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目次1月号 ・巻頭言 「 言葉の力」 ・すずか路 ・小休止 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・お便り拝受 ・大会案内・戴いた年賀状 ・年賀広告 ・編集後記
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柳歩 整理 柳歩 板野美子 たかこ 柳歩 清水信 橋倉久美子 たかこ |
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巻頭言 |
「ヒーローになってこい」元日に行われたサッカー全日本選手権決勝戦は、ゼロ対ゼロのまま延長後半を迎えた。監督から、この言葉を貰って送り出されたガンバ大阪の播戸選手は、同十一分に見事決勝ゴールをあげた。 |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
・キャラメルを噛んでしまってからの悔い 鈴木 裕子
・目覚めたら突然秋になっていた 橋倉久美子
・生き生きと悪口を言う熟女たち
山本 宏
・晩年に誓う老いても愛し合う 鍋島 香雪
・ライバルは時々勝てる人にする
石川きよ子
・首すじを撫でて信号機を見上げ
坂倉 広美
・どぶ川も金木犀も散歩道
加藤 吉一
・人はみなその人なりの唄がある
竹内由起子 |
12月27日(土)例会より | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
田辺聖子と共に(2) 清水 信 エロティシズムは古典川柳の重要な要素の一つである。昔は男作家の専門だった川柳の世界が、女8割男2割という風に構成が変ってきている。そこでこの要素が崩れていった。そこの部分が、説明しにくく、共有できぬものになってきている。軽い方から引く。 ・女湯へおきたおきたと抱いてくる 赤ん坊が寝ている暇に、女房が銭湯へ行く。具合いの悪いことに、赤ん坊が目を覚ます。そして泣き出す。預っていた亭主では、なだめるてだてがない。ついでのことに、女湯をのぞいてみたいという男心があって、「起きた、起きた」と叫びながら、洗い場にいる女房のところへ赤ん坊を抱いていく。 ・飛び物に夜鷹は客を跳ね返し 戦後も昭和25年になって禁を解かれた『誹風末摘花』は、いわば国禁の書。その中の淫猥な一句である。「夜鷹」を知らないと意味が解らない。夜鷹は夜行性の肉食鳥で、街娼のこと。野外で性交渉中、飛び物=お化けが出て、女は上に乗っている男をはね飛ばして逃げたという話である。お女郎だって、夜陰にそれを買う貧相な男だって、お化けと言えば、お化けである。お化けみたいな男女が、本当のお化けにキャッと叫ぶ面白さをねらっていて笑わせる。でも、女性には不快感の残る作かも知れない。こんなのは、どうだろう。
・みんな留守猫の交尾をよつく見る
田辺聖子は『古川柳おちぼひろい』の中で、これらの作を並べ、独身男の日常を解釈している。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||||||||
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