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01年11月「包む」
01年10月「指

01年9月「ヒント
01年8月「膨らむ」
01年7月「キープ」
01年6月「眩しい」
01年5月「縛る」
31年4月「ぎくしゃく」
31年3月「しつこい」
31年2月「話」
31年1月「粘る」
30年12月「締まる・締める」
30年11月「パワハラ」
30年10月「吹く」
30年9月「覗く」
30年8月「夏休み」
30年7月「試合」
30年6月「響」
30年5月「五分五分」
30年4月「夢」
30年3月「荒れる」
30年2月「飛行機」
30年1月「名人」
29年12月「まじめ」
29年11月「みかん」
29年10月「読む」
29年9月「豆腐」
29年8月「壁」
29年7月「焼く・焼ける」
29年6月「さっぱり」
29年5月「負ける」
29年4月「普通」

29年3月「黄」
29年2月「引く」
29年1月「質問」
28年12月「悟る」
28年11月「痛い」
28年10月「秋」
28年9月「慣れる」
28年8月「文化」
28年7月「滲む」
28年6月「裸」
28年5月「腐る」
28年4月「血」
28年3月「酒」
28年2月「箱」
28年1月「軽い」
27年12月「乾く」
27年11月「熱心」
27年10月「ゴミ」
27年9月「庶民」
27年8月「比べる」
27年7月「得意」
27年6月「水」
27年5月「貫く」
27年4月「耳」
27年3月「押す」
27年2月「潜む」
27年1月「値打ち」
26年12月「刻む」
26年11月「風呂」
26年10月「暮れる」
26年9月「涼しい」
26年8月「織る」
26年7月「腹」
26年6月「やっと」
26年5月「半分」
26年4月「溢れる」
26年3月「太い」
26年2月「掴む」
26年1月「餅」
25年12月「虫」
25年11月「長い」
25年10月「夜」
25年9月「飽きる」

25年8月「卵」
25年7月「予防」
25年6月「根」
25年5月「ほどほど」
25年4月「首」
25年3月「底」
25年2月「脱」
25年1月「笑う」
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24年11月「約束」
24年10月「布」

24年9月「旗」
24年8月「かたち」
24年7月「粘る」

24年6月「音 」
24年5月「焦る」
24年4月「家」
24年3月「勇気」
24年2月「開く」
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23年12月「強い」
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23年10月「風」
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23年3月「祈る」
23年2月「敵」
23年1月「どきどき」

22年12月「不便」
22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
 
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前月入選句発表 お題「重ねる・重なる応募 301句 151人





































 


石橋芳山 選(入選39
句)          
印は両方の選者から入選した句 
 
    重なった値下げのシール剥いで見る 江利子
    食い意地が一重二重に攻めて来る 佐藤彰宏
    等圧線笑顔でいたい笑い皺 あら松
   *重なったところに錆が出る夫婦 冬子
    度重なる一強の嘘税を喰う 岩窟王
    十万を千円札で束にする 甲斐良一
    重なって落ちる地獄をまだ知らぬ 大木雅彦
    幾重ものバームクーヘンわが流転 藤井康信
    輪が二つずらしてみるとよく弾む 小谷小雪
    嘘に嘘重ね八百では足りず 堀 敏雄
    厚着して大きくなったエビフライ こやまひろこ
    悪いことここまで重なるとつらい 松本諭二
    無造作に重ね崩れるグチの山 汐海 岬
   *先約を断るほかはない訃報 吉崎柳歩
    串刺しの仲間になった肉野菜 坂本加代
    わたくしに重なる長い列の蟻 恭子
    スケジュール三人の日が重ならぬ 寺井一也
    ボスがこけドミノ倒しの中にいる 堀 敏雄
    台風と祭り同時に来たあの日 内田政竜
    重ねてた記憶すっぽりシュレッダー 福多郎
   *重なっていたか一万円多い 橋倉久美子
   *両方を欠席にして果たす義理 甲斐良一
    神の留守微罪重ねている案山子 葱坊主
    幾重にも下ろしてほしい蜘蛛の糸 木村行吉
    ジェラシーを重ねていつの間にか愛 こみち
    重ねても重ねても契約社員 雪上牡丹餅
    アリバイをいくつも重ねながら春 柴田比呂志
    後悔の層をフォークで突き崩す 麦乃
    重ね塗りメイク意外に落ちにくい 龍せん
    反論を重ね押売り退かぬ 古都
    万年雪でんぐり返りしようかな 水谷裕子
    責任を誰も引き受けないデジャヴ 西山竹里
   *重ならぬように注文してほしい たごまる子
   *唇を重ねて嘘を閉じ込める おさ虫
    君とかさねるX軸もy軸も 笹田しま
    重ねても重ねてもまだ飢えている 平井美智子
秀3*お見合いを重ねるたびに肥える舌 福村まこと
秀2  五種類の烏賊をマトリョーシカにして あさふろ
秀1    多色刷り少し静かになりました まみどり

