目次04年10月号
巻頭言 「言葉を選ぶ」
すずか路
・小休止
・川柳つれづれ
・人と句路地裏のつぶやき」
・例会
・例会風景
・没句転生
・アラレの小部屋
・前号「すずか路」散歩
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記

 


たかこ 
久美子・柳歩整理
広美・ちか子
柳歩
たかこ

たかこ
柳歩
久美子
丹川 修さん 
柳歩









 
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巻頭言

「言葉を選ぶ」

 かなり前、長く俳句をされている方がこうおっしゃった。
「川柳で発する言葉は思いそのものですな」
 柔らかな口調でその方は続けた。
「俳句は、季語を上手く使って風景描写の向こう側に思いをおくのですよ」と。

その時私は、俳句はおくゆかしく、川柳は乱暴と言われた気がしてあまりいい気分ではなかった。

同じ五七五、これまでにいくたびか聞かれてきた「俳句と川柳の違い」だんだん垣根が低くなってきたとはいえ、やってる人たちの意識の下に違いはある。その違いがあるから、ともにやって来れた気もする。

 川柳は思いを詠む、とずっと言われてきた。だが、思いは言葉にしなければ伝わらない。言葉で遊んではいけないが、言葉に替える、言葉を選ぶのだ、いずれにしても「言葉」がなくては句は生まれない。

「言葉を選ぶ」ことは日常でも無意識のうちに誰もがやっていることだ。自分のことは棚に上げてここに書くが、二度の大病のあと、多くの人が声を掛けてくださった。
 そのとき、ある方が駆け寄ってきて、
「いやあ、たかこさん。二度あることは三度あるというし、三度目の正直気を付けてくださいよ」
 なにか言ってやりたいと思ってくださったのだと思うが、この二つのことわざは耳に残ったままでいる。

 これとちょっと似ている、あるニュース番組の女性アナウンサー。行方不明の女児が遺体で見つかった実況に、
「ああ、よかったですね、これで親御さんもホッとされたことでしょう」
 涙ぐまんばかりに言ったのが、当時はSNSではなくテレビ局に非難の電話が鳴りやまなかったそうだ。そのアナウンサーはその後退職に追いやられたのだが、とっさに出た、哀悼の言葉だったのだろう。

 選ぶ時間があっても、なかなかぴったりのことばが出てこない作句とは違い、日常会話は気をつけなくてはならない。いつも肝に銘じているのではあるが…
                                                 たかこ
 

