目次30年11月号
巻頭言  「芸術の秋」
すずか路
・小休止
・柳論自論
・人と句「千野 力さん」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・エッセイ・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


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巻頭言

「芸術の秋」

 晩秋である。
「アルスすずか」は、鈴鹿市芸術文化協会が年に一度発行する、文学部門の発表誌である。
 今年で二十二号、「アルスすずか」と名付けられた時から、ずっとこの文学部に理事として居座っている私。部長も何人か代わり、各部門の理事もほとんど代わってしまったけど、わたしはずっと川柳部門で、しつこく携わって来ている。
 そろそろ交代の時期かなと、真剣に考えてもいる。

「アルスすずか」は、全五十八頁で、小説・エッセイのコーナーを皮切りに、評論。詩・川柳・短歌・俳句の順に作品が発表されている。改めてここに記して、詩の次に川柳が来ていることに驚く。
その昔、故・矢須岡 信さんは、「詩・短歌・俳句・川柳の並び方が気にくわない」と県の短詩型の集まりで吠えられたことがあった。語呂的に言い易かったのもあるだろうけど、信さんの怒りも少し分かった。

短詩型の会合などでは、申し合わせたように川柳が最後になる。それに慣れてしまった私は、却って川柳・短歌・俳句となると舌を噛みそうだ。
 活字離れが急速に進む昨今、これらの短詩型、一冊の本になって切磋琢磨するのもいいなと考える。

 冬が近い。
 夏があまりにもインパクトがあったから、冬は普通の寒さで通り過ぎて欲しい。だけど、温暖化の裏返しは思った以上に厳しくなりそうだ。
 火星に、人類が住めるかどうかの研究も大切かも分からないが、この地球の未来が本当に不安でもある。

 戴いた交換誌を読んでいても、明るい話題はほとんどない。それが川柳だと言ってしまえばおしまいだが、せめて心だけは暖かく過ごしたいものだ。

                                          たかこ

 

 
すずか路より
六十のいのち逢いたい人がいる 柴田比呂志
古いもの新しいもの皆んな好き 竹内そのみ
施設では母は若手でピチピチで 樋口りゑ
さつまいもだけは元気に土の中 眞島ともえ
名月に交通事故の思い出も 石崎金矢
NIPPONの切手が好きな配達夫 福村まこと
テープカット農地取られた爺もいる 佐藤千四
無視されぬように真っ赤なスカーフを 西野恵子
次の世も女でいたい名古屋帯 寺田香林
今日もまたお天道様と歩を合わせ 瀬田明子
ビールかけ水鉄砲に代えるべし 西山竹里
言うほどは愛国的でない右翼 日野 愿
口ぱくの金魚に悩み打ち明ける 岡ア美代子
こんなにも汗かく十月の半ば 澁谷さくら
びゅんびゅん走るフォークリフトにご用心 神野優子
球場も視察している米軍機 上村夢香
おかげさままだまだあるんです五欲 前田須美代
魚屋が営業してる漁師町 佐藤近義
栗ご飯皮剥く人を待って炊く 坂 茜雲
健康な体が親からの遺産 大川里子
赤チンが万能だった保健室 岩谷佳菜子
独り身に仏壇二つ墓二箇所 西垣こゆき
夕焼けに見とれて犬に急かされる 松岡ふみお
軍歌ではこの場に合わぬ祝い膳 坂倉広美
仏壇をマンション用に買い替える 勝田五百子
ほこりごと縛る古びた文庫本 橋倉久美子
長い皿なくて二つに切るサンマ 北田のりこ
青空に似た者同士昼の月 河合恵美子
カメムシの機嫌損ねず追い払う 中川知子
老いていく脳を感じる忘れ物 落合文彦
百歳まで四半世紀もある「後期」 毎熊伊佐男
沸点にいたらず冷めた恋無数 寺前みつる
労りの言葉ときおり掛けてみる 奥田悦生
風景に角度をつけて観覧車 村井一朗
家中の鼻で松茸評価され 鈴木裕子
黒い葉に夏の台風影残す 長谷川健一
手探りで義父の介護の日々続く 竹口みか子
雲行きが怪しい今日は口つぐむ 瓜生晴男
年金の開始を延ばす長寿国 加藤吉一
秋風が二人の世界なごませる 安田聡子
小遣い帳夢を叶えた跡がある 芦田敬子
弱音吐く下肢に気合いを入れる朝 圦山 繁
旧友と再会果たす葬儀場 千野 力
爺はデイ・サービス孫は幼稚園 西川幸子
運賃が魅力で乗った格安機 小川はつこ
毛皮着ているのに猫はコタツ好き 小出順子
宴の後不況が待っている五輪 川喜多正道
同窓会と生前葬は似て非なり 吉崎柳歩
平凡の域を抜け切らない思考 青砥たかこ
 

整理・柳歩

 

10月27日(土)例会より

宿題「草」 橋倉久美子 選と評
   蚊を払う合間に草を抜いている 川喜多正道
   土地を売る話を草が聞いている 坂倉広美
 止  お隣の喧嘩聞いてる草むしり 関本かつ子
 軸  雑草の仲間でいたい彼岸花 橋倉久美子
宿題 共選「詰める」 千野 力 選
   詰め方が甘いと入らない雨戸 加藤吉一
   いくら詰めても破れない知恵袋 北田のりこ
 止  詰め方で美味しくみえるお弁当 芦田敬子
 軸  詰めすぎて取り出しにくい諭吉様 千野 力
宿題 共選「詰める」 青砥たかこ 選
   詰め方が甘いと入らない雨戸 加藤吉一
   笑い袋に笑いのタネを詰めておく 吉崎柳歩
 止  きょうの風詰めて手紙の封をする 澁谷さくら
 軸  来てほしい数の座布団敷き詰める 青砥たかこ
宿題「自由吟」 吉崎柳歩 選と評
   重なっていないか紙幣確かめる 小出順子
   何度でも仕事サボれる喫煙所 川喜多正道
 止  引力がないと降りられない気球 西山竹里
 軸  理髪店出るとことさら秋の風 吉崎柳歩
席題「蜘蛛」 清記互選 高点句
 9点  台風にめげず蜘蛛の巣張り替える 吉崎柳歩
 8点  蜘蛛の巣の出来映え競う雨上がり 青砥たかこ
 7点  蜘蛛の巣も増えて立派なゴミ屋敷 吉崎柳歩
   蜘蛛の巣がアートに見える霧の朝 岩谷佳菜子
 6点  出し入れのない通帳に蜘蛛の糸 千野 力
   蜘蛛の糸吐いてあなたを逃がさない 青砥たかこ
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 合宿 』  応募104句
 1 3点  新社員合宿終えて規格顔 福村まこと
 1 2点   合宿で少し味わう親離れ 佐藤千四
    合宿に少し戸惑う一人っ子 日野 愿
    仏前が合宿所にもなるお寺 芦田敬子
 1 0点      合宿に付いて行ってはならぬ親 西山竹里
   9点  仲間との絆を結ぶ同じ釜 竹原さだむ
    ライバルの弱点を知る合宿所 岩田眞知子