目次04年9月号
巻頭言 「人の文章を直す下」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句くちびるにウエハース」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

久美子 
久美子・柳歩
比呂志・佳代子
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
北山まみどりさん 
柳歩







 
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巻頭言

「人の文章を直す(下)」

 
ふだん編集作業をするうえで私たちが「校正」と言っている作業内容には、厳密にいうと「校正」と「校閲」と「添削」が交じっているような気がする。

  『新明解国語辞典』第八版によると、「校正」は「原稿や資料などとつき合わせて、文字や図版の誤りを正すこと」とある。つまり、たとえ原稿に誤りがあったとしても原稿通りの形にするのが、厳密な校正である。とはいえ柳誌や同人誌の編集作業で明らかな誤字、脱字を正すのは、校正のうちと考えて差し支えないだろう。

  これに対して「校閲」は、「書類や原稿などの誤りや不備な点を調べて、加筆訂正すること」とある。誤字脱字はもちろん、文法上の間違いや内容の明らかな誤り、あるいは表記や文体の不統一、さらには不適切な表現のチェックや訂正が、これに当たると思う。新聞社などで表記に関わる内規があれば、これに照らし合わせるのも校閲の仕事だろう。柳誌や同人誌の場合、執筆者の了解を得たうえで訂正するのが望ましいが、時間的な制約もあり、場合によっては編集者一任もやむを得まい。

  これが「添削」となると、少々話は変わってくる。『新明解』によると「添削」は、「〔他人の依頼を受け、指導するために〕その人の書いた詩文の、むだ(不適当な所)を省き不足を書き加えて、良くすること」とある。この「他人の依頼を受け、指導するために」が、なかなか微妙なところを突いている。つまり、明らかな指導者たる「主宰」(『新明解』によれば「多くの人の上に立ち、中心となって物事を行うこと(人)」)を頂く集団なら、たとえ依頼をしていなくても主宰の添削を受け入れやすいだろうが、上下関係の意識が薄い集団(それが悪いと言っているわけではない)では、たとえトップが「良くすること」を目的に添削しても、あらかじめ断りがなければ、執筆者が「依頼していないのに余計なことをされ、かえって悪くなった」と感じることもないとは言えまい。また、事実上の添削が、一編集者によって「校正」の名のもとに行われる場合があるとすれば、少々問題があるのではないだろう 
                                                 久美子
 

 
すずか路より
国葬も五輪も民意顧みず 神野優子
ワクチンと知恵比べする変異株 坂 茜雲
風鈴が涼風を待つ昼下がり 大川里子
老眼が進み世の中曇らせる 岩谷佳菜子
戦争コロナ言っている間にもう九月 西垣こゆき
全身をキャンバスにして皺を描く 坂倉広美
ご先祖と旧暦仕様盆休み 竹島 晃
雨の日もバリアフリーの続く家 勝田五百子
音たてることもないまま折れた骨 橋倉久美子
スーパーに増えたと思うおじいさん 北田のりこ
感染の覚悟して行く保育園 中川知子
ワクチン四回さらばコロナと言いたいが 河合恵美子
分刻みお盆を駆けるお坊さん 落合文彦
八月の空また昭和想い出す 竹尾佳代子
ナポリには売られていないナポリタン 毎熊伊佐男
墓参り隣の花と見比べる 戴 けいこ
モーニングコーヒー踏んばっていこう 河内秀斗
古希爺が若葉マークに煽られる 村井一朗
十八時までは持たせる大相撲 西岡ゆかり
親の恩忘れさせない秋彼岸 奥田悦生
番を待つ女綺麗な脚を組む 山口龍一
三軒向こうまで聞こえたと笑い声 鈴木裕子
黒雲が雷連れて攻めてくる 瓜生晴男
神さまが気ままに分ける運不運 草山節子
政治家の陰を知らない清き票 加藤吉一
そば殻の枕は祖母の匂いする 芦田敬子
向日葵も悲鳴をあげる酷暑の日 圦山 繁
あ〜んして素直に受ける歯科治療 小川はつこ
過去最多私も入る感染者 西川幸子
三十分並んで食べるかき氷 水谷ちか子
目立つよう追伸にして書き添える 小出順子
コロナ禍で隣の不幸知らぬまま 藤村洋子
誠意だけ貰って風を入れ替える 柴田比呂志
八月の海に哀しい海ゆかば 竹内そのみ
コオロギに耳をそばだて長湯する 小林祥司
億劫な通院やめてみようかな 田鎖市子
経年劣化歯医者通いが終わらない 眞島ともえ
物故者がじわじわ増えるシニア会 加藤峰子
お土産の倍は里から持ち帰る 福村まこと
ゆっくりでいいと位牌が笑みかける 佐藤千四
戦場の傷の痛みのいかばかり ささきのりこ
コロナ禍を知らぬお墓の中の父母 瀬田明子
穫れすぎのゴーヤ談義に小半時 満月庵
打ち水の跡形もない炎天下 寺井一也
壺売りの広告塔になる議員 西山竹里
八月の空よ祈りはまだ続く 澁谷さくら
あふれても困らぬ酒の盛りこぼし 玉木りょうこ
甲子園郷土出身ただ一人 磯浜基十
わたくしの怠惰を叱る昼の月 吉崎柳歩
やることとやりたいことがせめぎあう 青砥たかこ
 

