天使にも飲ませて樽のいい香り
加藤ゆみこ
お酒には弱いふりして寄りかかる
廣田千恵子
酒パワー借りて告白してみます
松本諭二
愚痴ばかり吐くなと酒に叱られる
万平 *
正論が飛び交っている酒の席
吉崎柳歩 *
百薬の長を休めと野暮なこと
卑弥呼
浴びるほど飲んでマグマを解き放つ
早人 *
牛乳にウイスキー混ぜ風邪薬
高田桂子
休肝日だから半分だけにする
五時憂吾 *
上戸でしておしゃべりでして母譲り
青砥和子
飲み助が酒の失敗自慢する
端流
下戸やけどお酒の相手大好きや
高杉千歩
乾杯はちょっとおしゃれな酒でする
橋倉久美子 *
手酌してぶつぶつ言ってひとり酒
右田俊郎
ウワバミといわれ続けていま糖尿
佐藤彰宏
罪のない嘘に酔ってる酒の席
さちこ *
わずかばかりの酒に呑まれてゆく独り
たむらあきこ *
居酒屋のメニューも見ずにまずビール
松谷大気 *
親父越えするぞ、させるか飲み比べ
紅玉
ビール一杯飲めないことも誇りです
児玉浪枝
父のようにならぬと二合までにする
片山かずお
一生分の量を飲み切り禁酒する
竹口みか子
ビールから酒に切り替え秋を知る
ろっぽう
一日の調子は酒の味でみる
安藤なみ *
もう1升買っておこうかヤツが来る
アズスン安須
まだ甘いと酒に頭を小突かれる
高柳閑雲
辛党だけれども自分には甘い
まりえ
割り勘で負けは承知の酒の会
西垣こゆきv*
晩酌で明日の風船ふくらます
辻内次根
酒飲みは藪蚊のよう湧いてくる 丸山 進
凡ミスをまだ引きずっている二合 間瀬田紋章
友だちと雲を数えて酒飲んで
東川和子
枝豆とビールで抜ける曲がり角
岩根彰子
酒気帯びで組み立てている五七五 中川喜代子
同情を求める酒を飲まされる
丹川 修 *
あの人にこの人酒が連れてくる
杉山太郎
酌み交わすうちに善い人だとわかる 吉崎柳歩
*
もしも酌み交わさなかったら「気にいらんヤツ」のまま。まさに酒の効用。どんどん酌み交わそう。
酔い醒めぬお酒どこかにないものか
新家完司