目次30年4月号
巻頭言  「翔の記念集会」
すずか路
・小休止
・柳論自論
・人と句「北田のりこさん」
・例会
・例会風景
・宿題選評
・インターネット句会
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・ポストイン
・エッセイ・その他
・大会案内
・編集後記

 


柳歩
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巻頭言

「『翔』の記念集会」                                                                        

 三月三十一日(土)、桜満開の中、「せんりゅうくらぶ翔」の創立十五周年記念集会が開催された。たいへん交通の便の悪い亀山市ではあるが、県内外から88名もの出席があり三重県の大会としては盛会であった。私も三重県川柳連盟の理事長として祝辞を述べさせていただいた。

 「大会」ではなく「集会」である。なぜだろう? 川柳界では、鈴鹿市民川柳大会など、「大会」と称するのが一般的である。「集会」と言えば、「会合」とか「話し合い」を連想する。「憲法集会」とか、「原発を考える会」とか、終わったらデモ行進に出る場合もあるが、「翔の集会」ではそういうものはなく、「鈴鹿」と同じく「懇親会」と「カラオケ」があっただけである。

 翔の集会で特徴的なのは、第一回の五周年のときから、事前投句では川柳人以外の文化人(今回は俳人・詩人・市民)と翔の会員(今回は宮村典子氏)の四人による共選があることである。「大会」とせず「集会」とされたのは、このことにも関係があるのではないか? 「川柳の大会」で川柳人以外の分野の人(田辺聖子は別?)が選者を務めるのには異論もあるだろう。そこに気を遣われたのかも知れない。
 だが私は、ユニークな試みであると評価している。川柳は庶民の文芸であり、庶民の生活、人生の中での喜怒哀楽を詠む文芸である。であれば「川柳人」という「専門分野」の人だけに解ってもらう文芸でもないだろう。川柳以外の分野の方々から、生活者の視点で選句してもらうことに意義があり、勉強にもなることだと考える。  

 翔の集会は三周年、五周年、十周年に続き、今年は四回目であった。前回の「集会開催」の経験は生かされにくい。しかし、会長の大野たけおさんは三川連の現役事務局長として、大会の開催に十回も采配を振られている。また、会員の皆さんもスタッフとして経験充分。外交、気配りの要として典子さんも綿密な計画を練られたに違いない。司会、披講、呼名なども、ほぼノーミスで、見事な「集会」であった。 六月に大会を控えている我が会として教えられることが多々あった。いちばん大事なことは熱意だろう。

                                         柳歩

 
すずか路より
巨樹になれよと盆栽を地に下ろす 日野 愿
ひいばあちゃんなどと絶対言わせない 岡ア美代子
菜の花の黄いろ励ますように揺れ 澁谷さくら
五十九で専業主婦を辞めました 神野優子
空見上げ思わず祈る基地の町 上村夢香
せめて一言あと一言を待つさくら 前田須美代
みそ汁のインスタントもよいお味 佐藤近義
豆ごはんああ春だねと豆が言う 岩谷佳菜子
真夜中のメール貴女も起きていた 西垣こゆき
俺の土地だと言わんばかりの土筆群 松岡ふみお
想い出を辿れば枯れた山桜 坂倉広美
ヘルペスが所かまわず噴火する 勝田五百子
ミニ丼かミニうどんかでふと迷う 橋倉久美子
手間かかるわりには見映えせぬ料理 北田のりこ
孫たちに昔話という昭和 河合恵美子
初マラソン皆に釣られて自己ベスト 中川知子
数学は苦手算数なら少し 落合文彦
笑っては吹き飛ばせない花粉症 毎熊伊佐男
今日妻が起きてこぬのは電池切れ 寺前みつる
マネキンに着せるとどれもよく似合う 鈴木裕子
梅の木に脚立に乗れぬ身を詫びる 長谷川健一
体調が悪い証の嫌な夢 加藤吉一
奥ゆかしバイモの花に教えられ 安田聡子
孫つれてお婆ちゃんぽくなってゆく 芦田敬子
観客が損させられる不戦勝 圦山 繁
会長の仕事の一部ゴミ処分 千野 力
道の駅トイレを借りて試食する 西川幸子
出直しをするため一歩前に出る 小出順子
ぬるま湯が気持ち良すぎて出られない 高柳閑雲
自転車と太極拳で癌に勝つ 川喜多正道
三月が終わろうとする未決箱 柴田比呂志
み仏の声がだんだん近くなる 竹内そのみ
一強に仕立てた民衆も悪い 樋口りゑ
目を合わせ嫌わないでと馬に言う 眞島ともえ
暇潰しスマホゲームに嵌まりそう 加藤峰子
ご先祖に忍者いたかと孫が問う 福村まこと
虫たちに謝りながら畑を鋤く 佐藤千四
小銭入れ忘れて小銭また増える 西野恵子
糠にしん味噌も仕込んで春が来る 寺田香林
ことさらに気合を入れて通院日 瀬田明子
王様の裸に目をつむる与党 西山竹里
駄句だって拾ってくれる神がいる 吉崎柳歩
ぼんやりと捨てた時間は惜しくない 青砥たかこ
のんびりと列車の旅で飲んでいる 岡ア美代子(前月延着分)
 

整理・柳歩

3月24日例会より
宿題「 喉 」 青砥たかこ 選と評
   音痴には渋い喉だと言っておく 日野 愿
   食べ物と息を分けねばならぬ喉 西山竹里
 止  怒り爆発激しく動く喉仏 北田のりこ
 軸  旨そうに喉を鳴らせてのむお乳 青砥たかこ
宿題 共選「濁る」 芦田敬子 選
   忖度をするから濁る言葉尻 吉崎柳歩
   温泉を温泉らしくする濁り 橋倉久美子
 止  濁流に洗われ岩のダイエット 毎熊伊佐男
 軸  老いてなお艶っぽくなる鼻濁音 芦田敬子
宿題 共選「濁る」 毎熊伊佐男 選
   老いてなお艶っぽくなる鼻濁音 芦田敬子
   世の中に出ると濁ってくる瞳 吉崎柳歩
 止  わたくしが浸かると少し濁るお湯 吉崎柳歩
 軸  横しまを吐かせる魂の濁り 毎熊伊佐男
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選と評
   佐川氏もおそらく持っていた矜持 西山竹里
   春が来るそんないいことばかりかね 日野 愿
 止  ホワイトデーお返し来ないまま過ぎる 青砥たかこ
 軸  青空に落書きのある飛蚊症 吉崎柳歩
席題「鞄」 清記互選 高点句
 7点  弁当を食べると軽くなる鞄 橋倉久美子
 6点  六年間背中鍛えたランドセル 加藤吉一
   ただ乗りのカバンが席を占めている 北田のりこ
 5点  焦るほど出ないバッグに入れた鍵 川喜多正道
 4点  おばちゃんの鞄に鎮座してる飴 圦山 繁
   健診の結果に重くなる鞄 青砥たかこ
   迷惑を知らぬふりして引くバッグ 圦山 繁
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『配る』  応募98句
 13点  弁当を配り安否を確かめる 川喜多正道
 1 2点   年金を医者に配って生きのびる よしひさ
 1 1点   極寒の朝も新聞配る音 圦山 繁
    号外が配られたりはせぬ田舎 西山竹里
   歌詞カード配るほどでもない国歌 吉崎柳歩
  9点  秘湯にも手配写真が配られる 吉崎柳歩
  8点   自家野菜我が家の分が残らない 勝田五百子
     家族にも名刺を配る新入社 岩田眞知子