整理・柳歩

 
8月27日(日)例会より  出席者10名欠席投句3 4名より
宿題「 最低」 𠮷崎柳歩 選
  最低限の暮らしはできる留置場 河内秀斗
  自賠責だけで済ましているクルマ 西山竹里
  止 最低の食費支えているモヤシ 圦山 繁
 軸 最低の名前もらったイヌフグリ 𠮷崎柳歩
宿題「 指 」(共選) 芦田敬子 選
  ペンだこが小さくなったデジタル化 小野教彦
  あやとりの指が迷路で動けない 澁谷さくら
 止 赤福餅川に見立てた指の跡 北田のりこ
 軸 星座盤見つつ指さす白鳥座 芦田敬子
宿題「 指 」(共選) 河内秀斗 選
  他人のはあんまり見ない足の指 寺井一也
  包丁が怖い刻まぬ方の指 加藤吉一
 止 ペンよりも指に馴染んだキーボード 𠮷崎柳歩
 軸 スマホ時代指は口よりよく喋る 河内秀斗
宿題「自由吟」 青砥たかこ 選
  幸せですピストル持ったことがない 河内秀斗
  素麺一束百五十本ほどはある 北田のりこ
 止 試食したときには美味かった土産 橋倉久美子
 軸 読書する時間むさぼるしかないな 青砥たかこ
席題「 色 」 互選
 6点 雨ばかり続きトマトが色づかぬ 橋倉久美子
 5点 教団の色で汚れている議員 𠮷崎柳歩
 4点 海の底色を知らない深海魚 岩谷佳菜子
  目立つ色の服を着せられウォーキング 芦田敬子
  血の色が濃くなりそうな赤ワイン 青砥たかこ
  ショッキングピンクにしても良いマワシ 𠮷崎柳歩
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『漏れる・漏らす』  応募112句
  14点  情報がたやすく漏れるデジタル化 眞島ともえ
  12点   大声でなくても漏れていくうわさ 落合文彦
     ふと漏らす言葉にホンネ見えてくる 中川知子
  11点   シラス漁漏れた魚が出世する 加藤吉一
     つい本音漏らしてからの風の向き 竹尾佳代子
     プラごみに海の嗚咽が漏れてくる 鈴木由美子
    9点  肩越しに秘密が漏れる喫茶店 𠮷崎柳歩
      ため息がごみ袋から漏れてくる 芦田敬子
      ここだけの話はいつも漏れていく 落合文彦