|
前月入選句発表 お題「 切る 」
青砥たかこ選 |
|
半分に切ってそれから考える |
東川和子 |
|
こんな切れぬ包丁だったのか妻よ |
小太郎 * |
|
裏表確かめてから封を切る |
松谷大気 * |
|
切る方の痛みなんかはしれたもの |
丹川 修 * |
|
官僚の首は竹光では切れぬ |
柳歩 |
|
横並び三親等は切れやすい |
小太郎 |
|
切れ味のよい包丁は使えない |
山添幸子 |
|
五十年ぶりに煙草と縁を切る |
よしひさ * |
|
包丁を研げば漬物切れるのに |
加藤峰子 |
|
臍の緒を切ったときから独り立ち |
柳谷益弘 |
|
歳相応と脳を輪切りにして見せる |
よしひさ * |
|
腐れ縁切るとき少し躊躇する |
松本諭二 * |
|
封切れば納付金額納付時期 |
早川トミジ |
|
定年でばっさり切った腐れ縁 |
春葉 |
|
名刀も使えば銃刀法違反 |
寺川弘一 |
|
電話口うまい話は直ぐに切る |
加藤吉一 * |
|
卒園後切れてしまった糸電話 |
伊田網人 |
|
縁側で切るとおいしくなる西瓜 |
柳歩 |
|
髪切ると帽子がちょっと深くなる |
松谷大気 * |
|
まな板の切り傷自然治癒しない |
北田のりこ * |
|
息切れが目立つ私も日本も |
早川トミジ * |
|
しがらみがテープカットの手を増やす |
眞二 * |
|
切り札はまだ見せられぬ序盤戦 |
まりえ * |
|
派遣切り癒してくれた花時計 |
風間なごみ |
|
切り立った岩場で見せるサスペンス |
よしひさ |
|
もういいのですわたしから切る電話 |
橋倉久美子 * |
秀3 |
切れぬようゆるませておく細い糸 |
橋倉久美子 * |
秀2 |
頼りない歯だがバナナは噛み切れる |
新家完司 * |
秀1 |
どう切ってみても海鼠というかたち |
たむらあきこ * |
評 |
秀句にしたい句がたくさんあった。西瓜を切る句はすぐ出来ても、グロテスクな海鼠を切ることを思いついたことに称賛。 |
|
軸 |
新しい恋へハンドル切り替える |
青砥たかこ * |
吉崎柳歩選 |
|
包丁を咥えて離さないかぼちゃ |
北田のりこ |
|
こんな切れぬ包丁だったのか妻よ |
小太郎 * |
|
五十年ぶりに煙草と縁を切る |
よしひさ * |
|
歳相応と脳を輪切りにして見せる |
よしひさ * |
|
揃いましたか大きな西瓜切りますよ |
東川和子 |
|
今度は断ち切るパチンコの誘惑 |
伊田網人 |
|
新しい恋へハンドル切り替える |
青砥たかこ * |
|
腐れ縁切るとき少し躊躇する |
松本諭二 * |
|
電話口うまい話は直ぐに切る |
加藤吉一 * |
|
裏表確かめてから封を切る |
松谷大気 * |
|
まな板の切り傷自然治癒しない |
北田のりこ * |
|
指切りのあの約束は時効です |
穂のか |
|
切る方の痛みなんかはしれたもの |
丹川 修 * |
|
切り札はまだ見せられぬ序盤戦 |
まりえ * |
|
先生が自由自在に切る手術 |
寺川弘一 |
|
思い切るつもりの酒はほろ苦い |
備瀬ちゃくし |
|
もういいのですわたしから切る電話 |
橋倉久美子 * |
|
どう切ってみても海鼠というかたち |
たむらあきこ * |
|
しがらみがテープカットの手を増やす |
眞二 * |
|
息切れが目立つ私も日本も |
早川トミジ * |
|
散髪で切られた髪は惜しくない |
寺川弘一 |
|
まだここはこの世深爪するところ |
たむらあきこ |
|
頼りない歯だがバナナは噛み切れる |
新家完司 * |
秀3 |
切れぬようゆるませておく細い糸 |
橋倉久美子 * |
秀2 |
髪切ると帽子がちょっと深くなる |
松谷大気 * |
秀1 |
にんげんであらねばならぬ爪を切る |
新家完司 |
評 |
にんげんであり続けるためには、理性と身だしなみは欠かせない。「爪を切る」が実に適切。。 |
|
軸 |
世相切るペンもたじろぐネグレスト |
吉崎柳歩 |
|
|