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22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
21年12月「走る 」
21年11月「本気 」
21年10月「薬 」
21年9月「汗 」
21年8月「目 」
21年7月「避ける」
21年6月「軽い」

21年5月「手紙」
21年4月「華やか」
21年3月「きっちり」
21年2月「 ゆとり」
21年1月「 試す」
20年 12月「切替え」
20年 11月「力」
20年 10月「辞書」
20年 9月「客」
20年8月「住む」
20年7月「食べる」
20年6月「休む」
20年5月「野放し」
20年4月「取る」 
20年3月「けち」
20年2月「けなす」
20年1月「鏡」
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前月入選句発表 お題「 不便」

青砥たかこ選

  おいお茶で淹れてくれなくなってきた 千恵子       *
  カンガルーの袋仕切りはついてない 橋倉久美子    *
  名刺切れ一寸不便な初対面 加藤吉一         
  逃亡者不便な顔を持ち歩く 石橋芳山     *
  病院の売店ビールも酒もない 新家完司
  ランプ宿不便求める都会人 加藤峰子
  喫煙の場所を奪ってタバコ売る 眞二         
  停電で業務放棄の冷蔵庫 佐藤千四     
  苦労して行くから秘湯らしくなる 橋倉久美子    *
  目の色が違い言葉も解らない 風間なごみ
  一人では背中の湿布貼りにくい 東川和子
  待ち合わせケイタイ忘れ擦れ違う 山添幸子
  恵まれて不便さ愚痴る現代人 穂のか
  ああ不便今朝もスイカが弾かれる 伊田網人
  髭剃りには不向き名刀だとしても 柳歩
  不便さも懐かしくなる昭和村 竹口みか子    *
  定年後あえて不便な土地に住む 松本諭二
  駐車場なくて客足遠ざかる 春葉
  不便さを逆手に取った町興し 備瀬ちゃくし
  脱衣所から一キロ歩く露天風呂 丸山 進
  不便さを思い知らせる松葉杖 加藤吉一     *
  不便さも楽しんでいるエコライフ     千恵子       *
秀3 引き出しに委任状いる子の預金 春葉
秀2 合言葉忘れて家に入れない 新家完司       *    
秀1 住む人に不便を強いる文化財 北田のりこ    *
 評   文化財などという思いがけないもの持ち出して面白い句になったと思う。来年は完司さん・久美子さんよろしくね。  
軸  センサーが働き中へ入れない 青砥たかこ   
吉崎柳歩選
  寒い朝のトイレはベッドから遠い 佐藤千四
  団体を歓迎しない女子トイレ 松谷大気
  満員車ヒートテックが熱すぎる
  不便さを思い知らせる松葉杖 加藤吉一     *
  県庁へ一日掛けて行く僻地 通せん坊
  左手の怪我へパニック左利き 風間なごみ
  カタカナ語辞典もいまや必需品 濱山哲也
  おいお茶で淹れてくれなくなってきた 千恵子       *
  苦労して行くから秘湯らしくなる 橋倉久美子    *
  不便さに足腰だけが鍛えられ 丹川 修
  いただいた絵画が似合う部屋がない 濱山哲也
  ご不便を看板だけが詫びている 橋倉久美子
  不便さも楽しんでいるエコライフ     千恵子       *
  私を縛るケータイ持ち歩く 菜々子
  このバスを逃すと徒歩で峠越え 通せん坊
  不便さも懐かしくなる昭和村 竹口みか子    *
  合言葉忘れて家に入れない 新家完司       *    
  あなたがいなくなって不便になりました まりえ
  住む人に不便を強いる文化財 北田のりこ    *
  カンガルーの袋仕切りはついてない 橋倉久美子    *
秀3 逃亡者不便な顔を持ち歩く 石橋芳山     *
秀2 火葬場は隣町しかありません 菜々子
秀1 ケータイを持たない人がいる不便 加藤峰子       
 評   ケータイを持たない本人は、「何も困ることはない」と仰るが、持っている側(殆どの人)にとっては不便この上ない。  
リムジンは不便わが家に向かう路地 吉崎柳歩