目次04年8月号
巻頭言 「人の文章を直す上」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句健一さん 追悼句」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・残暑見舞い広告
・編集後記

 


久美子 
久美子・柳歩整理
まこと・けいこ
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
北原おさ虫さん 
柳歩









 
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巻頭言

「人の文章を直す」

  教員だったころ、進路通信や学年通信を担当することが多かった。当然ながら、発行する前に管理職(校長、教頭)にチェックしてもらい承認を得るわけだが、そのチェックの仕方にもいろいろあった。

 ある管理職は、文章表現に口を出すことは全くなかったが、きちんと読んでくれている証拠に、漢字の変換ミスや日付と曜日の食い違いといった単純な間違いは、必ずといっていいほど指摘してくれた。おかげで「この先生が見てくれたなら大丈夫」と、安心して通信を出すことができた。
 別のある管理職は、必ず一か所以上、文章表現を添削してきた。ところがそれは私から見て、する必要のない、なぜそうするのかわからない、場合によっては改悪とも言える添削であることがほとんどで、私のプライドはいたく傷つけられた。その管理職とは反りが合わなかったこともあり、私は内心、「この人は、どこかに手を入れることで管理職としての威厳を保とうとしているのだ」と思うようにしていた。
 また別の管理職も、よく文章表現を直してきた。ただこの人が赤を入れるのは、私が時間に追われて書いたところや、自分でもうまく表現できていないなあともやもやしているところばかりで、なぜここまで見抜けるのか不思議に思うほどだった。しかも、思わず「そうそう、こういうふうに書きたかったんです」と言いたくなるほど、意図をくんだ直し方がしてあるのだ。実は私はこの管理職が苦手だったが、その文章添削力については、驚くとともに感心し、信頼を寄せていた。

この経験をもとに、人の文章に手を入れる場合、整っていることが望ましい条件を考えてみた。まず、それをしてよいという双方の了解があることが、大前提である。次に、両者の間に良好な人間関係がある方がよいのは言うまでもない。ただしそれ以上に重要なのが、執筆者が添削者の力量を認めていることである。これらの条件を満たした上で適切な添削がなされれば、文章を直した方も直された方も、すっきりした気持ちになれるのではないだろうか。

                                          久美子
 

 
すずか路より
断捨離を貧乏性が許さない 寺井一也
ミサイルがまだ落ちて来るウクライナ 西山竹里
通勤のラッシュに混じる登山客 澁谷さくら
投資より貯金が好きな日本人 玉木りょうこ
任せます歯医者床屋は目を閉じる 磯浜基十
読経のように朝から蝉時雨 神野優子
パッションフルーツお腹で発芽したい種 前田須美代
コロナ禍にロシア禍重ね病む地球 坂 茜雲
あの頃は飴噛み砕くいさぎよさ 大川里子
虫おくり三年ぶりの笛太鼓 岩谷佳菜子
朝ドラに間に合うように支度する 西垣こゆき
笑わないひとりをみなで笑わせる 坂倉広美
円安が独居寡夫にも押し寄せる 竹島 晃
アイスノン3個抱えたまま眠る 勝田五百子
早朝のあぜ道雉もウォーキング 橋倉久美子
早朝から暑くなるよとセミが鳴く 北田のりこ
アラフィフは転がる箸で笑えない 中川知子
リモートに子等の元気という便り 河合恵美子
子供用プールがお湯になる酷暑 落合文彦
身の丈より大きく見せる影法師 竹尾佳代子
国葬に反対嘘の常習者 毎熊伊佐男
かき氷食べ終わったらすぐに汗 戴 けいこ
歩こうとしないと足は動かない 河内秀斗
ぼちぼちに応える術のない身体 村井一朗
台風に守り固めて昼寝する 西岡ゆかり
笑っても怒っていても僕の顔 奥田悦生
はっきりとさせて空気が不味くなる 山口龍一
来年も元気でいたい夏帽子 鈴木裕子
降り続く雨に護岸が悲鳴あげ 瓜生晴男
湯に浸かり星空見れば極楽ね 草山節子
免許更新家族で悩む歳になる 加藤吉一
またしても白紙になった夏の旅 芦田敬子
七夕の願い重くてしなる笹 圦山 繁
そっと挿しても投げ入れという華道 小川はつこ
身支度をせかされ殻を脱いだ蝉 西川幸子
湖水荘何年ぶりか見る景色 水谷ちか子
五回目のワクチンなんて言いそうだ 小出順子
窓際と書かなくたっていい名刺 藤村洋子
理由なき反抗ハスの花閉じる 柴田比呂志
忘れずに薬を飲んでまだ元気 竹内そのみ
パソコンの便利さ怖さ知らされる 小林祥司
愛猫へ散歩の土産猫じゃらし 田鎖市子
夏雲を追ってひまわり夢を見る 眞島ともえ
侘びながら勝ってるような朝乃山 福村まこと
大きさで選んだパンに洞がある 佐藤千四
早送りするには惜しい走馬灯 ささきのりこ
十日間じっとガマンの刑期明け 瀬田明子
武器供与だけでは戦終わらない 満月庵
百年の祭り二十歳で逝く祭り 吉崎柳歩
湖へ行き湖を見ず帰る 青砥たかこ
 

整理・柳歩

7月23日(日)例会より  出席者11名欠席投句30名より
宿題「 軽い」 青砥たかこ 選
  自慢するたびにオトコが軽くなる 𠮷崎柳歩
  酔っている間は軽くなる悩み 河内秀斗
  止 分かち合う人いて軽くなる荷物 澁谷さくら
 軸 ハイハイと言ってるだけの軽い口 青砥たかこ
宿題「 電池」(共選) 鈴木裕子 選
  田の案山子電池いらずで良い仕事 小川はつこ
  古くてもしわは寄らない乾電池 橋倉久美子
 止 精一杯電池が切れるまで生きる 中川知子
 軸 電池切れまでお喋りしていたいあなた 鈴木裕子
宿題「 電池」(共選) 毎熊伊佐男 選
  朝食を抜いて電池の切れた顔 小出順子
  売り場では眠っていてもよい電池 圦山 繁
 止 本番を前に電池を取り替える 橋倉久美子
 軸 再スタート切りたいけれど電池切れ 毎熊伊佐男
宿題「自由吟」 橋倉久美子 選
  ドラレコがいつも味方と限らない 平尾定昭
  替え芯のままでは使いにくい芯 西山竹里
 止 缶ビール冷やし忘れた日の無念 澁谷さくら
 軸 素麺をすすって夏を生き延びる 橋倉久美子
席題「 溶ける」 互選
 6点 血液に溶けきっている不摂生 河内秀斗
 5点 絶対に溶けねばならぬ飲み薬 河内秀斗 
 4点 純情なオトコを溶かす美女の笑み 𠮷崎柳歩
  溶けるまで浸かり続ける美人の湯 河内秀斗
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『 錆 』  応募116句
  13点  まだ錆びてない憲法を変えたがる 𠮷崎柳歩 
  12点   名曲は錆びぬ昭和が蘇る 岩田眞知子
  11点   ほどほどに錆びてバランスいい夫婦 関本かつ子
     Uターン都会の錆をまず落とす 白井 昭
   9点  拒否権が国連機能さびつかせ 北田のりこ
     錆おとすためにときどきひとり旅 濱山哲也
     日本の未来が錆びる高齢化 圦山 繁
      錆びぬよういつでも恋をしています 濱山哲也