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前月入選句発表 お題「 干す 」
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橋倉久美子 選
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干したいが花粉黄砂に放射能 |
山田こいし ＊ |
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私をすっかり干して逢いに行く |
山口亜都子 ＊ |
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飲み干したグラス見つめている吐息 |
備瀬ちゃくし |
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良妻の浮気が裏に干してある |
松谷大気 |
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生臭いあなたも干せばいい男 |
猪口和則 |
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夫のパンツ少し離して干しておく |
東川和子 ＊ |
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ベランダに家族模様が干してある |
春葉 |
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見栄えよく干したいベランダの布団 |
青砥たかこ |
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あんまりに生意気言うと干されそう |
高柳閑雲 |
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屈辱を飲み干し今日の幕を閉じ |
早人 |
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窓際に干されようとも志 |
上嶋幸雀 |
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ほされていた人をピンチが呼び戻す |
加藤吉一 |
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太陽に殺菌させている心 |
加藤ゆみ子
＊ |
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湿っぽいこころ五月の空に干す |
新家完司 ＊ |
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太陽の真下でうつを干している |
山添幸子 |
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日向干し心が少し軽くなる |
美高けい |
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真夜中に洗った心月に干す |
青砥たかこ ＊ |
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干されたくないのでごまをすってみる |
松本諭二 |
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見られたい順に洗濯干してます |
氷川の杜 ＊ |
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痩せるまで虫干しだけはする背広 |
吉田 |
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干す場所がないので同じ服を着る |
松本諭二 |
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日向ぼこ今干し柿になる途中 |
岩根彰子 |
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おひさまに包まれたくて干す布団 |
鼓吟 |
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おひさまが頬ずりをする布団干し |
猪口和則 |
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陽に干した布団は元気取り戻す |
ミント |
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自分史を干せば涙の跡がある |
桐壺 |
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杯を干して味方に成り済ます |
上嶋幸雀 |
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物干しでシャツが得意な逆上がり |
よしひさ |
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真白なシャツ青空と遊ばせる |
風間なごみ |
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飲み干して祝辞を聞いている手酌 |
板垣孝志 |
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日向ぼこ味わい深い顔になる |
彦翁 ＊ |
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雛壇のいちばん上に干しておく |
吉崎柳歩 ＊ |
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夕食時まで肝臓を干しておく |
松谷大気 ＊ |
| 秀３ |
休肝日ノドの裏まで干しておく |
山田緑青 |
| 秀２ |
涙干す場所は妻にも見せません |
北田のりこ |
| 秀１ |
カーテンが風のかたちで干してある |
そぞろ歩き ＊ |
| 評 |
秀１は風に揺れるカーテンが目に見えるよう。秀２には共感。秀３は「ノドの裏まで」がおかしい。 |
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| 軸 |
干しているうちに大人の味になる |
橋倉久美子 |
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新家完司 選 |
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干したいが花粉黄砂に放射能 |
山田こいし ＊ |
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雨合羽干せば滴るわがこころ |
今々爺 |
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ケータイの蘇生願って干すばかり |
由美 |
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鯉のぼりみたいに派手に干す下着 |
沢田正司 |
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いつ来ても満艦飾のワンルーム |
寺川弘一 |
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母が来るたびに干されている蒲団 |
吉崎柳歩 |
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見られたい順に洗濯干してます |
氷川の杜 ＊ |
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軒下に家族構成干している |
安藤なみ |
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物干し台星と話をする所 |
北田のりこ |
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私をすっかり干して逢いに行く |
山口亜都子 ＊ |
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真夜中に洗った心月に干す |
青砥たかこ ＊ |
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ジェラシーを切り干し煮干しして喰らう |
丸山 進 |
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一夜干し炙って猫と差し向かい |
まりえ |
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焼き飯の干しエビ助演女優賞 |
岩根彰子 |
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一夜干しされております朝帰り |
濱山哲也 |
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お出かけの妻のパンツも干しておく |
東川和子 |
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干し芋の力強さで今日をゆく |
今々爺 |
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太陽と勘で勝負の干し野菜 |
はるやす |
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雛壇のいちばん上に干しておく |
吉崎柳歩 ＊ |
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カーテンが風のかたちで干してある |
そぞろ歩き ＊ |
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夕食時まで肝臓を干しておく |
松谷大気 ＊ |
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いきるとや洗っては干す繰り返し |
吉田 |
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夫のパンツ少し離して干しておく |
東川和子 ＊ |
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偏屈を天日に干して好々爺 |
柳谷益弘 |
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日向ぼこ味わい深い顔になる |
彦翁 ＊ |
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太陽に殺菌させている心 |
加藤ゆみ子
＊ |
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大の字になってわたしを干している |
橋倉久美子 |
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五月晴れシート広げて干す家族 |
濱山哲也 |
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ふるさとは父母のパンツが干してある |
アズスン安須 |
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腸を干しに頂へと登る |
石橋芳山 |
| 秀３ |
ドブネズミ色の鎧を日に晒す |
高山帰櫻 |
| 秀２ |
ベランダで逆転負けの靴を干す |
高山帰櫻 |
| 秀１ |
物干しに大中小の作業服 |
通せん坊 |
| 評 |
「作業服」が効いている。また「大中小」で家族を表し、句を温かくしている。 |
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| 軸 |
湿っぽいこころ五月の空に干す |
新家完司 ＊ |
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