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目次7月号 ・巻頭言 「 ことば探し」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・大会 ・会場風景 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・大会お便り拝受 ・みんなのエッセイ・その他 ・各地の大会案内 ・暑中広告 ・編集後記
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たかこ 柳歩整理 伴久・柳歩 高瀬霜石
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巻頭言 | |
第八回大会も無事済んだ。参加してくださった皆様と、スタッフの努力のおかげだと思う。 今年もたくさんの皆さんの「ことば」を頂いた。最初は「ことば遊び」でも、そのうち「ことば探し」となって、「ことば」に、苦しめられたり、「ことば」に癒されたりする、そんな川柳の世界にどっぷり浸かっている私たち。
ひとつのことばでけんかして この「詩」はご覧になった方も多いと思うが、作者は、映画評論家でおなじみだった淀川長冶が「秋田のある僧侶に聞いた」として自分の著書に掲載していたらしい。また「良寛の言葉」という説もあるようだ。
私がこの詩を知ったのは、川柳展望37号、時実新子さんの編集後記である。
大会の入選作をワープロ打ちしていると、イカシたことば、生きたことば、活かされたことば、に出会い、時々手が止まる。 遠方より、また暑い最中、皆さん、本当にありがとうございました。 たかこ |
すずか路より |
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
他人には元気に見えているらしい 橋倉久美子 いつも明るくて元気な(元気に見える)久美子さんだって、落ち込むこともあるだろう。でも、貴女はもはや川柳界のスター。多分職場でも。貴女自身は気づいていなくても、貴女から元気を貰っている人は、きっと大勢いるはず。それを裏切ってはいけない。
60点絶好調と言っておく 高橋まゆみ
バスタオルとりあえず巻き書く一句 小川のんの
定年のない職業も閑古鳥 加藤けいこ
名医だと聞けば安心する患者 加藤 吉一
まがい物集めた頃が絶頂期 山本 喜禄
政治家の顔が漫画になりにくい 山本 宏 |
6月27日(日)大会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
紙類絶滅考(1)教育 清水信
今年は、電子書籍元年という。
グーテンベルク以来の大転換に出会うことを喜ぶべきかも知れないが、活字と紙に親しんできた生涯を思えば、胸のつぶれるような衝撃だ。 八ツ場ダムの工事中止により浮く金は約四千億円である。それを援用すれば、全日本の小・中・高の各校に電子教材を無償で導入されるらしく、文科省の四十代、三十代の官僚は、その実施に躍起になっているが、現場の五十代の管理職や、地方のバカ教育委員や教委幹部が足を引っぱっているので、そう早急には実施はされないが、いかなる抵抗があっても、その時期はさし迫っているのは確かである。 つまり、教育現場にはいっさい紙が無くなるという。学級名簿も通知票も卒業証書も消滅するし、テスト用紙やお習字やお絵かきの紙も無くなるという。その日は近い。 一方、ゆとり教育が見直されて、今年の教科書は25%増の厚さにもどり、週休二日制も廃止されて、土曜日の授業も漸次復活する。つまり、現場無視の官僚主導の教育迷走は、まだまだ続くので、完全実施までには五、六年はかかるであろうが、大勢に大きな退化はないと知るべきである。 新聞、雑誌、書籍を偏愛し、紙の感触や活字のインクの匂いまで親しく考えてきた我々世代にとっては、この変化は恐怖に近いものであって、到底ついていけないが、紙製品で最後まで残るのはティッシュとトイレット・ペーパーだけだと言われると、鳥肌が立つ。
自分の親戚筋に、私立の小学校に通う小学一年生がいて、この春入学したばかりだが、週三回もパソコンの授業があるという。それが、必ずしもお先走った教育とも思えぬところに、時代の流れがある。 この種の文芸雑誌も当然無くなるわけで、そうすると勉強会や合評会や歌会、句会というのも、随分形の変ったものになるだろう。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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