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前月入選句発表 お題「 道 」
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橋倉久美子 選
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避難所の窓から望む遠い道 |
佐藤千四 * |
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カーナビが新道に出て絶句する |
高山帰櫻 * |
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けものみち獣に会わぬよう走る |
寺川弘一 |
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波打っている二次会の帰り道 |
こゆき * |
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脱いできた殻のぶんだけ分かれ道 |
桐壺 |
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アジトへの道は迷路になっている |
吉崎柳歩 |
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ローマへは着きそうもない道を往く |
小太郎 * |
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ゆっくりと行くから道が美しい |
杉山太郎 |
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言い訳を考えながら帰る道 |
沢田正司 * |
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この道が好きでスキップランニング |
中川喜代子 * |
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なんとなく息抜きしたい回り道 |
伊田網人 |
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まわり道した分風と戯れる |
十六夜 |
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坂のない道ばかり選る僕の杖 |
佐藤千四 * |
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標識に逆らう二十歳迷い道 |
はるやす |
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きみに会う道が大きくカーブする |
山口亜都子 |
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わが道を行くぞと吠えて裏の道 |
こゆき |
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元気な子ばかりではない通学路 |
廣田千恵子 * |
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てっぺんで自信に変わる登山道 |
西村由佳里 |
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この先は憧れとある道標 |
アズスン安須 |
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寄り道をするとママからベルが鳴る |
ミント |
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堅物のナビを信じて遠回り |
やっち * |
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踏めば踏むほどくっきりとした道になる |
吉田梨花 * |
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逃げ水がよく現れる迷い道 |
名賀 久 |
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もう蛇が横断しなくなった道 |
山田緑青 * |
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転んでも怪我はさせない田舎道 |
夏舟 |
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雑草の意地か舗道を割って咲き |
卑弥呼 |
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道草を重ねて海に出てしまう |
板垣孝志 * |
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裏道に昭和がこびり付いている |
そぞろ歩き |
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決心の道に画鋲の二、三本 |
備瀬ちゃくし |
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さよならをもう悔いている帰り道 |
阪本こみち |
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言い訳のような魚道が付けてある |
吉崎柳歩 * |
| 秀3 |
寄り道をしてはならない鮭の群れ |
山田こいし * |
| 秀2 |
回り道してにんげんになった猿 |
よしひさ |
| 秀1 |
真っ直ぐな道を選んだ絶滅種 |
加藤吉一 |
| 評 |
奇しくも人間以外の生き物の「道」を詠んだ句を秀句にいただいた。人間も「道」を見直すべきなのかもしれないと思いつつ。 |
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| 軸 |
プライドを捨てた無料の高速路 |
橋倉久美子 |
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新家完司 選 |
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道草を重ねて海に出てしまう |
板垣孝志 * |
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必死にペダル漕ぐ下り道楽しみに |
北田のりこ |
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寄り道の理由そろそろネタが尽き |
松本諭二 |
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母ちゃんも父ちゃんもいて道の駅 |
山田こいし |
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地図にない己の道を突き進む |
紅玉 |
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シナリオになかった道を一人行く |
中川喜代子 |
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国道を渡る首輪のない仔犬 |
松谷大気 |
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カーナビが出来て無頼派いなくなり |
飯島章友 |
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エピローグ川柳道に迷いなし |
伊田網人 |
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女の会話とどめなく脇道へ |
北田のりこ |
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くねくねのカーブの先にいた王子 |
伯林 |
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言い訳を考えながら帰る道 |
沢田正司 * |
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踏めば踏むほどくっきりとした道になる |
吉田梨花 * |
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つまずいて転んで見えた歩む道 |
ボケ爺さん |
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カーナビが新道に出て絶句する |
高山帰櫻 * |
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旧道に変わらぬ味を継ぐ老舗 |
そぞろ歩き |
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どうやらわたし道訊きやすい顔らしい |
廣田千恵子 |
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登り道先を見ないで靴を見る |
十六夜 |
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もう蛇が横断しなくなった道 |
山田緑青 * |
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言い訳のような魚道が付けてある |
吉崎柳歩 * |
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この道が好きでスキップランニング |
中川喜代子 * |
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ローマへは着きそうもない道を往く |
小太郎 * |
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酔っ払ったとき左右に揺れる道 |
山田緑青 |
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坂のない道ばかり選る僕の杖 |
佐藤千四 * |
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元気な子ばかりではない通学路 |
廣田千恵子 * |
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道草を喰って肉食系になり |
夢庭 |
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波打っている二次会の帰り道 |
こゆき * |
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堅物のナビを信じて遠回り |
やっち * |
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寄り道をしてはならない鮭の群れ |
山田こいし * |
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初めての道少しきょろきょろして歩く |
寺川弘一 |
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避難所の窓から望む遠い道 |
佐藤千四 * |
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復興の道へガレキを掻き分ける |
闘句郎 |
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空き缶が恥じ入っている分離帯 |
橋倉久美子 |
| 秀3 |
地ならしは夫にさせて楽な道 |
加藤ゆみ子 |
| 秀2 |
わたくしの道にバナナの皮ばかり |
濱山哲也 |
| 秀1 |
神さまに断たれた金の入る道 |
まりえ |
| 評 |
金が入って来る道ほど険しい道はない。神さまは時として意地悪で非情である。 |
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| 軸 |
ドスドス来た道これからはヨボヨボ |
新家完司 |
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