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01年9月「ヒント
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前月入選句発表 お題「とんぼ」応募 304 153人





































 


真島久美子 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
    大阪のおばちゃん時々オニヤンマ 田地尚子
   *旅人とすぐに仲よくなるトンボ 柴田比呂志
    笑ってよとんぼブローチあげるから 東川和子
    娑婆の風 時に追われる糸蜻蛉 八木五十八
   *海越えてみようと思わないトンボ 戴 けいこ
    夕焼けに待ち針を打つ赤とんぼ ちゅんすけ
   *無観客席を陣取るオニヤンマ 内田政竜
   *トンボ追い出して急いで閉める窓 橋倉久美子
    すいと逃げすいすいとぼけてるトンボ 青砥和子
   *古里のトンボと東京へ逃げる 虹色くじら
    原っぱの記憶を残す竹とんぼ 安井紀代子
   *しげしげと手配写真を見るとんぼ 佐佐木雀区
    羽閉じて羽黒とんぼの下心 柳谷益弘
    いつまでの上から目線オニヤンマ 宮井いずみ
    標本箱トンボの目玉みな光り 佐藤ちなみ
   *放たれて途方に暮れているトンボ おさ虫
    ゴージャスなオルゴールだが赤とんぼ たごまる子
    時刻表とんぼ止まったまま眠る 柴田比呂志
    あきあかねなどと言うから恋をする 原徳利
    究極のピクトグラムですね蜻蛉 笹田 しま
    トンボにも少しばかりの挫折感 斉尾くにこ
   *父らしく生真面目に飛ぶ竹とんぼ 澁谷さくら
   *兄ちゃんは元気だろうか秋茜 平井美智子
    好々爺のまなざしでくるオニヤンマ 久保卓子
    糸結びされたとんぼを探してる まみどり
    極楽を飛ぶのに飽きてきたトンボ 冬子
   *トンボから尾行をされたことがある 甲斐良一
    また会えば叱ってくれよオニヤンマ 平尾定昭
    また今日もとんぼが止まる基地の柵 せきぼー
    とんぼいるシーっとポーズで伝える ちゃちゃにしき
    一人とはそういうものさおにやんま まみどり
    強敵と見たかトンボの目が据わる 小林 祥司
    缶コーラ振ってとんぼの群れに出て 都いとり
    好きなように飛ぶわ蜻蛉の翅つけて 宮井いずみ
    じいちゃんも帰って来ないとんぼ取り こみち
    彼岸からとんぼの群れが戻らない 加藤 当白
秀3  とんぼなら秋を掴んで離さない ちゅんすけ
秀2*もう何も背負えぬ肩にとんぼ乗る 徳重美恵子
秀1  とんぼ来て風にあずけておく両目 都いとり

評      とんぼを見ているのか、風を見ているのか。とんぼに見つめられているのか、風に
      見つめられているのか。句の背景に広がる美しい秋に身を任せたくなった。
      俗世とやカート置き場のイトトンボ             真島久美子
        

 

 









































 

吉崎柳歩 選(入選39句)
 

    トンボがけ補欠球児の長い影 伶音
    入部して上手になったとんぼがけ さだえばあちゃん
    甲子園秋を知らせる赤とんぼ 松長一歩
    アキアカネ不意に秋風つれてくる 瀬田明子
    温暖化トンボも季節狂わされ 山田明
   *トンボから尾行をされたことがある 甲斐良一
   *無観客席を陣取るオニヤンマ 内田政竜
    釣り竿の先へとんぼがホバリング ホッと射て
    竿に来るトンボも釣りが好きらしい 岡本恵
    ヤゴだったこと知られたくないトンボ 北田のりこ
    やがて空飛ぶと信じて育つヤゴ 戴 けいこ
    ブーメランに憧れている竹トンボ 芦田敬子
    ドローンに主役譲った竹とんぼ 村田博
    伝言があるのか門の赤とんぼ 福島亮也
    尻切れたトンボが群れる永田町 冬子
    首傾げ思案しているオニヤンマ 城門塵
    複眼で世の中見よというとんぼ 徳重美恵子
   *トンボ追い出して急いで閉める窓 橋倉久美子
    凧ほどは風と対峙をせぬとんぼ 福村 まこと
   *父らしく生真面目に飛ぶ竹とんぼ 澁谷さくら
    想定外をいつも飛んでる竹とんぼ 糀谷和郎
    人生はひらひら糸トンボは軽い 佐藤ちなみ
    山ガールの達成感に赤とんぼ 鈴木由美子
    テレワーク窓の向こうに赤とんぼ 山崎三毛
    大吉か帽子に止まる赤とんぼ 高田桂子
   *古里のトンボと東京へ逃げる 虹色くじら
    雨上がりトンボがつつく水たまり 青砥和子
    恋をしてトンボと待った無人駅 真田 義子
    望郷の空をたゆたう赤とんぼ 新家完司
    とんぼ背にひと休みする外回り 西岡ゆかり
   *海越えてみようと思わないトンボ 戴 けいこ
   *旅人とすぐに仲よくなるトンボ 柴田比呂志
    考えごとしながら飛んでいるとんぼ 西山竹里
   *放たれて途方に暮れているトンボ おさ虫
   *しげしげと手配写真を見るとんぼ 佐佐木雀区
   *もう何も背負えぬ肩にとんぼ乗る 徳重美恵子
秀3*兄ちゃんは元気だろうか秋茜 平井美智子
秀2  赤とんぼ母に残っていた記憶 よしひさ
秀1  教室の午後を覗きに来たトンボ 甲斐良一

評      生徒も先生もちょっとけだるい午後の授業。もう秋だけど夏の暑さが残っていて窓
   も開けてある。まるで参観に訪れたようにトンボが迷い込んでくる。絵が見える川柳。

     一駅を一緒に乗った赤とんぼ             吉崎柳歩