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目次26年11月号 ・巻頭言 「 一理ある」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論「前句付けと課題詠(上)」 ・没句転生 ・川柳・人と句「 小島蘭幸さん」 ・例会 ・例会風景 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受・エッセイ・その他 ・大会案内 ・編集後記 |
たかこ 柳歩整理 柳歩 柳歩 たかこ 清水 信さん 久美子 新家完司さん たかこ |
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巻頭言 | |
「一理ある」 夏ごろから歯医者に通うようになって、歯に関する話題に興味が行く。 ・歯を磨く左手 ぶらり下げたまま 金子 流 新家完司さんの「川柳の論理と実践」ナンセンスなユーモアで紹介されている。本当にナンセンスなことながら、興味がわいて身近な人に聞いてみた。 まず足踏みなど足のストレッチを欠かさない人がいた。左手で洗面台の掃除をする人…時間を無駄にしない、きれい好きな人のようだ。私は…腰に手を当てて踏んばっていることが多い。だけど、ほとんどの人が句のように、なにもしないでだらりとさせているようだった。 歯を磨くとき、歯ブラシを濡らさないほうがよいと、ある雑誌に載っていた。唾液がほどよく出て歯磨きの効果が上がるらしい。だが、あるメーカーの広報誌では「ブラシは使う前きれいな水で洗ってから〜」とある。前回磨いたときの雑菌や目に見えない埃がついていたりするからとか。 また歯を磨くのは、食後すぐがよいと、つい最近歯医者さんで聞いた。ところが、偶然手にした専門誌には、食物にいるバクテリアが食後歯についてばい菌を殺すから、せめて30分後に歯磨きをするのがよいとあった。
たかが歯磨き…されど大事なこと。正反対の意見があって、迷うところだが、どちらにも「一理ある」ような気がする。 金子みすゞじゃ無いけれど、「みんな違ってみんないい」と思ってしまうこの性格、何とかしたほうがいいのかしら。 たかこ |
すずか路より |
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川柳 人と句33「小島蘭幸さん」 たかこ |
樹も僕も老いぼれてから面白い かぐや姫嫁いで男ばかり産む
オンリーワンという不器用もあるのです 暗証番号いつか忘れるときが来る |
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特別室 |
ノエマ・ノエシス 清水 信
これも青砥さんの紹介によるものだろうが『ノエマ・ノエシス』という前衛的柳誌を送って戴いて驚いている。 埼玉県和光市本町31・2・207から発行、代表は高鶴礼子(販価千円)。
巻頭には高鶴代表の詩「誓約」を置くように、川柳オンリーではなく、「詩的なるもの」への誠実が先行しているようで、漢詩、短歌、紀行、エッセイ、詩編と多方面への関心を示しているのも良い。
これらエッセイ群の頂点にあるものが、高鶴代表の「鶴彬を二度殺さないために」という一文である。国会でゴリ押しで可決された「特定秘密保護法」に対する激しい抗議である。
『特高外事月報』や『川柳人』の文献を引用しながら、「人権がないがしろにされる状況を是とする」文芸人は誰もいない筈だと、闘いを訴えている。瀬川の一文も、とかく問題の多い、劣化の激しいオリンピックの現状を衝き、呑風郎の「エヴァンゲリオン論」と豊崎光一の思想に触れて、深く重い訴えを示している。岸本一郎の「二十六本指の宇宙人」という連載も、右傾化する大阪市政に対するプロテストが目立つ内容で、ストリートパフォーマンスに期待できる。内田知行のインドネシア体験に見る「日本の洞穴」にも、驚いた。 「雫座選評」に取上げられた作家たちの佳句を、いくつか拾ってみる。
・従順な犬で時々家出する 山口糸子 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | |||||||||||||||||||||||||||
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