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目次12月号 ・巻頭言 「 分かち書き」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・みんなのエッセイ・その他 ・大会案内 ・編集後記
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柳歩 柳歩整理 柳歩 表 洋子 たかこ 柳歩 清水信 |
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巻頭言 | |
川柳は当初から「座の文芸」と言われて来た。今も句会や大会は、投句者が一堂に会し、入選句を披講し、それを耳で聴いて味わうのが基本的なスタイルである。 色紙に句を書く場合は、一句の趣をより引き出すため、三行で表記するのが普通である。先ごろ参加した「川柳みどり会」の大会では、事前投句ではあるが、一部にプロジェクターによる入選句の映像に合わせて披講がなされた。当日選では未だなかなか難しいが、分かち書きで視覚と並行して味わう披講もいいものだと思った。 印刷も映写技術も長足の進歩を遂げてきた。現代では多くの人がワープロを使い、活字になった句を速やかに視覚で味わうようになってきた。誰でもデジカメを扱い、HPにも活用する。パソコンにはプロジェクター用のソフトも付いている。いつまでも耳で聴くだけの「座の文芸」でもないだろう。 柳歩 |
すずか路より |
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
アナログのテレビ映らぬ日の茶の間 沢越 建志
年金を注ぎ込み孫を手なづける 山本 宏
東京に包まれ眠る寒い夜 青砥 英規
診察室を出る 忘れ物をしたように 坂倉 広美
予定帳老いにも明日があるらしい 堤 伴久
行列をみると並んでみたくなる 山本 喜禄
生きる話父のお墓の前にいて 水谷 一舟
草食系だけど執念なら深い 橋倉久美子
歩くことだけが仕事という余生 吉崎 柳歩
罫線があるのにいつも歪む文字 青砥たかこ (蟹の目川柳社同人 石川県在住) |
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特別室 |
批評の明暗(3)
ボクは何でも読む。 という風な古典的な作品(島木赤彦)もあれば ・戦争の傷は死んでもなおらんよ孤老は大きい涙をぬぐう
という新しい作(鳥海昭子『ほんじつ吉日』より)もある。しかも尚、本誌作品欄で、続々新作が生まれている。
他に水野昌雄の「短歌一九三五年前後」が、ボクがいまたいへん関心を持って考えている「二・二六事件」直後の短歌界の事情を伝えて興味を持った。
桐朋学園大学の短期大学部の演劇科で二年、さらに演劇専攻科で二年、一時安部公房スタジオにも参加、前衛劇にのめりこむが、22歳で浪人。春秋団を経て大石静と二兎社を旗揚げ、30歳の時だったという。 ・「翡翠」(かはせみ)と小声の洩るる歌会に春日井建は「ひすい」を通す 本当は「ひすい」も「翡翠」のルビなのだが、春日井は敢て「かわせみ」を採らないで「ひすい」という読みを通したという話で、南部はその美意識と語感を信じることで、作歌を始めたわけだ。それが分かった。 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句 | |||||||||||||||||||||
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