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目次3月号 ・巻頭言 「 思いを一句に」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受 ・各地の大会案内 ・編集後記
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柳歩 整理 柳歩 堤 伴久・吉崎柳歩 川瀬朋子・磯崎加奈子 柳歩 清水信 橋倉久美子 たかこ |
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巻頭言 |
前にもどこかに書いたことがあると思うが、展望の天根夢草主宰に「川柳は結局『にんげんの深さ』ではないですか?」と質問したことがある。教養も才能もなく、度量も狭い自分に限界を感じていたからである。 |
すずか路より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
・ほどほどというバランスが難しい 山本 喜禄
・したたかに後期とやらを生き延びる 堤 伴久
・七不思議のひとつオジンが恋をする 水谷 一舟
・美しい過去は大事に胸に秘め 浅井美津子
・幸せは心の中で造られる 竹内由起子
・道の駅国産大豆買い溜める 安田 聡子
・含蓄の言葉希望の灯を点す 瓜生 晴男
・嫁さんの実家へ先に行くらしい 吉崎 柳歩
・お互いのがまんが長く続くこつ 青砥たかこ
(鈴鹿市在住)
・こんにちは いや今晩はふと悩む 鈴木 章照
・男の世界酒はがやがや飲んでよい 水谷 一舟
・桜咲きお盆が過ぎてもう師走 長谷川健一
・開かぬはず逆にひねっておりました 橋倉久美子
・玄関で主婦のモードに切り替える 青砥たかこ 「アラレの小部屋26」 (鈴鹿市在住) |
2月21日(土)例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
鶴彬三章(1) 清水 信
鶴彬の名前も知らないで、川柳をやっている人は、唯の阿呆である。鶴彬の作品の一つも知らないで、川柳の道へ入った人を、私は軽視する。
鶴彬は昭和13年(一九三八年)9月14日、独身のまま、29歳8ケ月の生命を閉じた。
・万歳とあげて行った手を大陸へおいてきた
これらは勿論、戦中句である。戦争のない時代に生きて、そんな作品書けるものかと言う人がいるかもしれない。
イスラエル軍のガザ攻撃は、まだ止まず、民間の死者は4千人を越えている。その大半は女性と子供たちである。そればかりか、国際条約に違反して、イスラエル軍は白リン弾を使いはじめている。白リン弾とは白リンを充てんした焼夷弾で、上空で破裂した白リンが人体に触れると、消すのに困難で、内部から人体を腐蝕していくというもの。 事故と戦争を同一視はしないけれども、人命の尊重されざること、今日ほどひどい時代も珍しいのである。そういう事情に対する闘いが、川柳人の心の中にあってこそ本当だ。 (文芸評論家)清水信 |
誌上互選より 高点句 | ||||||||||||||||||||||||
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