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目次2月号 ・巻頭言 「 私にとっての六」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・没句転生 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・エッセイ ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受 ・編集後記
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たかこ 整理 柳歩 柳歩 新家完司 たかこ 柳歩 清水信 橋倉久美子 石丸たか 柳歩 |
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巻頭言 |
私にとっての「六」
この二月号で会長就任七年目突入となり、改めて六年間の重みを感じています。「五」や「七」のように切れもなく、まして川柳では下六などは嫌われ、どこにも「六」の出番はありません。 だけど、私にとっては六年を過ぎたということに、大きな意義があるのです。前会長の美津子さんは、竜子さんという強力な補佐の元七年間頑張られました。諸事情で引き継いだ私は、漠然と「七年も頑張れるんだろうか」と思ったのです。 そして「七年頑張れたら十年は行ける」、そんな確信もしました。もちろん一人だったら到底無理でした。それだからこそ、六年経ったということに深い感慨があるのです。
「六」と聞いて皆さんはまず何が浮かびますか?ほう、川柳作家はやはり「六大家」ですか?「ろくでなし」は「六」ではないですよ。「六法全書」「六腑」くらいでしょうか。「第六感」は働くほうですか? 縁起の悪いところでは「六道銭」三途の川を渡るためのお金(六文)だそうです。今の価格にしたらいくら位でしょうか。難読に「六大」は(あの)「六合」(くに)とありました。ちんぷんかんぷんですよね。
そうそう、忘れてはいけません。「六月」は特別な月、今年は第六回目の市民大会。ここまで張り詰めてやってきましたが、やはり気を抜くことはできません。
今年は第五日曜日、お待ちしていますね。 たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
・ゴミ出しの日があり無事な日が過ぎる 堤 伴久 生きているからゴミが出る。無事であるからゴミの日にはゴミを出すことができる。至極当然のことではあるが、病気になればこの「当然」は崩れてしまう。
・非常勤運転手です妻の 寺前みつる 要請があったときだけ運転する「非常勤」。時給ゼロではあるが、気楽なので気に入っている。しかし、予約を受けた日は酒が飲めないのが少し残念。
・隠し場所あっても隠す金がない 山本 宏 仏壇の奥、冷蔵庫の冷凍庫の中、天井裏、下駄箱の裏、等など、小さな家でも一億円くらいならいくらでも隠すことはできる。肝心の裏金そのものが無い。
・誕生日なのに普通の晩ご飯 鍋島 香雪 子供が幼かったころ、子供の誕生日には趣向をこらしてご馳走を作ったが、誕生日が嬉しくない大人だけだとやる気も湧いてこない。まあ、「普通の晩ご飯」を元気でおいしく食べることができるのが幸せ。
・高級な素材をわやにした夫 山本 鈴花 「どや、うまいやろ?」と得意げに鼻を蠢かすが、明らかに失敗作。男の料理は高くつくが、パチンコにはまり込むよりはましだと我慢してあげましょう。
・日記帳だけを机の上に置く 木村 彦二 机の上には、持ち主の性格と暮らしぶりが表れる。あれもこれもと欲深く抱え込んだ人の机は乱雑で、頭の中も乱雑。「シンプル・イズ・ベスト」である。
・自転車かごゴボウとネギの角二本 北田のりこ 午後の街角の情景。「みんな、邪魔だ!どけどけ!」元気良くマイ・チャリンコをぶっ飛ばす作者。ゴボウとネギのツノを先頭に。颯爽と自宅までの凱旋だ。
・網戸みな洗ってからの茶がうまい 鈴木 裕子 ようやく決心してやっつけた網戸の掃除。気掛かりだったことを片付けた後の茶は格別。こころの豊かな人は、些事から深い満足感を得ることができる。
・先頭は母さんらしい渡り鳥 長谷川健一 「先頭は父さんだろ」と反論したいが、昨今のウーマンパワーを見ると、「やっぱり母さんか」と納得。
(川柳塔社同人・川柳展望社会員・鳥取県在住)
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1月26日(土)例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
のらりくらり
私は何でも読む。週刊誌だって結構たくさん見ている。玉石混交の情報過多の時代、俗悪週刊誌なんかに時間をとられるなんてバカげているという人もいるけれども活字の匂いのするところ、私は灯に飛びこむ虫さながらである。自然に読んでいる。 『週刊文春』新春特大号では、「川柳のらりくらり」の特別興業をしている。柳家喬太郎(この欄の宗匠)と伊藤理佐(漫画家)と林家二楽(紙切り芸人)の三人による投稿欄一年の総括である。 柳家は一九六三年生まれ、新作古典双方をこなす落語家。伊藤理佐は一九六九年生まれ、「やっちまったよ一戸建て」「チューネン娘」が代表作。二度目の夫は吉田戦車。林家は一九六七年生まれ、ということで、四十代の芸能人による川柳談義。
・お土産を届けた家へ詫びに行き
これは食品偽装にかかわっての作。赤福、白い恋人などがヤリ玉に上っている。然し日本民族は悪に甘いので、私の近辺の人の殆んどが「赤福可哀そうね」と言っていて、おかげ伊勢参宮の客が落ちるわで、罰した方が悪いと言いつのる有り様。
・女房との愛にもあった賞味期限 ・ハンバーグ表が牛で中が豚
これらも食品偽装にからめた作。鋭くもなし、抒情性もないが仕方ないか。 文学は印刷された場所で、高低が出るのは当然。しかし三重県人としても、赤福はダメですよ。
・済みません申し訳ない遺憾です
企業家や政治家、官僚はすっかり謝り上手になったけれども、本気でないのか、その姿勢から分かる。つまり悪に甘い体質が、そういう姿勢に出ているのだ。
・給食を無銭飲食させる親 ・国産の横綱見たい国技です ・この辺はポストがないので産めません
何れも周知の「困った事情」をテーマにしている。一年間の応募作に見る秀句の披露だが、素人っぽさがウリなんだろうと思う。 もちろん、ずっとうまいが、本誌からも拾う。
・ゴルフ漬け接待漬けもまた苦行 吉崎柳歩
・軍事費はたっぷりとある甘い蜜 鈴木章照
(文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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