青砥たかこ 選（入選３９句）
ほどほどの甘さあなたと違う匙
中川喜代子
ごみ屋敷にならぬ程度に片付ける
柴田比呂志
＊ ほどほどの重りが付いて飛べる凧
芦田敬子
手加減を知らずついついやり過ぎる 中嶋安子
ほどほどに切って配った蛇の皮 竹林
のりしろを少し拡げる腹八分 寺川弘一
ほどほどの狭さ安らぐ終の箱 たむらあきこ
ほどほどの酒に溺れてみる地球 有馬渚
その辺でいいよと父の助け舟 早人
ほどほどで終われなくなる歯の治療 廣田千恵子
つけあがるようで一言いれておく 半兵衛
ほどほどと言ってる奴のあの自信 小田慶喜
クレームにならぬ程度にする助言 廣田千恵子
ほどほどがカビを育てた風呂掃除 川喜多正道
良薬の範囲で我慢するお酒 沢田正司
＊ ほどほどを超えたエゴから温暖化 小原敏照
頃合いをみて矛先をかわす知恵 よしひさ
ほどほどと言う相手には要注意 小田和龍聖
深入りはすまい残り火燃えようと 上嶋幸雀
ほどほどの妥協が壁を越えさせず 竹中正幸
空気読みほどほどにする無礼講 児玉純子
ほどほどでおさまりきらぬ酒と愚痴 PON5
やめろとは言わぬ主治医も酒が好き 板垣孝志
ほどほどができぬ大人の蒙古斑 はいじ
年寄りの知恵も過ぎれば疎まれる 圦山小夜子
ほどほどに緩めてくれるから続く 吉崎柳歩
＊ 包丁はやっぱり研ぎ過ぎぬように 山田緑青
ほどほどの幸せ纏い春の客 安井紀代子
＊ 詰め放題次のお客に急かされる 大釜洋志
ほどほどと言われて困る寺の布施 丸山 進
暇と金 健康もありクラス会 加藤峰子
ほどほどで済まずあなたにのめり込む
みぢんこ
生きられる温度保っている地球 川喜多正道
ほどほどが分からないから遣り過ぎる
竹口みか子
＊ 正論もほどほどにしよう友が去る
はぐれ雲
ほどほどを本気にさせに来た王手
板垣孝志
修復も考えながら揉めている
加藤吉一
ほどほどを知らぬピノキオなんですね
西村みなみ
＊ ほどほどに光れば採られない螢
門脇かずお
蛍は小さな虫。精一杯光るために生まれてきた。弱者への哀れみが見える優しい句。
練習はほどほどにして運任せ
青砥たかこ
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