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目次27年10月号 ・巻頭言 「 伝承遊び」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論「小説と川柳(下)」 ・没句転生 ・川柳・人と句「 私の周りの柳人たち」 ・例会 ・例会風景 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受・その他 ・大会案内 ・編集後記 |
柳歩 柳歩整理 柳歩 柳歩 たかこ たかこ 清水 信さん 久美子 寺前みつるさん たかこ |
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巻頭言 | |
「伝承遊び」
過日、庭で高圧洗浄機をかけていたら、どこからか銀ヤンマが飛んで来た。それも「つがい」だったのでびっくりした。二、三年前から近所の「青少年の森」でも、銀ヤンマを見かけるようになってきた。それだけ環境が良くなってきたということだろうか? |
すずか路より |
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川柳 人と句43「私の周りの柳人たち」 たかこ |
やる事はやったんだから一休み 竹内由起子 教え子の手紙何より宝物 山下美代子
聞こえるはずないのに彼の声がする
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特別室 |
阪本きりり論(2)・川柳 清水 信 阪本きりりはジャンヌ・ダルクである。顔に優しい微笑もなく、胸乳も薄く、ししむらも豊かとは言えぬが、その颯爽たる美女ぶりは、他を圧している。百年戦争の最期に現われたジャンヌ・ダルクは、滅びゆく祖国の運命を背負って、戦場の先頭に立った。戦後七十年と言うけれども、地球上で戦争の止む日は一日として無かった。文学もまた、滅びの運命を辿っている。 ここに阪本のような女性の出現を期待する声は、必然の動きであった。政府のねらう幼児化現象に、歯止めをかける必要がある。 阪本の作品では、下五に注目せねばなるまい。(1)命令形が多い。
・劇場の一人称を排除せよ (2)名詞止めが多い。
・万華鏡に帰っていくのだろう雪 (3)さらにカタカナ止めも多い。
・浄土曼荼羅跳ねては戻るマリ これらはすべて説得力を強化するための技法である。オルレアンの少女ジャンヌはロレーヌの片田舎ドムレミから、救国の熱情に燃え、天使ミカエルのお告げにより、戦線に赴いたのは17歳の時であった。大勝はしたが、カトリックの教義に反するということで捕えられ、火刑で生涯を終えたのは、20歳に達していなかったのだ。 阪本は第一句集の帯に、「魔女狩りの業火をまとい立っている」という自句を書きつけている。「よ」という呼びかけ助詞や「なり」という結句を使うことも多い。すべては万卒を率いて、出陣を促すための「説得力」に懸っている。 阪本きりりの運命と魅力を、自分はそういうところに感じている。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | |||||||||||||||||||||||||||
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