目次07年2月号 ・表紙裏(川柳展望年全国大会) ・巻頭言 「大銀杏」 柳歩 ・すずか路 久美子・柳歩整理 ・小休止 龍一・久美子 ・川柳つれづれ けいこ ・人と句 「帰一」を読んで たかこ ・例会 ・例会風景 たかこ ・没句転生 柳歩 ・アラレの小部屋 久美子 ・前号「すずか路」散歩 田辺与志魚さん ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受・あしあと ・大会案内など ・編集後記
大銀杏
大相撲初場所は、琴櫻の予想外の不振にがっかりさせられたが、巴戦による優勝決定戦になるなど、それなりに盛り上がった。個人的には大鵬の孫である王鵬に優勝してほしかったが、さすがに豊昇龍が大関の貫禄を見せて優勝した。 まだまだ横綱になれる実力はないように思われるが、興業やパリ公演などの都合もあって、相撲協会は横綱に昇進させたのであろう。 大の里は、学生やアマチュアの横綱になるなど注目された大器で、実績で幕下十枚目に付け出しされたので、まだ大銀杏が結えないうちに優勝して大関になってしまった。初場所は大銀杏を結って初めての本場所であった。その名の通り身長も体重も申し分ない逸材ではあるが、まだ取り口には甘いところもあり、王鵬や豊昇龍にも破れ、十勝五敗に終わった。 一月の例会の共選題は「添える」であった。「料理に添える」「手紙に添える」「花を添える」「手を添える」などが直ぐに浮かんできたが、ここで「添え物」も「添え木」も「添える」を満足することに気付いた。そして思いついた一句が、 添え物と呼んではならぬ大銀杏 であった。 力士の大銀杏は十両以上の関取に許された髪型で、幕下以下の間はいわゆる丁髷である。大銀杏は確かに艶やかで立派であるが、肝心な勝負に必要なものではない。坊主頭であれば髷に指が引っかかることもないだろう。大の里が丁髷のままで優勝したり大関になったように、実力にも関係ないのだ。かといって、「単なる飾り」として廃止するわけにはいかない。行司さんの衣装や土俵入りもそうだが、これらは相撲という伝統文化の象徴であって、力士が頭に乗っける「不要な添え物」と、決して断じてはならないものなのである。 ということで、大銀杏を「添え物と呼んではならぬ」としてユーモア句に仕立てたつもりだったのだが、結果は共選の両選者から没であった。「大銀杏」が力士の髪型であることがすぐには読み取れなかったのだろう。私が相撲好きということもあったが、初場所も千秋楽を翌日に控えて、いわゆる「大きな銀杏の木」ではなく、力士の髪型であることには、容易に気付いてもらえるだろうと思った私が軽率であった。 白子教室のマトメなどに際しては、適切な語彙を一所懸命に探すのであるが、自分の句には安直であったと反省している。 添え物に非ず力士の大銀杏 柳歩 柳歩
整理・柳歩