目次07年3月号

表紙裏(川柳展望年全国大会)
巻頭言 「ややこしい読み」 久美子  
すずか路
       久美子・柳歩整理 
・小休止      竹里・知子
・柳論自論(再掲)   柳歩
・川柳つれづれ     けいこ
・人と句 「水たまり今昔」を読んで
                たかこ
・例会
・例会風景       たかこ 
・没句転生      柳歩
・アラレの小部屋  久美子     
・前号「すずか路」散歩
           栃尾奏子さん
誌上互選
・インターネット句会
・ポストイン
・お便り拝受・あしあと
・大会案内など
・編集後記
 

   

 

 











 
 

バックナンバー

25年12月(240号)   29年12月288号)   03年12月336号)
25年11月(239号)    29年11月287号)   03年11月(335号)
25年10月(238号)   29年10月286号)   03年10月(334号)
25年 9月(237号)  29年 9月285号)   03年09月(333号)
25年 8月(236号)    29年 8月284号)  03年08月(332号)
25年 7月(235号)  29年 7月283号)  03年07月(331号)
25年 6月(234号)    29年 6月282号)   03年06月(330号)
25年 5月(233号)    29年 5月281号)   03年05月
(329号)
25年 4月(232号)    29年 4月280号)   03年04月(328号)
25年 3月(231号)    29年 3月279号)   03年03月(327号)
25年 2月(230号)   29年 2月278号)
   03年02月(326号)  07年 2月(374号)  
25年 1月(229号)    29年 1月277号)   03年01月(325号)  07年 1月(373号)
24年12月(228号)   28年12月276号)   02年12月(324号)  06年12月(372号)
24年11月(227号)  28年11月275号)   02年11月(323号)  06年11月(371号)
24年10月(226号)  28年10月274号)   02年10月(322号)  06年10月(370号)
24年 9月(225号)   28年 9月273号)   02年09月(321号)  06年 9月(369号)
24年 8月(224号)   28年 8月272号)   02年08月(320号)  06年 8月(368号)
24年 7月(223号)   28年 7月271号)   02年07月(319号)  06年 7月(367号)
24年 6月(222号)   28年 6月270号)   02年06月(318号)  06年 6月(366号)  
24年 5月(221号)   28年 5月269号)   02年05月(317号) (5月号は掲載漏れです) 
24年 4月(220号)   28年 4月268号)   02年04月(316号)  06年 4月(364号)
24年 3月(219号)  28年 3月267号)   02年03月(315号)  06年 3月(363号)
24年 2月(218号)  28年 2月266号)   02年02月(314号)  06年 2月(362号)  
24年 1月(217号)  28年 1月265号)  02年01月
(313号)  06年 1月(361号) 
23年12月(216号)   27年12月264号)  01年12月(312号)  05年12月(360号) 
23年11月(215号)   27年11月(263号)  01年11月(311号)  05年11月(359号) 
23年10月(214号)
  27年10月(262号)  01年10月310号)   05年10月(358号) 
23年 9月(213号)
 27年 9月(261号)  01年09月309号)   05年  9月(357号) 
23年 8月(212号)  27年 8月(260号)  01年08月308号)   05年  8月(356号) 
23年 7月(211号)
  27年 7月(259号)  01年07月307号)   05年  7月(355号) 
23年 6月(210号)
  27年 6月(258号)  01年06月306号)   05年  6月(354号) 
23年 5月(209号)
  27年 5月(257号)  01年05月305号)   05年  5月(353号) 
23年 4月(208号)
  27年 4月(256号)  31年04月304号)   05年  4月(352号)
23年 3月(207号) 
27年 3月(255号)  31年03月303号)   05年  3月(351号)
23年 2月(206号)
  27年 2月(254号)  31年02月302号)   05年  2月(350号)
23年 1月(205号)
 27年 1月(253号)  31年01月301号)   05年  1月(349号)
22年12月(204号)
  26年12月(252号)  30年12月300号)   04年12月(348号)
22年11月(203号)
  26年11月(251号)  30年11月299号)   04年11月(347号)
22年10月(202号) 
26年10月(250号)  30年10月298号)   04年10月(346号)
22年 9月(201号)
 26年 9月(249号)  30年 9月297号)   04年 9月(345号)
22年 8月(200号)
 26年 8月(248号)  30年 8月296号)   04年 8月344号) 
22年 7月(199号) 
26年 7月(247号)  30年 7月295号)   04年 7月343号)
22年 6月(198号)
  26年 6月(246号)  30年 6月294号)   04年 6月342号)
22年 5月(197号)
  26年 5月(245号)  30年 5月293号)   04年 5月341号)
22年 4月(196号)
  26年 4月(244号)  30年 4月292号)   04年 4月340号)
22年 3月(195号) 
26年 3月(243号)  30年 3月291号)   04年 3月339号)
22年 2月(194号)
  26年 2月(242号)  30年 2月290号)   04年 2月338号)
22年 1月(193号)
 26年 1月(241号)  30年 1月289号)   04年 1月337号)

