田沢恒坊選(入選39句)
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露天の湯ほんの小さな幸だけど |
荘子 隆 |
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*哲学を語るひととき露天風呂 |
上村 夢香 |
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食事して足湯も出来る道の駅 |
村上佳津代 |
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足湯ある駅のホームに漂う香 |
西井 茜雲 |
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美人の湯るんるんるんと有頂天 |
てつろう |
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*地球の鼓動溢れるお湯のかけ流し |
小野教彦 |
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温泉でしばし現実逃避する |
ねこママ |
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雑踏の疲れ秘湯で癒やされる |
新家完司 |
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都会の垢落とすひとりの秘境の湯 |
こやまひろこ |
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*煩悩を脱ぎ捨て混浴の湯治 |
あすか行人 |
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ジーンズで朝食運ぶ若女将 |
こみち |
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煩悩がゆるりゆるりと湯に溶ける |
冬子 |
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*効能が出るまで浸かる美人の湯 |
芦田敬子 |
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蛇口から温泉が出た猛暑の日 |
平尾定昭 |
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温泉に入りたいよと言う案山子 |
植野悦子 |
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ほっこりの時間が浮かぶ露天風呂 |
陽香 |
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ストレスが薄まっていくかけ流し |
冬子 |
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温泉街まんじゅうの湯気客を呼び |
瀬田明子 |
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*足だけはせめて混浴して帰る |
おさ虫 |
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露天風呂平泳ぎするお爺さん |
寺井一也 |
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叶うなら温泉のあるケアホーム |
椎野良子 |
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美人の湯妻がふっくら茹で上がる |
甲斐良一 |
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*湯けむりに溶ける女のひとり旅 |
竹内美千代 |
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温泉で化粧落とさぬお姉さん |
東川和子 |
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おばさんに囲まれ出れぬ露天風呂 |
横山閲治郎 |
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温泉のあとはビールかお化粧か |
汐海 岬 |
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猿だって入りたくなる露天風呂 |
五月 |
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わが家では昨日は草津今日別府 |
さだえばあちゃん |
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*もう一度聴きに行きましょ湯もみ唄 |
竹平 和枝 |
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*スマッシュで温泉卓球終わらせる |
信天翁 |
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温泉街カランコロンと下駄の音 |
村上佳津代 |
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*温泉は熊の冬眠待って行く |
久木野タカ |
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*温泉にしばし浮かべる自由の身 |
かきくけ子 |
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湯の宿で上座の妻にビール注ぐ |
豆の蔓 |
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*駅伝の応援兼ねて箱根の湯 |
竹島晃 |
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星空を独り占めして露天風呂 |
おかの みつる |
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秀3 温泉に縮んだ僕が伸ばされる |
平尾定昭 |
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秀2*生き埋めで癒されている砂の風呂 |
圦山 繁 |
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秀1 どうしましょ美人になった美人の湯 |
あけみちゃん |
評 ご本人が美人になったのなら、美人の湯で間違いない。自分のことを美人というのは
一流のジョーク。おおらかで楽しい川柳だ。