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前月入選句発表 お題「 どきどき 」
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橋倉久美子 選
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異動先意に適うかと待つ内示 |
春葉 |
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ときめいて君を見つめる影法師 |
備瀬ちゃくし |
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ときめきを第二ボタンは忘れない |
加藤ゆみ子 * |
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外人が物問いたげに寄ってくる |
通せん坊 |
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はじめての店でそろそろお勘定 |
杉山太郎 |
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エレベーター二人っきりで君といる |
廣田千恵子
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キスをするシチュエーションに身構える |
青砥たかこ |
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老いらくの恋でも胸はキュンとする |
良童
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レントゲン医師が腕組み外さない |
青砥たかこ |
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画像見てしばし沈黙する主治医 |
通せん坊
* |
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乾杯を飲み干す下戸の爆破前 |
眞二 |
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ひょっとして俺かロシアンルーレット |
上嶋幸雀 |
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どきどきとしないお方に待たされる |
片山かずお |
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ミステリーツアーそうドキドキはしていない |
吉崎柳歩 |
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宝くじどきどきさせる組違い |
春葉 |
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どきどきとするでしょうねえあの世行き |
新家完司
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会えそうな予感に紅を薄く引く |
良童 |
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化粧落としてどきどきも片づける |
東川和子 |
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PK戦ふるえてるのは親の足 |
濱山哲也
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間一髪停車どきどき鳴り止まず |
加藤吉一 |
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ちょっとだけどきどきさせる歯の治療 |
加藤吉一 |
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収集日間違えごみを置いてきた |
河内谷 恵
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アゴに手をあてそうになる距離に居る |
峰子
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どきどきの数だけ君を好きになる |
松本諭二 |
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まだ好きよもうドキドキはしないけど |
片山かずお |
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始まってしまえば凪いでくる動悸 |
吉崎柳歩 |
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女子フィギュアほどはときめかない男子 |
吉崎柳歩 |
| 秀3 |
どきどきを出発させるポスト前 |
東川和子 |
| 秀2 |
善人の前でどきどきする閻魔 |
寺川弘一
* |
| 秀1 |
アミダクジどうかあたりませんように |
上嶋幸雀 |
| 評 |
くじは当たるようにと願うのが普通。「あたりませんように」としたことで、状況やどきどき感がよくわかる。 |
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| 軸 |
びっくり箱の方もどきどき待っている |
橋倉久美子 |
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新家完司 選 |
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憧れの人が隣の席に着く |
早人 |
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役満をリーチかけずに待っている |
松谷大気 |
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彼女の手始めてふれた映画館 |
伊田網人 |
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八十五歳まだときめいて初春の酒 |
高杉千歩 |
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スポットライト浴びて台詞が出てこない |
よしひさ |
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深呼吸して検査結果の封を切る |
東川和子 |
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還暦過ぎてもどきどきする注射 |
北田のりこ |
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パソコンにいつもどきどき老いの指 |
高杉千歩 |
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娘の部屋に見てはいけないものがある |
アズスン安須 |
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ときめきを第二ボタンは忘れない |
加藤ゆみ子 * |
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後ろから品評されている気配 |
松谷大気 |
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デュエットへ胸をときめかせて歌う |
高柳閑雲 |
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老いらくの恋でも胸はキュンとする |
良童
* |
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カトレアに胸弾ませている八十路 |
伊田網人 |
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PK戦ふるえてるのは親の足 |
濱山哲也
* |
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アゴに手をあてそうになる距離に居る |
峰子
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エルヴィスにいまだに胸をときめかす |
河内 恵 |
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エレベーター二人っきりで君といる |
廣田千恵子
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フォークダンス早くあの娘がこないかな |
高柳閑雲 |
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出くわした蛇に心臓叩かれる |
加藤吉一 |
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お話がありますと妻かしこまり |
アズスン安須 |
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画像見てしばし沈黙する主治医 |
通せん坊
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善人の前でどきどきする閻魔 |
寺川弘一
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| 秀3 |
もしかして死ぬかもしれぬ手術の日 |
由美 |
| 秀2 |
収集日間違えごみを置いてきた |
河内谷 恵
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| 秀1 |
鼓膜の裏に居すわっているあなた |
山田緑青 |
| 評 |
課題に凭れた句が多かった中でしっかり独立できていた。その声を思い出すだけでときめく想いを、「鼓膜の裏に居すわる」と表現したのが手柄。 |
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| 軸 |
どきどきとするでしょうねえあの世行き |
新家完司
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