素直に重ねてゆけばいいマチエールができるというもの。 マチエールは、どう生きてきたかがわかる答えのようなもの。 初めて出す句集に、これまで自分が生きてきた、積み重ねてきたものがぼんやりとでも分かれば、今後どう生きてゆけばいいかも自然と分かるかな、と思うけど、アハ、それほど大層なものでもありません。どうぞ読んでやってくださいね。たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
148号から 石田一郎
絵馬ラッシュ神様の目が届かない 井垣和子
給料は安いが当てにされている 疋田真也
陽炎の中の向こうでゆれるひと むらいかずあき
病んでみて何とやさしい人ばかり 鈴木裕子
それとなく別れた場所へ行ってみる 竹内由起子
懲りもせず桜が春を告げにくる 青砥たかこ (長野県川柳作家連盟会長) |
例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
『川柳よっかいち』観 前に『川柳亀山』のことを書いたが『川柳よっかいち』も毎号お送り戴いて、愛読している。たいへん、良い雑誌である。鈴鹿に土曜会というのがあって、毎月第二土曜日午後に、神戸コミュニティセンターで勉強会を開いている。単独の同人や結社ではなくて、夫々のグループに属しながら、そこにはその枠を越えて、前月に配布された会員の所属する雑誌や書物の作品について批評し合っている。文芸のジャンルを超え、その組織を超越して「文学」そのものについて話し合っている。 青砥さんはその幹部であるが、『川柳すずか』に属する人では村井一朗、秋野信子が参加している。東川和子も時々来てくれる。『川柳よっかいち』の同人では、松本きりりが参加してくれる。自分の秘蔵っ子と考えているのだが、清水弘子(宇宙詩人)や、佐野美幸(四日市詩の会)や、藤沢美子(文芸中部)らと同じように、姿勢が斜めである。 二、三ヶ月続けて来る事もあるけれども、大概は二月も三月も休んでは出てくる。いつでも逃げられるような姿勢で出席しては、自分を淋しがらせている。困ったものだ。 『川柳よっかいち』2月号では、前主幹、保地桂水の追悼特集が組まれている。松本きりり、菱川麻子、坂井兵各氏が良い追悼文を書いている。正月の急逝で、75歳だったという。 巻頭掲載の遺句を引用する。
・ペン先も磨く思いつく一と日 「ストロー」とか「一直線の虹」とか「ペン先」が、その言葉よりも深く定着されていることに驚く。 それにしても、川柳仲間の付き合いは大変だ。3月25日には朝日ホール(名古屋)で第15回朝日中部川柳大会がある、僕の知り合いの太田光昭がもの作りについて講演をしている4月8日は岩倉で第27回岩倉川柳大会が開かれ選者として坂井兵主宰が参加している。 3月26日には中日新聞ホールで第5回時事川柳大会があり、4月29日には津で三重県川柳連盟の大会があり全員出席だろう。4月23日には岡崎、5月27日には名古屋で(川柳なごや八百号記念大会)めでたい会がある。更に6月25日には鈴鹿で第4回鈴鹿市民川柳大会がある。 百数十名も参加する会は目白押しで、少しはうらやましい。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||
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