目次07年8月号 ・巻頭言 「日本人ファースト」柳歩 ・すずか路 久美子・柳歩整理 ・小休止 恒坊 ・みか子 ・柳論自論(再掲) 柳歩 ・川柳つれづれ けいこ ・人と句 「ネコにもわかる川柳」 を読んで たかこ ・例会 ・例会風景 たかこ ・没句転生 柳歩 ・アラレの小部屋 久美子 ・前号「すずか路」散歩 田辺与志魚さん ・誌上互選 ・インターネット句会 ・ポストイン ・お便り拝受・あしあと ・大会案内など ・編集後記
日本人ファースト
参議院選挙の開票前から危惧していたのだが、日本人ファーストを掲げる参政党が大きく躍進した。 動物は良くも悪くも本能によって生存し子孫を残してきた。人間には理性(知性)と本能(本性)があって、本性を理性でコントロールすることによって、かろうじて今日まで生き残ってきた。動物と違って科学によって道具や武器を作り、人類を絶滅できる核兵器まで保有してしまったが、広島、長崎の教訓もあって、今のところは核戦争は起こっていない。 日本は島国だが、ヨーロッパやアメリカは陸続きである。彼らの繁栄は移民や難民の労働力に支えられてきた。だが近年、欧米諸国では反移民、反難民や反緊縮財政を唱える「ポピュリズム」政党が支持を拡大してきた。各国にはそれぞれ白人と呼ばれる「先住民(アメリカの白人は移民だが)」がいる。彼らの中には資本主義という枠組みの中で、恵まれない、日の当たらない人々も多数いる。彼らの怒りの矛先が、移民や難民に優しい政権(支配層)や既成エリートに向くのは当然と言えば当然である。 それでも欧米諸国の民主主義の練度は、日本よりはかなり高いのではないだろうか? つまり、国民の理性による民主主義への復元力はあると思うのだ。 参院選で議席を増やした参政党は、動画サイトやSNSを巧みに利用して支持を広げたのだろう。外国人が生活保護や医療保険、就職や留学生の支援などで優遇されているとか、犯罪が多いとか、そういうネガティブキャンペーンが増幅されて、若い有権者の共感を呼ぶことになる。彼らは自分の思い込みを肯定する情報ばかり収集するようになり、批判する人を敵視する。投票した支持者ばかりではなく、参政党の候補者や当選者も、本気でそう思っているらしく、「防衛は核武装が最も安上がり」などと、臆面もなく述べている。 石破首相はスリーアウトチェンジだから降板すべき、という自民党内の動きに対して、「石破辞めるな」というデモが官邸前で起こっている。意外な展開だが支持する人も多い。確かに、もし石破氏が下野して、自民党の総裁に高市氏などが就任したら、参政党と連立を組む怖れは充分にある。そうなると民主主義の練度において欧米各国に劣る我が国では、平和憲法もあっけなく棄てられてしまうだろう。日本の民主主義は、いま大きなピンチに見舞われている。 警報が出る津波にも政治にも 柳歩
整理・柳歩
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