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目次2月号 ・巻頭言 「 鐘の鳴る丘」 ・すずか路 ・小休止 ・柳論自論 ・リレー鑑賞 ・ひとくぎり ・例会 ・例会風景 ・没句転生 ・インターネット句会 ・特別室 ・アラレの小部屋 ・前号印象吟散歩 ・誌上互選 ・ポストイン ・みんなのエッセイ・その他 ・大会案内 ・編集後記
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柳歩 柳歩整理 柳歩・堤伴久 加藤吉一 たかこ 柳歩 清水信 橋倉久美子 たかこ |
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巻頭言 | |
新家完司さんのブログを時々覗かせてもらっている。 昭和二十年代、ラジオ放送されたドラマの主題歌(川田正子)だから、耳にこびり付いている方も多いだろう。 数年後、中学校へ進学すると、「共楽園」という戦災孤児等の養護施設から通学する子が、各クラスに二、三人いた。「河野」という教頭先生(住職さん)が園長さんだと聞いた。 昨年末、二人の兄と勝浦で忘年会をした。八歳と四歳上である。夜、カラオケに興じ、私の提案でこの歌を合唱した。長兄は、「中学校の時の担任の先生が立派な人で、お寺で戦災孤児たちの面倒をみていた」と語った。河野先生だった。次兄は、小学校の運動会でこの歌の遊戯があった、と語った。 終戦直後の混乱期にも、地味で高邁な「伊達直人」がいたのである。 柳歩 |
すずか路より |
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リレー鑑賞「すずか路を読む」 |
迷路出る日は突然に来るだろう 橋倉久美子
拾った人が困らぬように名前書く 北田のりこ
いくらでも手抜きの出来る家事だった 鈴木 裕子
親に似た子ができるとは限らない 山本 宏
助手席の倒し具合に妻の勘 加藤 峰子
百均の店に苦情は言いにくい 山本 喜禄
大会が三つわたしにあるノルマ 吉崎 柳歩
メモ帳の誤字も修正液で消す 青砥たかこ (鈴鹿川柳会会員 鈴鹿市在住) |
1月22日(土)例会より | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別室 |
ゆかいな句会 名品は遠く去り、季語の美は涸渇している。今や、俳句の方から、波を起して、川柳に近づいている状況である。俳句を敵に回す理由は、何もない。 本誌203号で、三重文化芸術祭川柳大会への意見として、吉崎柳歩事務局長が書いているように「字結び、楽屋落ち、ただの説明句、報告句、例示句」の他、題、時事、故事、諺、四字熟語などにもたれた句や、動く句、下品な句について「川柳観以前のものとして踏まえて」おくべきだと言っているが、もっともであり、俳句にとっても、事情は同じことだ。安価な妥協は、文芸の本質を崩潰させる。 自分は『川柳すずか』の他『川柳亀山』や『川柳緑』や『川柳四日市』を毎号戴いて、専門外のこととて、恐縮しているが、句会の様子など作品結果や参加者の様子などから類推して、何れも仲が良さそうで、驚いている。 昔のように、酔いだくれが暴れたり、意見が合わないからと言って、何人もがひっつかみ合い、なじり合うということは、小説中心の会の合評会でも、姿を消したが、短詩型文学の勉強会での仲良し具合は、度を越えていそうだ。 どの雑誌でも、例会での批判の応酬や、深い論議は記録されていないので、その実態は分からないが、仲の良いだけでは、切磋琢磨の場としては、心許ない。互選会での高得点の作が、自分とは全く違うので、こういう場合、どんな気分で会場に坐っているかを空想すると、一寸空怖ろしい。果して、意見は聞いてもらえるのだろうか。それとも、一人浮いたままで、放っておかれるのだろうか。 前号で触れた『河』の場合は、カリスマ性のある角川代表が先ず、乱造した自作を何十作も披露した後、選句の骨格はこうだぜと言うらしい。
(1)言葉のリズム
の三つで「飽きのこない句」が一番だと説得するらしい。
・秋の日の二十五グラムのラブレター には、自分も票を投じたいが、川越句会での、次のような作には、バツをつける。(河それからA)
・駄菓子屋の駄菓子十円ほどの秋 (文芸評論家) |
誌上互選より 高点句 | ||||||||||||||||||||||||
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