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目次2月号 ・巻頭言 「 川柳と雅号」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・インターネット句会 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・みんなのエッセイ ・各地の大会案内 ・編集後記
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柳歩 柳歩整理 伴久・柳歩 武山博 柳歩 |
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巻頭言 | |
現代川柳になって、それまでの第三者的な眼で人事を詠んでいた川柳に、自己の内面を掘り下げて詠む、内省的な視点が強まってきた。 川柳の場合「雅号」という呼称が適切なのだろうか? 俳句や短歌なら、「風雅な別名」ということで頷けるが、川柳は果たして風雅な文芸だろうか? 柄井川柳の前句付け、さらに新川柳の時代は、その反権威、反権力的風刺性を内包する文芸ということで、匿名性を必要としたのだろう。雅号というより、匿名としての仮名(かめい)的性格が強かったのではないだろうか。 戦後の民主主義によって、個人の人権や主張が尊重されるようになった結果、仮名としての雅号は不要になった。
現代の川柳は、課題吟と自由吟とに「詠み分け」される傾向にあり、その姿勢は総括が必要だが、共に客観詩であることに相違はない。たとえ心象を詠む場合の自由吟でも、自己を客観視することが必要だ。もう一人の自分「ペンネーム」を持つことは、そのためにも有意義なのではないだろうか? |
すずか路より |
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
境遇は同じかなどと紅葉散る 寺前みつる
銀行へ急ぐ金曜午後三時 浅井美津子
他人より汗かく蟻の物語 くのめぐみ
少しだけ不幸な人と馬が合う 山本 喜禄
いつもの鳥が止まって店が呼吸する 坂倉 広美
おもかげが少し残っている笑顔 橋倉久美子
カーナビは迷わないからつまらない 青砥 英規
勲章はしょせん誰かに見せるもの 長谷川健一
芽が出ると毎日チェックする花壇 青砥たかこ
(大垣川柳会事務局 岐阜県在住) |
1月23日(土)例会より | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
川柳学253年(2) 清水信 『川柳学』が言うように、2007年が川柳250年ならば、今年は川柳253年に当るはずだ。
前号の続きだが、川柳の源を川柳点に求めるなら、十四字詩の場合は『武玉川』に、その原点を見るのだという。
本誌の読者は、みな反対だろうから、そんなに筆を費す気はないが、50歳で急逝した江川和美(小川かづ江)の作品を紹介したい。
連句をやっている人に「十四字詩」のファンが多いというのも肯ける。
大阪から「川柳二五〇年」と書いた幟(のぼり)百本を持って上京して、二五〇年祭をしたという元気は、ほどんど関西的だろう。 大会への石原慎太郎(東京都知事)や、篠弘(日本現代詩歌文学館々長)や、やすみりえ等の祝電も披露されている。やすみりえは、川柳界の黛まどかと言われる、TVでおなじみの美人川柳作家だが、大会当日、スイスのマルテイニで開催されているアート・フェスタに出席中とのこと、川柳人口拡大のための尽力を忘れては、その充実もあり得ないだろう。 広告欄によれば、次のような柳人の評伝が出ている由で、読みたいものだ。
・白石朝太郎論(大野風柳) ――白石はサムライ・スピリットで有名だし、田中はベルグソン哲学を基盤にしている由、また三条はカミソリ東洋樹と呼ばれた革命児という。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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