評      多色刷りすることで、見えにくかったものがハッキリ、スッキリして落ち着いたもの
   になったのではないでしょうか。

      密談を重ねて月を射る準備                 海賊芳山  

 

 









































 

橋倉久美子 選(入選39句)

 

    失言を重ねようとも副総理 吉崎柳歩
    嘘ばかり重ね辞任に追い込まれ 松本諭二
    季の異常昨日重ね着今日は脱ぎ 柳川ひょうご
    掲示板ダブって見えたサクラチル 満月庵
    座布団を10枚重ねてる笑い 田岡修二
    ブランコの息子にボクを重ね見る 加藤当白
    罪重ね重ねて林檎熟れていく 尾崎良仁
    こつこつと罪を重ねて現在地 狩野順史
   *唇を重ねて嘘を閉じ込める おさ虫
    掌さえ重ねることもなく夫婦 べにすずめ
    傘に傘重なり渡る繁華街 中川喜代子
    女の愚痴重ねランチも盛り上がり 怜音
    サイズ毎に重ねて置いてある病衣 村上佳津代
    ハートにも重ね着をして引きこもる 新家完司
    辞書重ね今じゃ書斎のインテリア よーこ
    読みもせぬ本をせっせと買って積む 狩野順史
    虫食いの葉っぱ重ねてキャベツ巻き かっちゃん
    逢うたびの重ねる嘘に乗ってやる 浩子
    重ね塗りするほど白に遠くなる 澁谷さくら
   *お見合いを重ねるたびに肥える舌 福村まこと
    二度漬けはまかりならんと串カツ屋 圦山 繁
    偶然が重なり気づく赤い糸 じゅんたろう
    足跡をたどって歩く雪の道 城門塵
    くちづけをしても重ならないこころ 澁谷さくら
    重なった一番上は買わぬ本 モモコ
    持ち歌が重なり予約さっと消す じゅんたろう
    じれったい早く重なれ影二つ おかのみつる
    重ねにくそうな食器で諦める たごまる子
    客茶碗重ねて終えたお正月 大澤 葵
    重ね着に改札口が乗車拒否 竹内光人
   *重なったところに錆が出る夫婦 冬子
    偶然が重なり神も苦笑い 右田俊郎
    ホットケーキは二枚重ねがお約束 北田のりこ
   *先約を断るほかはない訃報 吉崎柳歩
   *両方を欠席にして果たす義理 甲斐良一
      *重ならぬように注文してほしい たごまる子
秀3  老後へと積み重ねてる文庫本 浩子
秀2   すみません!ゴメン!を重ね生き延びる 新家完司
秀1  チケットを見せ合うダブルブッキング 颯爽

評   「重ねる・重なる」で「ダブルブッキング」は目新しい発見ではないが、「チケットを見せ合う」
   様子が目に見えるようで、心引かれた。

   * 重なっていたか一万円多い                    橋倉久美子