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6年3月「腹」
6年2月「譲る」
06年1月「調べる」
05年12月「再会」
05年11月「夫婦」
05年10月「妥協」

05年9月「走る」
05年8月「油断」
05年7月「氷」
05年6月「守る」
05年5月「ビール」
05年4月「試す」
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05年2月「遠い
05年1月「座る」
04年12月「すべて」
04年11月「二重」
04年10月「○○論」
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02年5月「休む」

02年4月「痛い」
02年3月「春」
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01年11月「包む」   
01年10月「指
01年9月「ヒント
01年8月「膨らむ」
01年7月「キープ」
01年6月「眩しい」
01年5月「縛る」
31年4月「ぎくしゃく」
31年3月「しつこい」
31年2月「話」
31年1月「粘る」
30年12月「締まる」
30年11月「パワハラ」
30年10月「吹く」
30年9月「覗く」
30年8月「夏休み」
30年7月「試合」
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30年1月「名人」
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29年11月「みかん」
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29年9月「豆腐」
29年8月「壁」
29年7月「焼く・焼ける」
29年6月「さっぱり」
29年5月「負ける」
29年4月「普通」

29年3月「黄」
29年2月「引く」
29年1月「質問」
 
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前月入選句発表 お題器用応募 278句142人
 




































 

平井美智子 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
     一切れのケーキを三人に分ける 安藤なみ
     化粧見りゃよく分かる娘の不器用さ あやめみのり
     不都合になると泣き上戸に化ける 糀谷和郎
     不器用で今も古傷痛み出す 上平 祥
   *あの爪で化粧もするしキーも打つ 甲斐良一
     不器用な初鳴きやがてさまになる 澁谷さくら
     七色の声でカラスのコミュニティー 鈴木かつえ
   *不器用な蜘蛛も張らねばならない巣 戴 けいこ
     器用だと言われたことはない案山子 西岡ゆかり
     皮一枚つながるネギのみじん切り 大澤 葵
     不器用な文字が伝える温かさ 冬子
     芯棒を器用に曲げる弁明書 八木五十八
     裏金に器用な猿がお手をする 八木五十八
     タメ口も器用に語尾でへりくだる せきぼー
   *不器用な男を笑う目玉焼き 佐藤ちなみ
   *饅頭もお酒もこなす器用な胃 芦田敬子
     不器用と愚直が同居かたつむり 右田俊郎
   *裏表器用に使い世を渡る 西井 茜雲
   *新入りが器用にこなし疎まれる 平子久仁子
     足して引き掛けて割ってる処世術 てつろう
   *本当は器用なのかも握り箸 あやめみのり
     死ぬ覚悟生きる度胸の使い分け てつろう
     真っ直ぐな線上を真っ直ぐ走る 東川和子
     不器用な手品が今日の座を攫う 奈良朱雀
   *父役も器用にこなす母でした たかはしりょうこ
     聞き耳を立てて居眠り出来る人 おさ虫
   *器用なら弾けるわけではないピアノ 吉崎柳歩
     青虫が五体投地を真似ている 安藤なみ
     器用さはないが伸縮きく男 よしひさ
     世渡りの要領よくて妬まれる おかの みつる
   *贋作の依頼ばかりが来る絵筆 笹田 しま
     何もかも器用で光るものがない おかの みつる
   *水溜まり器用に避ける千鳥足 圦山 繁
     もてなしの母の料理は多国籍 おくやま貴峰
  *ピーマンを器用に避ける握り箸 甲斐良一
   脳外科医ボトルシップを趣味にする さだえばあちゃん
秀3  絶対に後ろ見せずに回る月 船岡五郎
秀2  やっと言えたね不器用なプロポーズ 北田のりこ
秀1  お祈りも盗みもできる器用な手 かすみ創

      善と悪とは表裏一体なのかもしれぬ。お祈りだけでは生きにくい世の中。
      心ならずも盗みにも手をださねばならぬ心根が切ない。

 *お化粧が崩れぬように泣いている  平井美智子

                             

 








































 

西山竹里選(入選39句)
 

   *お化粧が崩れぬように泣いている 平井美智子
     敵味方どちらにも直ぐなつく質 大島ともこ
   *裏表器用に使い世を渡る 西井 茜雲
     論点を器用に躱す答弁書 圦山 繁
     二枚舌器用に使い勝つ選挙 伶音
     それなりに時間内には終わらせる 上田ひとみ
     きれいな円フリーハンドで描いている 茶飯士
     てにをはを器用に変えて添削句  平尾定昭
   *贋作の依頼ばかりが来る絵筆 笹田 しま
     泥と藁だけで綺麗なツバメの巣 新家完司
     ハンガーでカラス器用に巣を作る ムギ
   *水溜まり器用に避ける千鳥足 圦山 繁
     指先も器用なほうがよい外科医 吉崎柳歩
     血管を器用に動くカテーテル 大木雅彦
   *父役も器用にこなす母でした たかはしりょうこ
     母よりも父は上手にリンゴ剥く こやまひろこ
   *饅頭もお酒もこなす器用な胃 芦田敬子
     焼く煮る蒸すとても器用なフライパン 芦田敬子
   *ピーマンを器用に避ける握り箸 甲斐良一
     一尾ごと返さず食べる箸使い 糀谷和郎
     器用ねと褒めてあれこれ押し付ける 水谷裕子
     器用だと持ち上げられて貼る障子 荘子 隆
     形見分けできるものなら器用な手 ようこ
   *新入りが器用にこなし疎まれる 平子久仁子
     会得した技を器用で括られる 野平光太郎
     立役も女形も自在旅役者 颯爽
     腹話術器用に声をチエンジする ムギ
     初っ切りの力士は最初から器用 鈴の助
   *器用なら弾けるわけではないピアノ 吉崎柳歩
     手品師の指に仕掛けがきっとある 野平光太郎
     テトリスのように詰めてくカゴの中 信天翁
   *不器用な男を笑う目玉焼き 佐藤ちなみ
     器用でも料理上手と限らない ねこママ
   *本当は器用なのかも握り箸 あやめみのり
   *あの爪で化粧もするしキーも打つ 甲斐良一
     右手からみれば器用なサウスポー 深谷江利子
秀3  骨折が器用にさせた左の手 あけみちゃん
秀2*不器用な蜘蛛も張らねばならない巣 戴 けいこ
秀1  紙切りのノーとは言わぬリクエスト 竹中正幸

評    「お姫さま」でも「きつねうどん」でも「スカイツリー」でも、なんでもすいすい
       作ってしまう名人の紙切り。 「空気」とリクエストしても、きっと何かを作るだろう。

  旧石器人には器用さで負ける 西山竹里