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目次6月号 ・巻頭言 「 文法と品詞」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・みんなのエッセイ・その他 ・大会案内 ・編集後記
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柳歩 柳歩整理 柳歩・伴久 小川のんの たかこ 柳歩 清水信 久美子 たかこ |
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巻頭言 | |
先日の「井田川・亀山川柳会合同吟行句会」での合評会の課題は「それぞれ」であった。高点句の中に、 @それぞれの事情でつけている仮面 イ、彼は贅沢だ 贅沢は敵だ 「贅沢」「慎重」「健康」いずれも形容動詞の語幹である。各下段の表現は文法的には誤っている。しかし、ロ、以外は違和感を覚えない。「それぞれが」と同様、誤っていても既に慣用化されたものは川柳でも認めざるを得ない。しかし、作句上の省略が日本語の乱れに繋がることには、なって欲しくない。 柳歩 |
すずか路より |
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
じいさんは滅多に押さぬ乳母車 鈴木 章照
波風をたててしまったお節介 沢越 建志
ケータイで医者の順番すし屋並み 加藤けいこ
神様がだめと言うならあきらめる 橋倉久美子
軟化した妻の態度が腑に落ちぬ 瓜生 晴男
温かい部屋で見てるしかない大惨事 北田のりこ
かわいいねパジャマの柄をほめられる 青砥たかこ (鈴鹿川柳会会員 四日市市在住) |
5月28日(土)例会より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
少年の事件
出岡絢巳の出色の短篇小説集である『事件帖』の中に「航空隊がいた頃」という作品がある。
「今日は、学校を休め!」
母がいて、兄がいて、家は海軍航空隊の軍人さんの止宿先になっていて、三人の軍人が週一泊二日の生活をしている。戦争の批判をすると「憲兵が連れにくるぞ」と脅される。
駅前に写真館があって、そこに百合子という子がいて、好きになった。写真をとってくれるというので、撮ってもらったが、これもまた家族のもめごとの種になった。
18年には学校を代表して、亀山の師範へ研修に行く。 『事件帖』には、他に「富蔵の骨」「隣の住人」「錠の口事件」「すれちがった女」「妖力」の5作品が収められ、タイトル通り、事件の存在感を重んじた小説は、ベテランらしい力業をふるっている短篇集と言えよう。『湯の花物語』『堀切川』と並ぶ三部作の完成を心から喜びたい。 ▼鈴鹿市寺家7・25・23 出岡絢巳(文芸評論家) |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||||||||
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