                         
以前のバックナンバー
巻頭言

ややこしい読み

 二月例会の互選「叩く」での無得点句に、「引っ叩いてやりたい」で始まる句があった。得点しなかった理由の一つとして、「引っ叩く」(ひっぱたく)が読めなかったり誤字だと思ったりした、あるいは違和感を持ったことが、合評で挙げられた。

 そもそも題の「叩く」を、誰もが「たたく」と受け取ったが、改めて辞書で確かめると、この字は「はたく」とも読む。相撲の決まり手の「はたきこみ」が、漢字で書くと「叩き込み」であることを思い浮かべると、納得しやすいだろう。同じ漢字と送り仮名に二通りの読みがあり、「はたく」は「たたく」に比べ使用頻度が少ないこと、さらにこの句は「ひっぱたく」と音便になっていたことから、多くの人が「引っ叩く」に引っかかりを覚えたのだろう。

 そんなことを考えながら、すずか路を打ち込む準備をしていると、中七が「そろそろ捌けて」という句があった。最初これを「そろそろさばけて」と読み、中八だと思ったが、句全体を読んでもどうも意味が通らない。しばらく考えて、「捌けて」は「はけて」と読むのだと思い付き、辞書で確認するとはたしてそうであった。
 訓読みが複数ある漢字でも、「行く」と「行う」、「細い」と「細かい」のように、送り仮名が違えば読み間違うことはない。しかし、「叩く」(「たたく」と「はたく」)や「捌ける」(「はける」と「さばける」)、あるいは「辛い」(「からい」と「つらい」)のように、送り仮名も同じだと、文脈で判断しなければならない。(余談になるが、「細やか」は「こまやか」とも「ささやか」とも読むから、「細」の訓読みは要注意である。)

 「辛い」の場合、大多数の人が両方の読みを知っており、文脈で判断して読んでいる。しかし「叩く」のように片方の読みがあまり知られていない場合や、「捌ける」のようにおそらく漢字字体になじみがない場合(ちなみに「叩」も「捌」も常用漢字ではない)は、書き手には漢字で書くのが適切かどうかの判断が、読み手には人に尋ねたり辞書を引いたりするひと手間が、大切になってくるだろう。
                                                                                                                                      久美子 
                                             

