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目次1月号 ・巻頭言 「 子年によせて」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・没句転生 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・エッセイ ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受 ・年賀広告 ・編集後記
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たかこ 整理 柳歩 堤伴久・柳歩 大木俊秀 たかこ 柳歩 清水信 橋倉久美子 たかこ 柳歩 |
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巻頭言 |
子年によせて
新年おめでとうございます。 昨年、売り出された年賀状も特別にこのミッキィマウスの図柄があった。 干支が一巡して、一番すばしっこそうなねずみの年。子孫繁栄の象徴であり、方角は北。昔の時刻ではねの刻、午後十一時から午前一時のあいだとなる。人はこの時間に眠るのがベストとされている。 また結婚してからも新居にゴキブリの三倍ほどの小さなねずみを見付けて、部屋を締め切り掃除機で吸い取り作戦をやった。うまく掃除機が吸い込んだまではよかったが、当時は紙パック式ではなかったため、掃除機を開けたとたん逃げられてしまった。 また今年も皆様よろしくお願いいたしまチュー。 たかこ |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
・あらっぽい地図で訪ねてこいという 坂倉 広美 作家・山本一力氏が修業時代、師から徹底的に叩き込まれたのは「安易に形容詞をつかうな。他の方法でことばの力を引き出せ」だったという。でも、この「あらっぽい」という形容詞は、地図を形容するのには最高の詞と見る。親しい間柄もしのばれる。
・うちの人ケンカ相手もしてくれる 安田 聡子 夫婦喧嘩を詠んだ句は多い。しかし、この句の視点はすぐれて新鮮だ。妻の掌の上でシャドーボクシングをする夫よ。ごちそうさま。
・大金を持つと小心さがわかる 青砥たかこ 「まるで私のことを詠まれたみたい」と読者に微笑や苦笑を浮かばせるのが、川柳の醍醐味の一つと私は思っています。泥棒も盗っていかない下着干す(高橋まゆみ)も、いい味をふくんだ句ですね。
・ダイエットしないと天使にもなれぬ 橋倉久美子 「にも」という助詞は、ダイエットの多目的を示しているのだろう、あまりの肥満体だと普通の翼では空を翔べない。夢のある、女性ならではの好吟。「には」では作意に反するか。
・ベテランのナースは足音がちがう 上田 徳三 五感の働きが川柳作句には重要な役割を果たす。特に視覚と聴覚。作者はその音の差を聴き逃さない。助詞は、この句ではやはり「が」だろう。「足音も」ではなくて。
・お土産に疑心暗鬼の目が刺さる 沢越 建志 「疑心暗鬼」という四字熟語が、五七五の中に溶けこんでいるのがよい。上五部分の字余りは許容されることから、四字熟語を上五に据えて仕立てる人が少なくない。
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12月22日(土)例会より | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
反骨と嘘
古今亭志ん生も言うように「こんなこたあ学校じゃ教せえない」というのが、文学や芸術の核だろうと思う。 『オール読物』12の巻頭グラビアには秋山庄太郎の「文士と煙草」というページがあって、松本清張、司馬遼太郎、井上靖、柴田錬三郎、池波正太郎、生島治郎、吉行淳之介らの紫煙にむせぶ恰好良い写真が並んでいる。世にはびこる嫌煙権への反発と見れば、愉快だ。
・やぼなことどこへおいでと土手でいい
男ばかりではない、神もホトケも通ったという遊里・吉原である。土手八丁を渡れば大門だ。
・三夕のほかの夕ぐれ仲の町
三夕とは、西行の歌う「しぎ立つ沢の秋の夕ぐれ」と定家の描く「浦の苫屋の秋の夕ぐれ」と寂蓮の偲ぶ「槙立つ山の秋の夕ぐれ」のことを指し、遊里・仲の町の夕暮は、それに劣らぬ風情であると、遊ぶ男たちの心情を重ね合わせたものだ。 出岡絢巳の花街をモチーフにした短編集が近く出るので、また私も花街論を展開せざるを得ないわけ。所詮、人に嫌われることをして見ない創作者は、唯のお人好しに過ぎない。
・二度と行く所ではないと三度行き ・うそつかぬ傾城買うて淋しがり ・吉原は鐘までうそをつくところ
傾城とは商売女。うそをつくのが商売の元だが、それを知りつつ通う男共のバカを詠んだもの。赤福などの偽装問題でも、人はすぐ忘れる。真実よりも、うその方が好きな人は沢山いる。
芸術は、ここんところが難しい。真実に行く道は、うその森の中にしか通っていないのだし、人に嫌われなければ一人前になれない。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | ||||||||||||||||||||||||
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