 
すずか路より
聞いてるか聞いていないか猫の耳 坂倉広美
たわむれにデイサービスの体験日 竹島 晃
代筆を誰にと悩む暑い朝 勝田五百子
夕刊のパズル意外と難しい 橋倉久美子
軽い返事にもう一度念を押す 北田のりこ
真っ白な産着もあなた色になる 中川知子
名月を窓に微笑むオンライン 河合恵美子
バイト生稼がないとと皆が言う 落合文彦
気候不順でもちゃんと咲く彼岸花 竹尾佳代子
典型にせぬと成り立たない芝居 毎熊伊佐男
生きている平均寿命下げぬため 戴 けいこ
アイロンをかける再び前を向く 河内秀斗
垣根越し鉄砲百合の狙い撃ち 村井一朗
安全な場所で祈っている平和 西岡ゆかり
取り敢えず先手取りたい勝負事 奥田悦生
人脈が切れぬ程度の義理を継ぐ 山口龍一
会食へおやつも止めて参加する 鈴木裕子
妻が敷くレールに今日も乗せられる 瓜生晴男
墓参り草踏みしめて逢いにいく 草山節子
怖い夢に目が冴えて読む方丈記 加藤吉一
わたくしごと国葬の日が誕生日 芦田敬子
戦力外通知は来ない趣味の会 圦山 繁
棺桶とトイレ独りで入ります 小川はつこ
「気にしすぎ」と主治医の口調胃にささる 西川幸子
この先もデジタルばかりどうするの 水谷ちか子
ゴキブリが迷子になった台所 小出順子
腹の足しなんて言えないサツマ芋 藤村洋子
ぐい飲みの底から秋の風が立つ 柴田比呂志
お母ちゃん子が呼んでくれ米寿過ぎ 竹内そのみ
その昔飢えた話で食事会 小林祥司
夕顔の花の際立つ散歩どき 田鎖市子
言われなきゃ気づかないとは言うけれど 眞島ともえ
暑くてもグランドゴルフ週三日 加藤峰子
気にはなる新国王の家庭劇 福村まこと
元総理死んでもラッパ離さない 佐藤千四
旅記念ペアの酒杯が増えていく ささきのりこ
モリカケサクラ アベノマスクがレガシーに 瀬田明子
列島をなぞり台風通り過ぎ 満月庵
稲刈りが晴れて案山子も嬉しそう    寺井一也
カドカワもアオキも吸った甘い汁 西山竹里
スッピンで歯だけ磨いて行く歯医者 澁谷さくら
ごめんねと言える間はいい夫婦 濱口祐一
五十肩無理のきかないお年頃 玉木りょうこ
イチジクの熟れた赤味がなまめかし 磯浜基十
国葬にモリカケ桜 壺五輪 神野優子
もう少し飲むかと言って欲しいのに 前田須美代
弾一つカルト議員を炙り出す 坂 茜雲
目は月を耳には虫のシンフォニー 大川里子
遠足の観光バスも走り出す 岩谷佳菜子
賽銭を盗む男の哀れさよ 西垣こゆき
自力では制御できない着地点 吉崎柳歩
市から来た商品券でおはぎ買う 青砥たかこ
 

整理・柳歩

9月24日(日)例会より  出席者11名欠席投句3 1名より
宿題「 閉じる」 橋倉久美子 選
  読みかけを閉じねばならぬ妻の声 磯浜基十
  玉手箱閉じたままでは意味がない 河内秀斗
  止 小型車の小型車らしいドアの音 西山竹里
 軸 もう少し飲まねば今日が閉じられぬ 橋倉久美子
宿題「 刺激」(共選) 青砥たかこ 選
  刺激にはなるが老体には悪い 𠮷崎柳歩
  黙食で激辛カレー倦怠期 小林祥司
 止 クレーマー対応刺激せぬように 小川はつこ
 軸 新しい言葉に右脳刺激され 青砥たかこ
宿題「 刺激」(共選) 小川はつこ 選
  熱溜めた海が台風刺激する ささきのりこ
  過疎の地に刺激与える路線バス 福村まこと
 止 絵本読み孫と刺激の外にいる 小林祥司
 軸 スーッとする刺激が欲しい痒み止め 小川はつこ
宿題「自由吟」 𠮷崎柳歩 選
  迫力はゴキブリよりもある百足 芦田敬子
  疑われることには慣れているカラス 橋倉久美子
 止 近道をしても得ではない散歩 福村まこと
 軸 大関が勝つとひときわ沸く拍手 𠮷崎柳歩
席題「 苦い」 互選
 7点 差し違え苦い思いをする行司 𠮷崎柳歩
  苦いけど後から効いてくる助言 𠮷崎柳歩
 5点 苦いけどいくつもレシピ持つゴーヤ 青砥たかこ
 4点 苦いだけで効くような気がする薬 芦田敬子
  困った舌酒を苦いと思わない 河内秀斗
誌上互選より 高点句(一人5句投票)
前号開票 『点火』  応募118句
  17点  プーチンの耳には聞こえない悲鳴 戴 けいこ
  12点   デジタルに悲鳴をあげる脳回路 織田広花
  10点   体重を減らせと膝が悲鳴あげ 加藤峰子
   9点   もうずっと悲鳴をあげている地球 澁谷さくら
   8点  クーラーも悲鳴を上げる熱帯夜 落合文彦
     悲鳴まで上げてほしくはない歯医者 𠮷崎柳歩