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目次 8月号 ・巻頭言 「疑似外来語」 ・すずか路 ・小休止 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・特別室 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ほっとタイム ・マチエール(皆様のお便りから) ・ポストイン ・お便り拝受 ・各地の大会案内 ・編集後記
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たかこ 整理 柳歩 菱木誠 たかこ 清水信 柳歩 |
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巻頭言 |
擬似外来語
若者の間で流行した省略語(きもい→気持悪い)やひっくり返した言葉(うまい→まいう)や英語をプラスした「どたキャン」などのような変な日本語に、ルーツのようなものがあった。
江戸中期時代の科学者、平賀源内が作ったとされる擬似外来語である。「エレキテル(静電気発生装置)」の実験で知られている。源内は他にも鉱山開発を試みたり、また戯作や浄瑠璃の執筆をしたり多彩な人物だった。まじめなところでは、風車式の蚊取り線香を発明し、それに「マワストカアトル」(回すと蚊取る)と名づけた。外来語のように聞こえるが純粋な日本語である。アンクルーム(大福)シリヒカール(蛍)チュートル(猫)。これらも源内作だとある。 たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
150号から 菱木 誠 母見舞うたびに小さくなっている 山本鈴花 何歳になっても母は母。万感の想いの溢れる連作。寝たきりのお母さんを看病する娘は逢うたびに小さくなって、やがて消えてゆくように思えてならない。 分別をすると私は粗大ゴミ 疋田真也 定年を機に離婚、年金の半分は持っていかれるご時世だ。掃除・洗濯・料理ぐらいは身につけて欲しい。 毒舌が愛だと知ったのは昨日 鍋島香雪 好きな子には、つい意地悪をするのは悪がきの時からのパターン。私をいじめたあの人は、やはり…。 愛情の深さか保険金の額 山本 宏 生命保険がいつの間にか増えていたのなら、ご用心。「年寄りを脅し続けている保険 誠」嫌ですね。 初めから反対だった訳でない 沢越建志 人間社会は動物園と同じ猿山。権力を持つ者と弾かれる者の相克にある。ここで引き下がっては男が廃る。 花もいい後の葉っぱはもっといい 上田徳三 同感、同感。美しい花のいのちはさっと散る。でも緑輝く葉っぱは生命の躍動を見せてくれるのがいい。 饒舌と無口秤にかけられる 寺前みつる なかなか難しい人生訓。饒舌すぎても、無口すぎても嫌われる。秤はどっちに揺れるか迷っている。 道端の地蔵をちょっと拝み 妊婦 坂倉広美 これから生を受けるわが子の無事を祈る妊婦。片手拝みでもいい。きっとお地蔵さんが見守ってくれる。 これからを考えすぎる亀の穴 北田のりこ 臆病な亀さん。あなたは考えすぎる。失敗したっていいじゃないの。まだまだ選択肢はある。 肩に蝶今日は良いことありそうだ 長谷川健一 都はるみの演歌に「あなたの肩に花が咲く」というフレーズがあるが、蝶が止まるとは、きっと吉兆だ。 やることはやった判決待つ想い 青砥たかこ 「青砥たかこを鈴鹿川柳会の終身刑に処す」。まるごとのたかこの『マチエール』、この手触りがいい。 (やまと番傘川柳社・編集人) |
7月22日(土)例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
『アフォリズム』募集 「鈴鹿と緑雨とアフォリズム」実行委員会による、アフォリズムの公募は今回が四回目である。 入賞作12点の内、最高賞一点を緑雨賞という。鈴鹿川柳会の吉崎柳歩さんが獲得して以来、その最高賞の受賞者が市内や県内に一人もいない。 今回は是非にも、この雑誌の読者の中から、緑雨賞の受賞者が出ることを願って、ここに書かせて貰う。 ポスターやチラシ、インターネットや公募雑誌や、マスコミで公募要領を発表しているが、それを更に抄録して皆さんに訴えたい。作品の規定は、次の通りである。 1、日本語であること。 2、句読点をふくめて一作品は80字以内であること。 3、一人十点以内。勿論すべてオリジナル作品であること。 4、ハガキ一枚に一作品。メールも可。 5、住所、氏名(本名&ペンネーム) 年齢、電話番号明記。 宛先=鈴鹿市神戸8丁目25‐5衣斐方 緑雨アフォリズム係 Eメール hiroyuki..ibi@chive.ocn.ne.jp 締め切り=9月15日 選考会・10月15日午後1時半より ジェフリーすずか (鈴鹿市神戸2ー15ー18) 賞=緑雨賞1、優秀賞3、新人作品賞1、選考委員賞7 共催=三重文学協会、鈴鹿市芸術文化協会、鈴鹿市、鈴鹿市教育委員会、岡田文化財団 一度でも出席なさった方には、お分かりだろうけれど、全作品を予選委員会で二百点乃至二百五十点にしぼり込んで、通過作品集を印刷、当日参加者全員に配布。その冊子の中の作品を対象にして、全選考委員で当日公開選考。入賞全作品を決定、選評の後、授賞式も行い、今年は臼田氏の講演を予定している。 アフォリズム(警告)に最も近い文芸は川柳である。川柳は形の上から言えば、省略の文芸。縮小の文芸、削除の文芸と言われる。 そのベテランである創作者がこんどは一寸伸ばしてもらう。つまり17音か17字の結果を、今回は80字に拡大して戴くのだ。 もちろん、川柳の風刺精神や批評精神は、アフォリズムの核心となるべきものだから、その健在を祈る。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||
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