青砥たかこ 選(入選38句)
ごたごたに首を突っ込みコルセット 伯林
* スカーフは葉桜色が合うキリン 加藤 ゆみ子
* ほめられる方へと首はよく曲がる
杉山太郎
* 俯いてこたえを待っているうなじ
こみち
妻の前張り子の虎でいる平和
宮崎かおる
マッチョマン首から上は鍛えない
北原おさむ
* 赤ちゃんも飲んべも首が座らない
柴田比呂志
定年で会社の首輪外される
おかのマン
働いた首に手拭いよく似合う
早川トミジ
* 大袈裟な男が首を賭けたがる
片山かずお
菜の花の首が横向く汚染水
早人
* あそこかないやここだろう河馬の首
門脇かずお
首のない話に惑わされている
石橋芳山
ハイネックまだ首だけが渇かない
田村ひろ子
人形の首をたまには替えてみる
松長進
首ひとつ掲げて今日を晴れにする
有馬渚
ネクタイを外すと首が風邪をひく
上嶋幸雀
埋もれて何とか首は出してます
大釜洋志
首傾げ話し聞く癖あるらしい
竹口みか子
疑問符が外れて首が回りだす
高浜広川
いち早くきりんの首に春留まる
真田義子
ネクタイを外した首を持て余す
芦田敬子
まわらない首が視界を狭くする
銀犀花
率直な首で突風生んでいる
たむらあきこ
* 厳かに首輪交換する儀式
丸山 進
徳利の首を揺らして花に酔う
岡嶋義幸
掴まれてあなたのモノになる手首
桐壺
* すげ替えた首はいずれも不良品
嵐山
行列に突っ込む首の好奇心
岸田万彩
贈られた首輪でずっと繋がれた
田地尚子
復興の海へ船首が勇ましい
佐藤千四
首賭けてスタートライン引き直す
半兵衛
首に鈴つけていますと猫探し
高杉千歩
ノーと言うたびに首輪がきつくなる
みずき
クビなのに辞めてやったと妻に言う
佐藤彰宏
湯に浮かぶ一期一会の首と首
中年やまめ
首隠すときは素早いカメである
濱山哲也
僕が住む総理の首の軽い国
竹中正幸
なんとも言えぬおかしみ、選挙ポスターの横に貼ってみたいそんな句。私には詠めないなと思ったのも秀1にした理由です。
人魚姫アンクレットにあこがれる
青砥たかこ