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目次3月号 ・巻頭言 「 清水先生と土曜会」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・エッセイ ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・お便り拝受 ・編集後記
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たかこ 整理 柳歩 柳歩・堤 伴久 山口龍一 たかこ 柳歩 清水信 橋倉久美子 石丸たか 柳歩 |
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巻頭言 |
清水先生と土曜会 ま ず右の表紙裏のページをご覧下さい。大会の案内である。今月から一行増えていることをお知らせしたい。
今年のアトラクションは、昨年めでたく米寿を迎えられ、また中日文化賞という栄えある賞を受賞された文芸評論家、清水信先生に「講演」をお願いしたのである。
先生には「特別室」で、いろんなジャンルから川柳の肥やしになるエッセイを書いていただいている。 評論家として、日本の文学界で知らない人はいないといえる第一人者である。清水先生を慕ってたくさんの「物書き(有名な人も無名な人もである)」さんたちが定例文学研究会に集う。
「土曜会」もそのひとつである。三重には他に、津に「津文研」四日市に「]YZ」があり、名古屋にもあるとお聞きしている。 本当にお忙しい方である。「土曜会は」第二土曜の午後から鈴鹿のコミュニティセンターで開かれる。
先生はお体も健康だが、記憶力は衰えず、視力、聴力どれをとってもお若いときのままであるから不思議である。ただ昔のニックネームが「ベートーベン」であったという、ふさふさの髪は、身長も重力の関係で少し縮まれた。 中学の教師を経て、市会議員までされたことのある経歴も人間を奥深くさせている。
講演のタイトルは「川柳は鳥」とお聞きした。短い時間だが、きっと心に残るお話だと思う。
皆さん、楽しみに来てくださいね。 たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
・道頓堀のたこ焼きプライドが高い 北田のりこ もともと私が川柳にはまり込んだのは、川柳の大御所「岸本水府」の句が好きで、(と言うより肌に合っているといった方がいいかも知れませんが)特に「道頓堀の雨に別れて以来なり」のファンです。若かりし頃、大阪に住んでいて道頓堀で食べた「たこ焼き」が青春の思い出です。そうです。地方のたこ焼きは「たこ焼き」ではありません。しかし最近の小麦価格の高騰でセレブの食べ物になりそうです。
・冬ですね話し言葉があたたかい 水谷 一舟 毎日のようにパソコンに触っていると、時々寂しい気持ちになることがあります。パソコンで遊ぶのはそれなりに面白いですが、やはり話し言葉にはかないません。句会で皆さんにお会いしてバカ話をすると、何かしらあたたかく感じるのは誰でも同じです。
・お小遣いだけです自由になるお金 寺前みつる 男の給料が現金払いから振込みになって、小遣いは奥さんに貰うようになりました。男の権威は失墜です。身にしみる話ですネ。
・何もかも燃やし一気に過去にする 橋倉久美子 久美子さんの句はノンフィクション(?)であろうと思いますが、彼女の若々しい句が好きですネ。
・遼さん遼さんあなたのことは忘れない 吉崎 柳歩 ・あの星はひと際光る遼さん 青砥たかこ 私の鑑賞文は半分は好みによりますが、最後はどうしてもこの句を入れずにはいられません。私が多村 遼さんにお会いしたのが五年前の「連句」の大会でした。私は鈴鹿川柳会とは当時関わりがなかったのですが、彼女は連句では全国的に名の売れた作者で、私は大ファンでした。文部大臣賞など国民文化祭の賞を総なめにする才女でした。彼女に逢った時、「私は川柳もやっていて、『鈴鹿川柳会』では新人です」なんて謙虚に言っていたのが印象に残っています。私にとっては一生忘れられない人物の一人です。
(三重番傘同人 伊勢市在住)
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2月23日(土)例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
タイトル非難
書名に「品格」の入っているような本は読むな。さらに「力」の入っている本も読むな。「敬語」や「幸福」や「見識」の入っている本も読むな。
あれらには、文学や、文芸に従う者を、うしろに引もどそうとしている謀略の匂いがする。それも、濃い。 品格のない連中に、品格について聞きたくはないし、力のない者から力について話してもらいたくない。 ともあれ、ベストセラーとか、人気のあるものから、そっぽを向けていないと、ロクな川柳だって出来やしないのだ。
大江健三郎はデビューの時に、こう言ったのだ。 「あんたたちが下手だと思っている文章を、意識的に書くために、僕ら若者は生まれて来たのだ」 ケイタイ小説を、僕は軽視しているけれども、意識して下手で、俗な文芸に挑戦している者らを、軽視しているわけではないのだ。
(文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||||||||
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