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前月入選句発表 お題「 薄い 」
橋倉久美子 選
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薄氷の上に原発半世紀 |
卑弥呼 * |
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PL法薄情な子を責められず |
ちゃこ |
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生活も透かして見せるゴミ袋 |
廣田千恵子 * |
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この紙のなんて薄いの離縁状 |
山口 |
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寝に帰る家族の空気薄い家 |
かきくけ子 |
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薄命の筈がよく食べよく眠る |
塚越孝一 |
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美人薄命まだまだ生きていられそう |
松本諭二 |
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お隣の孤独は見えぬ薄い壁 |
加藤ゆみ子 |
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江戸っ子も薄めたくなる熱い風呂 |
鼓吟 |
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今日もまた訃報 冷茶の薄い味 |
佐藤千四 * |
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ケータイのメールに薄い薄い恋 |
かきくけ子 |
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出来ちゃった別れちゃったという軽さ |
そぞろ歩き * |
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薄い耳してピアスなんかをつけちゃって |
東川和子 |
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えびせんの薄さに挑む海老一尾 |
青砥和子 |
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朝帰り迎える妻の薄笑い |
沢田正司 |
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影が薄くなったな妻もシカトする |
片山かずお |
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薄情な子に薄情で返せない |
吉田梨花 |
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内容の薄い割りには大見出し |
通せん坊 |
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正直な人だ薄謝が入ってる |
風間 |
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河豚刺しの下で牡丹の花盛り |
中川喜代子 * |
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デジタルの薄さになってくる情緒 |
吉崎柳歩 * |
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ご無沙汰が積もると薄くなるご縁 |
小太郎 |
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節電に赤ちょうちんも薄明かり |
伊田網人 * |
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薄味が男の角を丸くする |
高柳閑雲 |
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これ以上薄くなったら破裂する |
東川和子 |
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父母が逝き里の空気が薄くなる |
よしひさ * |
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ほぼ水の薄い酒でも酔える夜 |
鼓吟 |
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一葉で足る自分史をふくらます |
吉崎柳歩 |
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品薄のニュースで品薄に拍車 |
北田のりこ * |
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耳たぶのせいではないよ不幸癖 |
寺川弘一 |
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先方は薄紫のお召し物 |
高田桂子 |
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真実を言うと薄情だと言われ |
小谷小雪 |
秀3 |
自分史は幾度書いても薄っぺら |
沢田正司 |
秀2 |
待ちぼうけアイスコーヒー薄くなる |
ミント |
秀1 |
薄明かりだからほんとのことを言う |
阪本こみち * |
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薄明かりには、妙に人の背中を押してくる力がある。思わず本当のことを漏らしてしまった、たそがれ時のひとこま。 |
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感想文とにかく薄い本を選る |
橋倉久美子 |
新家完司 選 |
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居てたのか居なかったのかわからへん |
早人 |
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薄ぺらな壁一枚のプライバシー |
璃恩 |
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薄化粧していそいそとデイケアー |
まりえ |
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うすべにを引いて薄めの嘘をつく |
飯島章友 |
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父母が逝き里の空気が薄くなる |
よしひさ * |
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薄味に慣れて長生きするつもり |
彦翁 |
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ホームから届いた母の薄い文字 |
阪本こみち |
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薄っぺらい知識翳して原発に |
佐藤彰宏 |
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節電に赤ちょうちんも薄明かり |
伊田網人 * |
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薄明かりだからほんとのことを言う |
阪本こみち * |
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ない胸をさらに熨すマンモグラフィー |
由美 |
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薄味にして動脈の機嫌とる |
アズスン安須 |
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助かってます薄切りのハム二枚 |
高杉千歩 |
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薄口しょうゆ男にしてはもの足らぬ |
石橋芳山 |
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河豚刺しの下で牡丹の花盛り |
中川喜代子 * |
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入籍も別れも軽い紙一枚 |
柳谷益弘 |
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飛び込んでおいでよ薄い胸だけど |
上嶋幸雀 |
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今日もまた訃報 冷茶の薄い味 |
佐藤千四 * |
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薄暗い人生だけど生きていく |
いいだやひやく |
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エアコンの風が薄める蝉の声 |
蟻星 |
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出来ちゃった別れちゃったという軽さ |
そぞろ歩き * |
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品薄のニュースで品薄に拍車 |
北田のりこ * |
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ソース顔だけど存在感薄い |
鼓吟 |
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打ち水に鷺草薄くひらく胸 |
岩根彰子 |
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濃く薄くおんな心と紅の色 |
備瀬ちゃくし |
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目立たない追伸なにか叫んでる |
そぞろ歩き |
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生活も透かして見せるゴミ袋 |
廣田千恵子 * |
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桃を噛むうすい桃色噛んでいる |
石田穂實 |
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薄氷の上に原発半世紀 |
卑弥呼 * |
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薄まればいいわけでない放射能 |
由美 |
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みちのくの便り読む日の薄明かり |
板垣孝志 |
秀3 |
味噌汁の薄さくらいの近所仲 |
今々爺 |
秀2 |
言霊の国のペラペラした言葉 |
上嶋幸雀 |
秀1 |
デジタルの薄さになってくる情緒 |
吉崎柳歩 * |
評 |
大容量の情報を送ることができるというデジタル。情報が多いということは、内容が薄くなるということではないか。 |
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軸 |
薄れゆくパッション酒で補充する |
新家完司 |
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