 
すずか路より
アメリカの国歌かき消すブーイング 福村まこと
ゆっくりと降りるしかない観覧車 田沢恒坊
老い進む僕も政治もインフラも 佐藤千四
強盗も地震も怖い一戸建て 瀬田明子
食卓に春を運んだ豆ごはん 満月庵
酒造り登録祝い酒交わす 寺井一也
金閣寺とはっきりわかる金閣寺 西山竹里
突如訪れる職場の転換期 澁谷さくら
外食も夫がいなきゃつまらない 玉木りょうこ
テレビまで年寄り泣かすカタカナ語 磯浜基十
口笛を吹きたくなった目の手術 神野優子
トランプの頭に愛はあるんかい 大川里子
カタカナを飲み込む喉が狭すぎる 坂倉広美
酷暑あり大雪ありの島の国 竹島 晃
一年に一度ぐらいは見たい雪 橋倉久美子
バイデンの否定がトランプの仕事 北田のりこ
荒れる世に心安らぐひなまつり 河合恵美子
マーキングされていないか門扉見る 中川知子
食べた気がしないナイフとフォークでは 落合文彦
K点は越えたガラスの靴を履く 竹尾佳代子
オムライスよりもオムレツ酒のアテ 毎熊伊佐男
不機嫌の理由教えてくれぬタマ 戴 けいこ
逆らえぬ時に委ねる高齢者 村井一朗
大都会若さ呑み込むアリ地獄 山口龍一
寒に咲く梅の元気を見習おう 瓜生晴男
公民館も緊張をする投票日 加藤吉一
マーカーを引いて安心してしまう 芦田敬子
商魂に乗せられ食べる恵方巻き 圦山 繁
腰痛で健康器具が使えない 小川はつこ
孫卒業送る言葉を考える 水谷ちか子
夕食後見上げた空にオリオン座 竹口みかこ
レーダーにひょうたん島は写らない 小出順子
高い鍋買ったが味は変らない 藤村洋子
あおぞらを見よう疲れた男たち 柴田比呂志
喜んでいいのでしょうか長寿国 竹内そのみ
ずれていていいんじゃないと老夫婦 小林祥司
便利グッズ人はどんどん退化する 眞島ともえ
ACジャパンばかり流れるフジテレビ 小野教彦
自転車の下になっても無事である 樋口りゑ
がんばるわ夫を置いて逝けぬから 加藤峰子
「素直だが頑固」もわたくしの取り柄 𠮷崎柳歩
ほどほどを知らなさすぎる自然界 青砥たかこ
 

整理・柳歩

2月22日(土)例会より  出席者1 4名 欠席投句25名 39名より
宿題「甘い」 橋倉久美子 選
  高齢になっても着たい甘い服 小川はつこ
  現実派に甘い言葉は邪魔くさい 芦田敬子
  白菜の甘さを増してやる寒波 𠮷崎柳歩
 軸 クレームが嫌で採点甘くなる 橋倉久美子
宿題「鍋」(共選) 草山節子 選
  母からの鍋でまだまだ捨てきれず 竹内そのみ
  大根が沈んだままのおでん鍋 青砥たかこ
 止 地と海の幸がエールを交わす鍋 福村まこと
 軸 三味線の合いの手ナベの底たたく 草山節子
宿題「鍋」(共選) 毎熊伊佐男 選
  鍋も釜も要らない俺について来い 田沢恒坊
  片手鍋だけでなんとかなる暮らし 橋倉久美子
 止 寄せ鍋に人恋しさを埋めていく 柴田比呂志
 軸 フライパンひとつでなにもかもこなす 毎熊伊佐男
宿題「自由吟」 𠮷崎柳歩選
  転職サイトあとは野となれ山となれ 田沢恒坊
  故郷は雪の重みに堪えている 兼平 栄
 止 関節も外しゆっくり浸かる風呂 橋倉久美子
 軸 ガンマンのようにスマホを持ち歩く 𠮷崎柳歩
席題 「叩く」清記互選(一人5句投票)
 10点 叩かれた経験のない自動ドア 小出順子
 5点 ちょうどよい強さが欲しい肩叩き 青砥たかこ
 4点 たたかれた肩に人生変えられる 加藤吉一
  育毛剤やさしく叩くのが日課 青砥たかこ
  軽口を叩いてボロが出てしまう 中川知子
  ゴキブリを叩いたそばで虫供養 芦田敬子
  欠点がなくてはならぬ叩き台 毎熊伊佐男
  誌上互選より 高点句(一人5句投票)
 
前号開票 『場所』応募106句
  19点  溶けるのを待てずに噛んでしまう飴 樋口りゑ
  16点   銃声の止む日を待っている地球 山ア善尚
  12点    ちょうどいい所で待っている屋台 濱山哲也
  10点   「一本」の声をひたすら待つ寝技 西山竹里
   新しいいのちを待っている産着 山ア善尚