表示(V)→拡大100% 文字(中)

 
バックナンバー
27年3月「押す」
27年2月「潜む」
27年1月「値打ち」
26年12月「刻む」
26年11月「風呂」
26年10月「暮れる」
26年9月「涼しい」
26年8月「織る」
26年7月「腹」
26年6月「やっと」
26年5月「半分」
26年4月「溢れる」
26年3月「太い」
26年2月「掴む」
26年1月「餅」
25年12月「虫」
25年11月「長い」
25年10月「夜」
25年9月「飽きる」

25年8月「卵」
25年7月「予防」
25年6月「根」
25年5月「ほどほど」
25年4月「首」
25年3月「底」
25年2月「脱」
25年1月「笑う」
24年12月「閉じる」
24年11月「約束」
24年10月「布」

24年9月「旗」
24年8月「かたち」
24年7月「粘る」

24年6月「音 」
24年5月「焦る」
24年4月「家」
24年3月「勇気」
24年2月「開く」
24年1月「踏む」

23年12月「強い」
23年11月「盗む」

23年10月「風」
23年9月「酒」
23年8月「電気」

23年7月「薄い」
23年6月「道」
23年5月「干す」
23年4月「欲」
23年3月「祈る」
23年2月「敵」
23年1月「どきどき」

22年12月「不便」
22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
21年12月「走る 」
21年11月「本気 」
21年10月「薬 」
21年9月「汗 」
21年8月「目 」
21年7月「避ける」
21年6月「軽い」

21年5月「手紙」
21年4月「華やか」
21年3月「きっちり」
21年2月「 ゆとり」
21年1月「 試す」
20年 12月「切替え」
20年 11月「力」
20年 10月「辞書」
20年 9月「客」
20年8月「住む」
20年7月「食べる」
20年6月「休む」
20年5月「野放し」
20年4月「取る」 
20年3月「けち」
20年2月「けなす」
20年1月「鏡」
以前のバックナンバー

 

前月入選句発表 お題「耳」応募 293 148人





































 


毛利由美 選(入選39句)
         
印は両方の選者から入選した句

     *告げ口は私の耳で行き止まり                        大釜洋志
       同居して使い分けする耳ふたつ                        よしひさ
      母さんは子の数だけの耳を持つ                        岡本恵
       ポチの耳家族の足を聞き分ける                         まりえ
       空耳でしょうか年金齧る音                           安藤なみ
       髪の毛が耳まできたら切る合図                       小出 順子
       代々のメガネ支えてきたお耳                         丸山 進
     *福耳もやや難聴になって来た                       中川喜代子
       聞こえない振りをするのも処世術                      大木雅彦
       耳打ちで二人抜け出す花見席                          由美子
       戦死者の声に耳貸す両陛下                          バリバラ
       聞くよりも見られることが好きな耳                      松谷大気
       雑談に耳を貸してるお人好し                             早人
       飢餓の児へ飛んで行きたいパンの耳                   小林信二郎
       いつからか蝉が鳴いてる耳の奥                         紫敷布
       耳遠き父が庭木と話してる                         だじゃれまん
     *ゼロよりは良いか耳垢ほどの利子                      森清泰範
     *ロックより演歌にほっとしてる耳                           らむ
       痛いとこつかれて耳も赤くなる                        のうむさや
       玉音が今も残って消えぬ耳                          沢田正司
       口よりも耳が達者な聞き上手                           十六夜
       横文字の楽譜はいつも耳で読む                      かっちゃん
       耳そうじ妻に命を預けてる                            照坊主
       都合良き言葉は耳に良く残り                       のうむさなえ
       聴力検査集中力も試される                            わこう
     *耳遠くなって浮き世の心地良さ                         岡本恵
     *耳たぶにお茶の熱さを訴える                         大釜洋志
     *周波数合わせ介護の耳になる                        相模秋茜
     *耳底にしっかり残る母の声                            やひろ
     *三時間耳お貸しするボランティア                       丸山 進
       耳少し遠いくらいが平和かな                         児玉浪枝
     *アベノミクス耳には心地よい言葉                     小林信二郎
     *持ちやすいかたちに耳はついている                    青砥たかこ
     *それなりにある耳たぶの使い道                      橋倉久美子
       耳掃除するとロダンの顔になる                          おさ虫
       聞く耳を持たぬ総理の一人勝ち                       まるちゃん
秀3  聴く耳を持つと夫婦の風が凪ぐ                         佐藤彰宏
秀2*耳たぶが大きいだけで褒められる                      高柳閑雲
秀1  春人事みんな兎の耳になる                          相模秋茜
   秀1:他人事ではない人事異動。兎の耳が深刻さにゆるさを加えています。秀2:福 耳もこう詠むと味のある川柳。秀3:夫婦の機微。風が凪ぐとはうまい。
   親子だと思う幸せそうな耳                           毛利由美
 

 









































 


吉崎柳歩 選(入選3
8句)


   *福耳もやや難聴になって来た                       中川喜代子
    福耳の家系で痩せている財布                        堀 敏雄
    耳よりな話耳だけ寄ってくる                         松尾冬彦
   *ゼロよりは良いか耳垢ほどの利子                     森清泰範
   *周波数合わせ介護の耳になる                        相模秋茜
     耳寄りな話に乗ったことを悔い                         岩堀洋子
     メールうつ耳はテレビのニュース聞く                         彩古
       真剣な声に聴く耳持ったふり                         高浜広川
       どの耳も値引きの合図待っている                         らむ
       不器用な人に頼まぬ耳掃除                         北田のりこ
       耳寄りでないお話も聞ける耳                          西山竹里
       耳たぶはでかいが平凡な暮らし                           ロン
     *三時間耳お貸しするボランティア                       丸山 進
       家計簿のグチを聞いてるパンの耳                     佐藤 千四
       妻が口開くと耳が痛くなる                           かっぱ堂
     *耳遠くなって浮き世の心地良さ                          岡本恵
     *耳たぶにお茶の熱さを訴える                         大釜洋志
       聞こえない振りした耳がよく動く                         芦田敬子
       聞く耳は持たぬ四月のキリギリス                     柴田比呂志
       よい耳にしか届かない春の音                         丹川 修
     *耳底にしっかり残る母の声                            やひろ
     *アベノミクス耳には心地よい言葉                       小林信二郎
       福耳にピアスの穴は似合わない                         ねこママ
     *持ちやすいかたちに耳はついている                    青砥たかこ
     *ロックより演歌にほっとしてる耳                           らむ
       補聴器の耳がピアスの愚痴を聞く                         颯爽
       雛壇に並ぶ立派なロバの耳                            孝志
       聞く耳は持たない反抗期のピアス                      かっぱ堂
       福耳にちょこんと乗っているピアス                       金平糖
       退屈をそらしてくれる耳の穴                          青砥和子
       若作りむなしく揺れるイヤリング                         ちゃくし
       罪悪感を抱きパンの耳捨てる                         芦田敬子
       肝心なこと聞き逃す地獄耳                          瀬田明子
     *告げ口は私の耳で行き止まり                         大釜洋志
     *耳たぶが大きいだけで褒められる                      高柳閑雲
秀3  角ばった話が耳に入らない                           石橋芳山
秀2*それなりにある耳たぶの使い道                       橋倉久美子
秀1  右耳の愚痴を聞いてる左耳                             光明
 右耳も左耳も自分の耳。つまり、もう一人の自分が冷静に己の愚痴を分析している、ということだろう。ユニークで見事な仕立てだと思う。

   耳打ちを勝手にされて困る耳                          吉崎柳歩