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06年7月「距離」
06年6月「さばさば」
06年5月「器用」
06年4月「はらはら」
06年3月「腹」
06年2月「譲る」
06年1月「調べる」
05年12月「再会」
05年11月「夫婦」
05年10月「妥協」

05年9月「走る」
05年8月「油断」
05年7月「氷」
05年6月「守る」
05年5月「ビール」
05年4月「試す」
05年3月「埃」
05年2月「遠い
05年1月「座る」
04年12月「すべて」
04年11月「二重」
04年10月「○○論」
04年9月「点火」
04年8月「買い物」
04年7月「あっさり」
04年6月「関係」
04年5月「毒」
04年4月「瞬間」
04年3月「避ける」
04年2月「デビュー」
04年1月「失敗」
03年12月「底」
03年11月「二刀流」
03年10月「とんぼ」
03年9月「気の毒」
03年8月「透明」
03年7月「魔」
03年6月「弱い」
03年5月「オフ」
03年4月「動く」
03年3月「学校」
03年2月「ゼリー」

03年1月「許す」
02年12月「波」
02年11月「齧る」

02年10月「乱」
02年9月「米(こめ)」
02年8月「カード」
02年7月「拾う」

02年6月「写真」
02年5月「休む」

02年4月「痛い」
02年3月「春」
02年2月「のんびり」
02年1月「重なる」
01年12月「畑」
01年11月「包む」   
01年10月「指
01年9月「ヒント
01年8月「膨らむ」
01年7月「キープ」
01年6月「眩しい」
01年5月「縛る」
31年4月「ぎくしゃく」
31年3月「しつこい」
31年2月「話」
31年1月「粘る」
30年12月「締まる」
30年11月「パワハラ」
30年10月「吹く」
30年9月「覗く」
30年8月「夏休み」
30年7月「試合」
30年6月「響」
30年5月「五分五分」
30年4月「夢」
30年3月「荒れる」
30年2月「飛行機」
30年1月「名人」
29年12月「まじめ」
29年11月「みかん」
29年10月「読む」
29年9月「豆腐」
29年8月「壁」
29年7月「焼く・焼ける」
29年6月「さっぱり」
29年5月「負ける」
29年4月「普通」

29年3月「黄」
29年2月「引く」
29年1月「質問」
 
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前月入選句発表 お題「濁る」応募 270句136人
 




































 

平井美智子 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
   血は澄んでいたか八月十五日 都いとり
   言い訳をすると言葉が濁りだす 西岡ゆかり
   ビジネスが絡んで濁る月の海 山宗雲水
   濁るまで気づかなかった美しさ 冬子
   追求は言葉濁してはぐらかす 原啓二
   寄せ鍋のほどよく濁る残り汁 佐佐木雀区
  *温泉の濁り身体に効きそうだ 鈴木由美子
   酒で濾すわたしの濁り取れるまで 澁谷さくら
   濁り酒上澄みだけを父に注ぐ なつ
   濁りなど気にせず飲めるものもある 船岡五郎
   美しい過去を並べる鼻濁音 東川和子
   濁流にのみ込まれたい夜もある なつ
   生きるため濁った水を飲んでいる 五月
   午前様言葉を濁す千鳥足 真田 義子
   経年の濁りを洗う青い空 柳谷益弘
   言い訳にゆっくり濁るレモンティー 稲垣康江
   律儀だね濁った川に舞う蛍 よしあき
   濁ったと一度も聞かぬ天の川 ムギ
   小さな嘘重ね濁ってゆくハート 小野雅美
   濁り湯の不透明さが肌に合う アゲハ
  *人間を洗うと水も濁り出す 原 洋一
   濁流を抱いた地球の嘆く声 陽香
  *人類のエゴが濁らす青い海 陽香
   神頼みする時だけの鼻濁音 てつろう
   お願いの無理難題に濁る絵馬 水谷裕子
   言葉尻濁して今日が湿りゆく 城崎れい
  *戦いが空を濁った色にする 冬子
   青空の下に広がる地の濁り 安藤なみゑ
   濁ってるところに捨てて来た本音 笹田 しま
  *美しく濁らなければならぬ酒 西山竹里
   恋に落ち女の勘を濁らせる 宮尾柳泉
  *咲くために少し濁った水も吸う 澁谷さくら
   もうちょっと濁っていれば悩まない 森下博史
   現金を見せられ濁る正義感 五月
  *真実を濁らせまいと敗戦日 平尾定昭
   上澄みが出来てくるまで待ってみる 宇都満知子
秀3 一点の濁りもなくて不仕合せ 柴田比呂志
秀2*人間をよく見た後の目の濁り 宮本 信吉
秀1*国背負い濁るセーヌの水を飲む 星野睦悟朗

評  セーヌ河をテーマにした句は沢山ありましたが、その中で国を背負うという言葉が胸を
  突きました。国を背負うことの誇りととてつもない重圧を思います。

軸   吸い飲みの水を濁して母の午後    平井美智子

                             

 








































 

西山竹里選(入選39句)
 

   「あ」に濁点つけたみたいな叫び声 由美
   出欠を行けたら行くと濁される 甲斐良一
   腐っても濁っていてもセーヌ川 甲斐良一
  *国背負い濁るセーヌの水を飲む 星野睦悟朗
   幼子の瞳濁らす紛争地 稲垣義舟
   戦地の子澄んだ瞳が濁り出す おかの みつる
   沖縄の海を濁らす基地の数 北田のりこ
  *人類のエゴが濁らす青い海 陽香
   非正規の心濁らす低所得 山田明
   濁り水飲んで先生守る秘書 満月庵
   濁らせて責任逃れする政治 𠮷崎柳歩
   金バッジ言葉を濁す保身術 すずき 善作
   濁声でとても迫力ある演歌 木村行吉
   濁声が競りのマグロを旨くする あすか行人
   無洗米だけど気になる水の色 ようこ
   濁りとるために何度も米を研ぐ 荘子 隆
   濁流に揉まれた過去は言わぬ石 木原 榮二
  *人間を洗うと水も濁り出す 原 洋一
   どうしても濁ってしまう私の絵 ぱせり
   ひと言が多くて今日も場が濁る 信天翁
   濁ってはならぬ水族館の水 橋倉久美子
   洗濯の水濁らせる運動部 由美
  *温泉の濁り身体に効きそうだ 鈴木由美子
   新鮮な空気が濁るから欠伸 大木雅彦
   水濁り少し自由になる金魚 春日綾乃
  *咲くために少し濁った水も吸う 澁谷さくら
   地政学黄砂が濁す日本晴れ 竹中正幸
   戦争の濁った記憶八月忌 宇都満知子
   夕立のおかげ濁りの取れた空 橋倉久美子
   濁った水飲んで大人になりました 小野雅美
   わたしも一役この世の濁り水 むらたゆきお
   嫌なこと言われて体中濁る 青砥たかこ
   しっかりと記憶が濁る金バッジ 木村行吉
  *人間をよく見た後の目の濁り 宮本 信吉
  *戦いが空を濁った色にする 冬子
   清流をしばらく濁らせる豪雨 𠮷崎柳歩
秀3*真実を濁らせまいと敗戦日 平尾定昭
秀2 故郷に父母のやさしいだぢづでど 八木五十八
秀1 九条を濁らせている武器輸出 すずき 善作

評     平和国家日本が、ついに殺傷能力のある武器輸出を解禁した。武器輸出三原則を防衛装備
    移転三原則と言い換えた末の結末。憲法の平和主義がどんどん濁ってゆく。

  *美しく濁らなければならぬ酒 西山竹里