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前月入選句発表 お題「 祈る 」
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橋倉久美子 選
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連絡のつかない皆の無事祈る |
竹口みか子 * |
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鶴何羽折れば良かったのか TSUNAMI |
上嶋幸雀 * |
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被災地へちっちゃな数珠も手を合わす |
早人 * |
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ひたすらに祈るしかない民である |
早人 * |
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神様に祈ると出来ぬカンニング |
吉崎柳歩 |
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天神の絵馬に一念込められる |
通せん坊 |
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合格の祈願はしてもそれっきり |
氷川の杜 |
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うな垂れているが祈りか居眠りか |
石橋芳山 |
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祈らねば曲がってばかりいる心 |
石橋芳山 * |
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合掌の手で暖める願い事 |
桐壺 |
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フェンス際祈り錯綜プロ野球 |
鼓吟 |
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神仏宙を舞ってる競馬場 |
山田こいし |
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神様も神に祈っていらっしゃる |
吉田梨花 |
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アーメンと唱えて後は酒になる |
山田緑青 * |
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お祈りが済むとご飯を食べている |
東川和子 * |
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祈ってる声に出しては言えぬ事 |
加藤峰子 |
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平和祈る釈迦もアラーもキリストも |
きぃろっく |
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突然にイスラム教は祈り出す |
眞二 |
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邪な祈りを神は聞き流す |
沢田正司 |
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手術の日庭の石にも手を合わせ |
まりえ * |
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お祈りの形で顔を出す双葉 |
北田のりこ * |
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天国へ行きたいのです経上げる |
加藤ゆみ子
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極楽行きを祈ってあげるお葬式 |
寺川弘一 * |
| 秀3 |
見返りをわずかに期待する祈り |
今々爺 |
| 秀2 |
真剣に祈ると腹が空いてくる |
丸山 進 |
| 秀1 |
叶うかな少し疑いつつ祈る |
片山かずお |
| 評 |
「少し疑いつつ」というのが、正直すぎておかしい。秀句3句とも、本音や人間くささを感じ、いいと思った。 |
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| 軸 |
祈り届かずにさなぎのままでいる |
橋倉久美子 |
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新家完司 選(秀句以外は順不同) |
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祈る間もなかっただろう津波跡 |
加藤吉一 |
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酒煙草断って術後の妻を看る |
福島敏朗 |
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ひたすらに祈るしかない民である |
早人 * |
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祈らねば曲がってばかりいる心 |
石橋芳山 * |
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アーメンと唱えて後は酒になる |
山田緑青 * |
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人間に哀しみがあり手を合わす |
板垣孝志 |
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連絡のつかない皆の無事祈る |
竹口みか子 * |
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お祈りが済むとご飯を食べている |
東川和子 * |
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あれ以来トイレ掃除をして祈る |
眞二 |
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ぽっくり逝くためたっぷりお賽銭 |
丸山 進 |
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黙祷して今日いちにちの栓を抜く |
善江 |
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手術の日庭の石にも手を合わせ |
まりえ * |
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節電が今のわたしにできる事 |
濱山哲也 |
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被災地へちっちゃな数珠も手を合わす |
早人 * |
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賽銭をはずんで無理なこと祈る |
青砥たかこ |
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足元がじんじん冷えて祈るだけ |
かおる |
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寺ですが手をたたいてもいいんです |
安藤なみ |
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人類の前にわが身を祈りたり |
今々爺 |
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トンカツをチンして祈るサクラサク |
伯林 |
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滝壺で手を合わすにはまだ寒い |
松谷大気 |
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手が二つあって天地への感謝 |
まりえ |
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お祈りの形で顔を出す双葉 |
北田のりこ * |
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ただ祈る最新医療の片隅で |
佐藤千四 |
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神様も優先をするもみじの手 |
加藤峰子 |
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地の怒りどうぞ鎮まりますように |
加藤ゆみ子
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お祈りが麻酔に融けて手術室 |
由美 |
| 秀3 |
極楽行きを祈ってあげるお葬式 |
寺川弘一 * |
| 秀2 |
鶴何羽折れば良かったのか TSUNAMI |
上嶋幸雀 * |
| 秀1 |
手を合わせ鰯を頭からかじる |
塚越孝一 |
| 評 |
食べものに対する感謝の念、というよりも、祈りと食欲の対比が、身勝手さを表していて面白い。 |
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| 軸 |
死ぬときは死にたくないと祈るだろう |
新家完司 |
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