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26年4月「溢れる」
26年3月「太い」
26年2月「掴む」
26年1月「餅」
25年12月「虫」
25年11月「長い」
25年10月「夜」
25年9月「飽きる」

25年8月「卵」
25年7月「予防」
25年6月「根」
25年5月「ほどほど」
25年4月「首」
25年3月「底」
25年2月「脱」
25年1月「笑う」
24年12月「閉じる」
24年11月「約束」
24年10月「布」

24年9月「旗」
24年8月「かたち」
24年7月「粘る」

24年6月「音 」
24年5月「焦る」
24年4月「家」
24年3月「勇気」
24年2月「開く」
24年1月「踏む」

23年12月「強い」
23年11月「盗む」

23年10月「風」
23年9月「酒」
23年8月「電気」

23年7月「薄い」
23年6月「道」
23年5月「干す」
23年4月「欲」
23年3月「祈る」
23年2月「敵」
23年1月「どきどき」

22年12月「不便」
22年11月「探す」
22年10月「うんざり」
22年9月「帽子」
22年8月「切る」
22年7月「苦手」
22年6月「ガラクタ」
22年5月「弱い」
22年4月「桜 」
22年3月「待つ 」

22年2月「丁寧 」
22年1月「限界 」
21年12月「走る 」
21年11月「本気 」
21年10月「薬 」
21年9月「汗 」
21年8月「目 」
21年7月「避ける」
21年6月「軽い」

21年5月「手紙」
21年4月「華やか」
21年3月「きっちり」
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21年1月「 試す」
20年 12月「切替え」
20年 11月「力」
20年 10月「辞書」
20年 9月「客」
20年8月「住む」
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20年6月「休む」
20年5月「野放し」
20年4月「取る」 
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前月入選句発表 お題「やっと」応募 320句 163人





































 


柴田比呂志 選(入選39句)

     *定年で窓際族を終えました                             松谷大気
    つつがなく平均寿命越えました                        柳谷益弘
    五十年仮眠していた裁判所                          西山竹里
    手のひらでやっと夫を転がせる                          大澤葵
    こつこつと足で稼いだ達磨の目                        よしひさ
   *悠々もやっとも同じ当選者                           甲斐良一
    花粉過ぎやっと素顔で歩きだす                       古伊万里
    筋肉が付いたらやっと解けた謎                        尾アなお
    ご無沙汰をしました四年目の墓参                       佐藤千四
    二十年待った息子と飲むビール                        角丸弘之
    幾層のやっとへ夕やみが迫る                      たむらあきこ
    停戦を待ちかねていた月が出る                       光畑勝弘
    5年経ち君の名を消す住所録                         汐海 岬
   *十までをやっと覚えた風呂の中                        芦田敬子
    こうのとり待ちくたびれた頃に来る                         こみち
    やっと来たストレスの無いストレスが                       岩窟王
    おもゆからやっとお粥の回復期                           裕子
   *長かった補欠がぼくの宝物                           はぐれ雲
   *背番号やっともらってデビュー戦                        青砥和子
    やっと母心の隅に引っ越した                          稲垣康江
    安息のやっとひょうたん島に着く                       石橋芳山
    雑踏でやっと見つけたコンタクト                         竹島晃
    夕まぐれやっと自分を取り戻す                        濱山哲也
    長い春やっと笑った薬指                              明太子
    木の中の仏さま今目を覚ます                           めぐみ
    リストラの嵐にやっと虹が立つ                          安藤なみ
    苦労して苦労をさせて定年に                         氷川の杜
    歳月の流れ冤罪晴らしても                          上嶋幸雀
    老眼にくっきり先が見えてくる                           闘句朗
    三回忌おひとり様にやっと慣れ                        和田洋子
   *父の日にやっと居場所のできた父                       丹川 修
    さようならやっと一本線を引く                             桐壺
   *ブナ林の一滴ついに海に出る                         笹田しま
    やっと今気付く私の帰る場所                        竹内いそこ
    ピリオドを打つ気になった長い春                         良馬
   *お使いのポストにやっと背が届く                       渋谷重利
秀3*家族みな送ってからの朝ごはん                      廣田千恵子
秀2  復旧の電車笑顔を振りまいて                        佐藤千四
秀1  子離れをするわ燕の子を仰ぐ                        岩根彰子
評  母親にとって子離れは寂しいもののようだ が、一度は通らねばならぬ道。心の中
  でつぶやく話し言葉がとてもやさしい。

   一年ぶりですホタルに会える夜                       柴田比呂志
 

 









































 


橋倉久美子 選(入選39
句)

 
   *父の日にやっと居場所のできた父                                            丹川 修
    奨学金やっと返した日の笑顔                           裕子
    やっと寝た子から離れる忍び足                         わこう
    子育てを終えて気付いた子の気持ち                    小田慶喜
    入賞がやっと世界の厚い壁                          吉崎柳歩
    監督にやっと呼ばれたロスタイム                      圦山  繁
   *家族みな送ってからの朝ごはん                     廣田千恵子
    お隣の根ほり葉ほりをやっと逃げ                     斉尾くにこ
   *お使いのポストにやっと背が届く                      渋谷重利
    子が巣立ちやっと書斎の主になる                    星野睦悟朗
    青春の夢孵化させる定年後                        星野睦悟朗
    やっとこさこなしていますジイジ役                      新家完司
    世辞言えてやっと大人に辿り着く                      芦田敬子
   *背番号やっともらってデビュー戦                       青砥和子
    お隣の騒音やっと曲になる                             端流
    やっとみな巣立ったあとの隙間風                       ちゃくし
    咳払い三つでやっと席が空く                           おさ虫
    やっときた料理に湯気が出ていない                   青砥たかこ
    祝辞済みやっと出番がきたビール                    圦山小夜子
    酒になりやっと本音が見えてきた                         早人
    匿名の場ならばやっと出す本音                           雪代
    まる二日考えジョークだと分かり                       丸山 進
    看護師がやっと血管さぐり当て                        安藤なみ
    平熱に戻ってやっと気づく罠                         沢田正司
    遅咲きの花一輪を褒めてやる                          まりえ
   *ブナ林の一滴ついに海に出る                         笹田しま
    定年でやっと休みをとれました                        中嶋安子
   *定年で窓際族を終えました                          松谷大気
    マラソンのビリにも見えてきたゴール                     吉崎柳歩
    ようやっと負けてマー君ほっとする                      上嶋幸雀
    やっと髷期待が大きすぎないか                       岩堀洋子
    運転の免許がやっと資格欄                          加藤吉一
    やっと得た資格生かせぬ職探し                      北田のりこ
    やっとでも合格すればしめたもの                      森清泰範
   *悠々もやっとも同じ当選者                          甲斐良一
   *十までをやっと覚えた風呂の中                       芦田敬子
秀3  服をきてやっと人間しています                           桐壺
秀2*長かった補欠がぼくの宝物                           はぐれ雲
秀1  ごめんねはやっと聞こえるほどの声                     西山竹里
評 大人でも子どもでも、「ごめんね」の一言はなかなか口にしにくい。優しい眼差しの見つけがよいと思った。     

   空梅雨の雨を喜ぶカタツムリ                       橋倉久美子