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前月入選句発表 お題「 桜 」
青砥たかこ選 |
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運のいい花びら春の海に出る |
新家完司 |
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ひとひらも未練残さず散る桜 |
寺川弘一 |
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散り際の桜の嘘は許せそう |
眞二 |
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余裕あれば桜と共に北の旅 |
穂のか |
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花屋には売ってはいないのが桜 |
眞二 |
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強くなれ優しくなれと桜咲く |
さちこ |
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乾杯が済むと花見はしていない |
柳歩 |
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桜咲き裏でひそひそ金のこと |
なごみ |
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吟醸酒でしょう桜と酌むのなら |
橋倉久美子 |
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場所取りの新入社員いない年 |
柳谷益弘 |
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添え木され三百歳の桜咲く |
東川和子 |
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雪洞がつくと寝る間のない桜 |
よしひさ |
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さくら咲き貧しい村に人が来る |
新家完司 |
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毛虫這う頃は素顔でいる桜 |
加藤吉一 |
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桜吹雪石の地蔵は男前 |
佐藤千四 |
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着飾って桜に勝っているつもり |
水川 |
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サクラからブルーシートへありがとう |
伊田網人 |
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桜待てツアーの予定変わらない |
冨士田尚夫 |
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何度でも挑戦せよと咲くさくら |
柳歩 |
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廃校にしかし毅然と山桜 |
佐藤千四 |
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お節介な桜情報困る宿 |
加藤吉一 |
秀3 |
散る覚悟できた順から咲く桜 |
備瀬ちゃくし |
秀2 |
夜桜の通りを避けて通夜帰り |
寺川弘一 |
秀1 |
だまされてみよう桜の下だから |
松谷大気 |
評 |
満開の桜の下ならなんだって許せそう。桜には人を酔わせる力がある。桜の特徴をうまく衝いたと思う。 |
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軸 |
桜散り店仕舞いするおだんご屋 |
青砥たかこ |
吉崎柳歩選 |
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雪洞がつくと寝る間のない桜 |
よしひさ |
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告白をせよと桜にせかされる |
橋倉久美子 |
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輪の中に見知らぬ人もいる桜 |
濱山哲也 |
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生真面目に花を咲かせる山桜 |
まりえ |
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桜吹雪浴びて闘志が湧いてくる |
北田のりこ |
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蕾から桜散るまで見る窓辺 |
さちこ |
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花びらを掃いて馬鹿騒ぎが終わる |
水川 |
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添え木され三百歳の桜咲く |
東川和子 |
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あの日から桜哀しい花になる |
備瀬ちゃくし |
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風雪に耐えた桜が愛おしい |
春葉 |
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毛虫這う頃は素顔でいる桜 |
加藤吉一 |
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着飾って桜に勝っているつもり |
水川 |
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桜吹雪石の地蔵は男前 |
佐藤千四 |
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ひとひらも未練残さず散る桜 |
寺川弘一 |
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花の下みんな恋してしまいそう |
青砥たかこ |
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さくらさくら母も弾んで車椅子 |
佐藤千四 |
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拍手するところがズレているサクラ |
濱山哲也 |
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強くなれ優しくなれと桜咲く |
さちこ |
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だまされてみよう桜の下だから |
松谷大気 |
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騒いではいるが孤独な花の下 |
水川 |
秀3 |
見納めのような気がする花吹雪 |
新家完司 |
秀2 |
散り際の桜の嘘は許せそう |
眞二 |
秀1 |
散る覚悟できた順から咲く桜 |
備瀬ちゃくし |
評 |
花の命も人の命も短い。どうせはかなく散る命なら、覚悟を決めてひと花咲かせてから散ろう。 |
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軸 |
乾杯が済むと花見はしていない |
吉崎柳歩 |
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