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目次 9月号 ・巻頭言 「 矛盾 」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・特別室 ・ほっとタイム ・ポストイン ・お便り拝受 ・各地の大会案内他 ・編集後記
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たかこ 整理 柳歩 柳歩 吉本君枝 たかこ 柳歩 清水信 |
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巻頭言 |
矛 盾 大会も終わりやれやれと思うこの頃、さまざまなことに小さな矛盾を感じている。 一つは「鈴鹿川柳会」のこと、会長になった当初から比べたらはるかに会員数も増え、県内外の方々から「よくやってるね」と身に余るお褒めの言葉も戴く。だが、会員、誌友が増えても例会の出席者がいつも同じくらいというのはなぜだろう。あと数人は来てほしいなと思うところだが、多くなると一人一人に気を配れないためか、理由もわからず休む人ができる。 趣味の会なんだから、来たい時に来てくれればいいとは思うが、一ヶ月に一回くらい顔を見せてくれたっていいじゃないかとも思う。好きに書けばいいのよ、と口では言いながら、いざ句会になると「いくら趣味だからといっても、これとあれとそれくらいは守らなくっちゃ」と叩き込む。もっと楽しくしたいのに、細かいことをつい言ってしまう。 会の大筋は柳歩さん、会計は征次さん、全国レベルで活躍できる会員も増えつつある。大船に乗ったつもりでいるのに、船底でホウキを持ってじたばたしている自分がいるのだ。 アルバイト先でもいろいろ矛盾がある。能率を上げるため工夫をすれば、楽になるかといえばそうでもなく、出勤人数を減らされる。機械を使いこなして、機械に振り回される。 「矛」と「盾」のようにどちらも自慢ができるものなら矛盾が生じてもいいが、なんだかなーと考え込むこんな「矛盾」はどうすればなくなるのだろう。 たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
151号から 吉本 君枝 植える場所なくてものぞく植木市 山本喜禄 心の箱庭に植えたいのです。酔芙蓉もいいかな。萩もいいかな、松の根元に猿の腰掛けもユーモラス…。こんな空想をしながら植木市をのぞく作者の楽しそうな顔。きっと美的センスを構成する能力の持ち主だと思う。 暗算で時々脳を刺激する 山本 宏 数字が苦手なのか、暗算ではなかなか私の脳は目覚めない。脳を刺激してくれるのは、やっぱり恋か。 用心深い男で傘は忘れない 沢越建志 完璧な男性には窒息してしまいそう。少々の雨にぬれている男にこそロマンを感じる。 腰痛と人間嫌い周期的 東川和子 うふふふふ。私とそっくりな人がいたものね。只今、人間嫌いの真っ最中。 敗北を承知あじさいと睦み合う 坂倉広美 濃紫陽花の姿のあまりの美しさに、負けてもいいと思う。心の中の期待を効果的に表現した、完成度の高い作品だと思う。 薬飲む手付きを自慢できますか 長谷川健一 中年女性が集まれば、カラフルな薬を見せ合って、これは高血圧、これは糖尿病と説明がはじまる。私はいつも、これは美人になる薬、これは川柳がうまくなる薬と、それぞれの薬を自慢する。しかし、中には本気にする人がいて、こちらの方がびびる。 幕の内弁当ほどの夢の数 青砥英規 幕の内弁当に匹敵するほどの夢があるなんて、いいなあ…。これからは幕の内弁当を味わいながら、しっかり夢を噛みしめてみようかしら。 枯れそうな心に海を見せてやる 青砥たかこ 早速、明日は海へ行ってみよう。枯れる寸前の心に、海は何を囁いてくれるのだろうか。海の優しさに、心はどんな反応を示すのだろうか…。 (石川県在住 蟹の目川柳社) |
8月26日(土)例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
津シンポジウム 本誌7月号(151号)は、去る6月25日ホテルグリーンパーク鈴鹿で開催された、第4回鈴鹿市民川柳大会の特集で、例年通りの盛会ぶりや優秀作品の発表もあって、充実していた。更に、鈴鹿市民川柳大会創立20周年記念大会と青砥たかこ主宰の句集『マチエール』の出版記念を兼ねていて一層目出度いことであった。 参加者名簿を見ると、129名の中には遠く山口県、石川県、京都府、大阪府、兵庫、奈良、岐阜の方も見えて、驚く。愛知からの参加は38名にものぼって、これも驚き。たいへんよいことだと思う。 また秋には、みえ県民文化祭があって、短歌、俳句部門と並んで、その盛会ぶりが予想される。第12回の「みえ県民文化祭」は平成18年10月9日(月・祝)に三重県文化総合センターで開かれる。 連句、詩、児童文学と私の所属している小説部門は、みえ県民文化祭文芸大会の中でも、参加者の少ないほうであるが、今年は、小説、評論部会は少し期日をずらしてもらう。かって俳句や短歌が期日や会場を変えたように、変更するのである。つまり、十月一日午後一時より、ホテルグリーンパーク津6階ホールを会場にして、中部ペンクラブのシンポジウムとコラボレーションする。 中部ペンクラブは、名古屋に本部を持って、加盟同人誌30余、会員200名余を数える広域団体である。今回三重県で初めてのシンポジウムを持つことになり、三重文学協会と共催し、県民文化祭の他のジャンルの方々も参加していただけるよう、別の日に開催することになった。 シンポジウムのテーマは「書くことに弾みがつく時」で、コーディネーターに名古屋文学名誉教授、堀内守、基調提案に清水信を配した。パネラーとしては名古屋の長澤奏子、愛知の宇佐美宏子、岐阜の吉村登、それに三重県側から岡正基(津)衣斐弘行(鈴鹿)八木紀生(四日市)が参加。 三重県側としては、当日参加者に配布する関連冊子(40ページ前後)として『文学館』(津)『土曜会』(鈴鹿) 『]YZ』(四日市)を準備している。 文芸の垣根も、同人雑誌へ垣根もはずした所で、月例研究会を開き続けてきた実績の上での論議になろうかと考える。夜の懇親会は有料だが、シンポジウムは無料である。川柳作家の皆さんの参加も大いに期待している。文芸ジャンルを超えて話し合うことは、未来のために有効と考えるので、また本誌の紙面をお借りして宣伝させて貰う。よろしく。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | ||||||||||||||||||
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