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目次27年11月号 ・巻頭言 「 文芸賞を考える」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論「鈴鹿川柳会とHP」 ・没句転生 ・川柳・人と句「私の周りの柳人たち」 ・例会 ・例会風景 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号「すずか路」散歩 ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・エッセイ・あしあと ・大会案内 ・編集後記 |
たかこ 柳歩整理 柳歩 柳歩 たかこ たかこ 清水 信さん 久美子 新家完司さん たかこ |
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巻頭言 | |
「文芸賞を考える」 鈴鹿市文芸賞の募集が今年も締め切られた。選をさせていただくようになって十五年が経つ。毎年、川柳の応募者は少ない。もともと母体が少ない上に、最優秀賞を採られた方は(一年おけばまた応募はできるようになったが…)もう出されることがない。 二十五年も昔のことになるが、鈴鹿市に文芸賞が発足して、私は「童話」を書いて応募した。(まだ川柳に手を染めていなかった)文章の書き方もろくに知らなかったが、何でもチャレンジだと面白半分の応募だった。初めての作品が奨励賞に選ばれると、喜び勇んで表彰式に出た。選考委員長の清水先生はただただ無邪気だった私に、
「受賞者の中で一人だけ、本当にうれしそうに赤い花のリボンをどこへつけようかと思案していた、これは選考委員としてうれしいことだった」 表彰式に出席される人も川柳はいつも少ない。選考者は、名前も分からず選んだ入賞者がどのような人なのか知りたい。礼を言ってもらう必要はないが、やはり表彰式には出てほしい。誌友など県外の人は仕方がないと思っているが…。
そして、それ以前の問題として、川柳に限らずほかの部門もそうだが、一回ダメだったからとあきらめたりせず、チャレンジ精神を持ち続けてほしい。自分の力を試す機会はほかにも、大会や誌上大会でもあるが、まず身近なところからの「やる気」はいつか自分のためになると思える。
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すずか路より |
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川柳 人と句44「私の周りの柳人たち」 たかこ |
そう言えばなどと昨日を叱られる 福中 宏之 愛子さま明るいニュース新世紀 小林いさを
ときめいてそれからずっと側にいる
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特別室 |
阪本きりり論(3) エッセイ 清水 信
川柳を作る人は、大概エッセイがうまい。「評論家が少ない」と阪本は嘆いているが、エッセイは得意なのではないだろうか。本紙連載の吉崎、青砥、橋倉諸氏のエッセイもうまいものだし、割り当てで皆が書かされている散文も結構うまい。
川柳関連の話柄は除くにしても『ベビーブラック』の中には、胸を衝く主題が非常に多い。 『シラノ・ド・ベルジュラックとドン・キホーテを組み合わせた恋愛論』も、興味をひく。臨終の美学は男にしか無い、とは思わぬが、ロマンを男の独占物にしてはならぬ、というのは女性たちへの、誠に苦い忠言だろう。
『欲望という名の電車』についての文章も、彼女にしか書けない視角が光っている。カフカの「変身」については複数回触れているが、これも独壇場だ。 阪本きりりは、川柳を捨てる時が来るかも知れないが、こういう意地を持っている間は、エッセイストとしては残るだろう。他にもパフォマーとして優秀なので、そのドラマチックな表現で、指導者となるかも知れぬと思う。
僕が『川柳すずか』にエッセイを連載しているように、彼女が長く「川柳四日市」に長く、この種のエッセイを書き綴ることを祈る。「チマチマ書いている」などとは言うな。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句(一人5句投票) | ||||||||||||||||||||||||
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